CBTに関連する疾患を545件掲載。概要・科目・更新日を確認しながら、国家試験・臨床実習・復習に使える疾患知識を効率よく整理できます。
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
肺胞出血症候群は、肺胞内の毛細血管が破壊され、広範な肺胞内出血をきたす病態の総称。「喀血」「進行性の貧血」「胸部X線でのびまん性浸潤影」の三徴を呈し、ANCA関連血管炎やGoodpasture症候群などの自己免疫疾患が主な原因となる。
変形性膝関節症は、加齢、肥満、筋力低下などを背景に、膝関節のクッションである関節軟骨が摩耗・変性し、関節の変形と慢性的な疼痛をきたす疾患。中高年の女性に多く、日本人は内側(O脚)の障害が圧倒的に多い。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスによる、日本で最も報告数の多い性感染症(STI)である。特に女性では「無症状」であることが多く、放置すると骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊症、異所性妊娠の原因となるため極めて重要。
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
関節が正常な位置関係を失った状態。日常診療と国試で重要なのは「肩関節脱臼」「小児の肘内障」「股関節脱臼」である。それぞれ特有の受傷機転と転位方向、および神経・血管損傷などの合併症を持つ。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
腎血管性高血圧は、腎動脈の狭窄によって腎血流が低下し、腎臓が血圧を上げるホルモン(レニン)を過剰に分泌することで生じる二次性高血圧である。原因として高齢男性の「動脈硬化」と、若年女性の「線維筋性異形成(FMD)」がある。
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
過換気症候群は、精神的・心理的ストレスを背景に発作的な過呼吸状態となり、血液中の二酸化炭素(CO2)が過剰に排出されることで、呼吸性アルカローシスおよび様々な身体症状をきたす病態である。
COVID-19は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による急性呼吸器疾患。無症状から重症のARDS(急性呼吸窮迫症候群)まで多彩な経過をたどる。飛沫・エアロゾル感染が主体であり、ワクチンの普及と抗ウイルス薬の開発により致命率は低下したが、依然として高齢者や基礎疾患保有者では重症化リスクが高い。
腎性尿崩症は、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の分泌は正常であるにもかかわらず、腎臓(集合管のV2受容体)がADHに反応しないため、水分の再吸収ができず多尿・口渇をきたす疾患である。
白血球減少症は、末梢血の白血球数が基準値(通常4000/μL未満)を下回る状態。臨床的に最も問題となるのは、細菌感染の防御を担う「好中球」の減少(好中球数1500/μL未満)であり、500/μL未満になると「無顆粒球症」と呼ばれ、致死的な感染症のリスクとなる。
非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫以外の全ての悪性リンパ腫の総称であり、日本のリンパ腫の90%以上を占める。B細胞性、T/NK細胞性に大別され、節外病変(胃、腸、甲状腺など)が多く、非連続性に飛び石のように転移する特徴がある。
薬剤性肺障害は、医薬品の副作用として引き起こされる肺疾患の総称であり、多くは「薬剤性間質性肺炎」の形態をとる。原因薬剤の同定と速やかな中止が治療の第一歩となる。
慢性骨髄性白血病は、造血幹細胞の染色体異常(フィラデルフィア染色体)によって生じる骨髄増殖性腫瘍。異常なチロシンキナーゼ(BCR-ABL)が作られ、白血球(特に顆粒球系)が自律性に過剰増殖する。チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により予後が劇的に改善した。
CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
慢性リンパ性白血病は、形態的に成熟した小型のBリンパ球が異常増殖し、末梢血や骨髄、リンパ節に蓄積する低悪性度の血液腫瘍。欧米の白血病では最多だが、日本人には極めて稀である。進行が非常に緩徐であり、無症状の場合は治療を行わず経過観察される。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
常位胎盤早期剥離は、正常な位置に付着している胎盤が、胎児の娩出「前」に子宮壁から剥がれ落ちる致死的疾患。母体は大量出血とDIC(播種性血管内凝固症候群)に陥り、胎児は酸素供給が絶たれて急速に仮死・胎児死亡に至る。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
抗リン脂質抗体症候群(APS)は、自己抗体である抗リン脂質抗体が陽性となり、動静脈の血栓症や習慣流産(不育症)を引き起こす自己免疫疾患である。体内で血栓ができやすいにもかかわらず、検査(in vitro)ではAPTTが延長するのが特徴的な引っかけである。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
急性尿細管壊死(ATN)は、腎臓の尿細管上皮細胞が虚血や毒性物質によって壊死・脱落し、急激な腎機能の低下(急性腎障害:AKI)をきたす疾患。腎性AKIの中で最も頻度が高く、脱水などによる「腎前性AKI」との鑑別が重要である。
肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍(原発性肝癌の約5〜10%)。肝細胞癌(HCC)と異なり、ウイルス性肝炎や肝硬変を背景としないことが多く、間質が豊富でリンパ節転移をきたしやすいのが特徴である。
肝腎症候群は、重篤な肝疾患(非代償性肝硬変や劇症肝炎など)の経過中に、腎臓自体には器質的な異常がないにも関わらず、急激な腎機能低下(機能的腎不全)をきたす予後不良な病態である。
壊死性筋膜炎は、皮下組織の深部にある「筋膜」に細菌が感染し、組織を急速に腐らせながら(壊死)広がる致死的な軟部組織感染症。いわゆる「人食いバクテリア」による感染症であり、一刻も早い外科的デブリドマンが救命の鍵となる。
中枢性尿崩症は、視床下部・下垂体後葉の障害により、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の合成・分泌が低下し、腎臓での水分再吸収ができなくなることで多尿と多飲をきたす疾患である。
胆道閉塞は、胆管が結石(総胆管結石)や悪性腫瘍(胆管癌、膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌など)によって物理的に塞がれ、胆汁が十二指腸へ排泄されなくなる病態。行き場を失ったビリルビンが血液中に逆流し、「閉塞性黄疸」をきたす。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
腎静脈血栓症は、腎臓から血液を戻す腎静脈内に血栓が形成される病態。ネフローゼ症候群(特に膜性腎症)の代表的な合併症として知られ、突然の側腹部痛や血尿をきたす。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
Dressler(ドレスラー)症候群は、急性心筋梗塞の発症から「数週間〜数ヶ月後」に、発熱や胸膜炎様胸痛を伴って発症する自己免疫性の「心膜炎(および胸膜炎)」である。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
甲状腺乳頭癌は、甲状腺悪性腫瘍の大部分(約90%)を占める癌。進行が極めて緩徐で、10年生存率が90%を超えるなど予後は良好だが、若年女性にも発症しやすく、頸部リンパ節転移を高率にきたす。細胞診での「すりガラス状核」が確定診断の鍵となる。
拘束型心筋症は、心室壁が著しく硬くなり(コンプライアンス低下)、拡張不全(血液が心室に入りにくい)をきたす特発性心筋症。収縮能と壁厚は正常に近いが、著明な心房拡大と右心不全症状を特徴とする。予後は極めて不良である。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。
急性心筋炎は、主にウイルス感染などを契機として心筋に急性の炎症が生じる疾患。軽症例から、数時間〜数日で致死的な心不全やショックに至る「劇症型心筋炎」まで重症度は様々。若年者の突然の心原性ショックの原因として重要である。
急性喉頭蓋炎は、気管の入り口のフタである「喉頭蓋」に細菌感染が生じ、急速に腫脹することで気道閉塞をきたす耳鼻咽喉科・小児科領域の致死的救急疾患。気道確保が何よりも優先される。
急性リンパ性白血病は、リンパ球系の造血幹細胞が分化能を失い、未熟な白血病細胞(リンパ芽球)として骨髄中で自律増殖する血液腫瘍。小児がんで最も頻度が高く、小児では化学療法により高い治癒率を誇るが、成人では予後不良な染色体異常を伴うことが多い。
完全房室ブロックは、心房からの電気信号が心室に全く伝わらなくなった状態である。心房と心室がそれぞれ独自のペースで収縮(房室解離)し、心室の補充調律による高度な徐脈をきたすため、失神(アダムス・ストークス発作)や心不全の原因となる。
鎌状赤血球症は、ヘモグロビンの遺伝子変異により、低酸素状態などで赤血球が「鎌状(三日月型)」に変形する遺伝性溶血性貧血。変形した赤血球が微小血管に詰まることで、強烈な疼痛発作や多臓器障害を引き起こす。
下垂体腺腫は、下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍。ホルモンを過剰分泌する「機能性腺腫」と、分泌しない「非機能性腺腫」がある。機能性の中で最も頻度が高いのがプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)であり、無月経・乳汁漏出症候群をきたす。
異所性妊娠は、受精卵が子宮腔以外の場所(約90%以上が卵管膨大部)に着床する異常妊娠。破裂すると腹腔内への大出血を引き起こし、出血性ショックで母体の命に関わる産婦人科領域の最重要救急疾患である。
ホジキンリンパ腫は、リンパ節から発生する悪性リンパ腫の一種で、日本における悪性リンパ腫全体の約10%未満を占める。特徴的な「Reed-Sternberg(リード・シュテルンベルク)細胞」などを認め、隣接するリンパ節へ連続性に進展する。化学療法(ABVD療法など)が著効し、予後は比較的良好である。
ヘモクロマトーシスは、鉄の過剰な吸収・蓄積により、肝臓、膵臓、心臓、皮膚などの実質臓器が障害される疾患。原発性(遺伝性)と、頻回な輸血などによる続発性(二次性鉄過剰症)がある。皮膚色素沈着、肝硬変、糖尿病が古典的三徴である。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
びまん性汎細気管支炎(DPB)は、呼吸細気管支(気道と肺胞の移行部)を中心に慢性炎症をきたす、日本を中心とした東アジアに特異的な疾患。副鼻腔炎(蓄膿症)を高率に合併し、マクロライド系抗菌薬の少量長期投与が劇的に奏効する。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。
ビタミンB12の欠乏により、DNAの合成が障害され、骨髄で赤血球が正常に成熟できない「巨赤芽球性貧血」をきたす疾患。自己免疫による胃壁細胞の破壊で内因子が欠乏して起こるものを「悪性貧血」と呼ぶ。貧血に加え、葉酸欠乏にはない「神経症状」を伴うのが最大の特徴である。
ヌーナン症候群は、RAS/MAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異により生じる常染色体優性遺伝疾患。「ターナー症候群に似た外見(翼状頸、低身長)」を呈するが、染色体は正常であり、男女ともに発症する。肺動脈弁狭窄症などの右心系奇形を合併しやすい。
CHARGE症候群は、CHD7遺伝子変異によって生じる多発奇形症候群。特徴的な6つの主要症状(C, H, A, R, G, E)の頭文字をとって名付けられており、特に「後鼻孔閉鎖」と「虹彩欠損」の組み合わせが特徴的である。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。
チェディアック・東症候群は、LYST遺伝子変異により細胞内の小胞輸送が障害される原発性免疫不全症。部分白皮症(銀髪、色白)、好中球内の巨大顆粒、易感染性を三徴とし、進行すると血球貪食症候群(加速期)に移行して致死的となる。
ターナー症候群は、女性の性染色体(XX)のうち1本が完全にまたは部分的に欠失している(45,Xなど)染色体異常。低身長、原発性無月経、翼状頸を特徴とし、知能は通常正常である。大動脈縮窄症を高率に合併する。
ソトス症候群は、NSD1遺伝子の変異等を原因とする過成長症候群。乳幼児期からの大頭、高身長、特異的顔貌、および知的障害を特徴とする。骨年齢の促進がみられる。
サラセミアは、ヘモグロビンを構成するグロビン鎖(α鎖またはβ鎖)の合成障害により、小球性低色素性貧血をきたす遺伝性疾患。鉄欠乏性貧血(IDA)と非常に類似の検査所見を示すが、体内鉄は欠乏しておらず、むしろ過剰になりやすい(鉄剤投与が禁忌となる)点が極めて重要である。
ウィリアムズ症候群は、7番染色体長腕(7q11.23)の微小欠失により生じる疾患。「エルフ(妖精)様顔貌」と「非常に社交的で多弁な性格(カクテルパーティー症候群)」が特徴的で、大動脈弁上狭窄や高カルシウム血症を合併する。
ウェルナー症候群は、思春期以降(20歳代頃)から急速に老化が進行する「早老症」の代表的疾患。常染色体潜性(劣性)遺伝であり、白内障、白髪、糖尿病、皮膚の硬化を呈し、悪性腫瘍(肉腫など)を高率に合併する。
アンジェルマン症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「母親由来」の発現異常による疾患。プラダー・ウィリー症候群と対をなすインプリンティング疾患であり、重度の知的障害、てんかん、および「理由のない笑顔や笑い声」を特徴とする。
特定の食物を摂取した後、食物アレルゲン特異的IgE抗体を介して即時型(Type I)アレルギー反応を引き起こす疾患。乳児期に発症する鶏卵、牛乳、小麦アレルギーが代表的であり、成長に伴い耐性を獲得(自然寛解)しやすい。
大腿骨頸部骨折は、高齢者が転倒した際に生じやすい股関節の骨折。関節包(関節の袋)の「内側」で折れるため、骨頭を栄養する血流が絶たれやすく、「大腿骨頭壊死」や「偽関節(骨がくっつかない)」のリスクが極めて高い。寝たきりの原因となるため早期の手術が必要。
椎体圧迫骨折は、脊椎の椎体(主に前側)が潰れるように骨折する病態。骨粗鬆症の高齢者に好発し、尻餅をつくなどの軽微な外傷、あるいは自覚的な外傷なしで発症する。背中が丸くなる円背(亀背)の原因となる。
脳炎は、ウイルスなどが直接脳実質に感染して急性の炎症を引き起こす疾患。日本脳炎など様々あるが、日常診療と国試で圧倒的に重要なのが「単純ヘルペスウイルス(HSV)脳炎」である。側頭葉や前頭葉下部を好んで破壊し、致死率も高い。
肺腺癌は、原発性肺癌の中で最も頻度が高く(約60%)、非喫煙者や女性にも多く発症する。肺の末梢(肺野)に発生しやすく、EGFR変異などのドライバー遺伝子変異が高率に見つかるため、分子標的治療が予後を劇的に改善している。
肺好酸球増多症(PIE症候群)は、血中好酸球の増多と、胸部画像上の肺浸潤影を伴う疾患群の総称。好酸球性肺炎(急性・慢性)、アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA)、寄生虫感染(Loffler症候群)などが含まれ、多くはステロイドが著効する。
肺性心は、肺や肺血管の疾患(COPDや肺結核後遺症、肺血栓塞栓症など)によって肺高血圧症が生じ、それに伴って右心室が肥大・拡大し、最終的に右心不全に至る病態である。
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の感染によって引き起こされる性感染症(STI)。「偽装の達人」と呼ばれ、多彩な全身症状を呈する。近年、若年層を中心に感染者数が急増しており、母子感染による「先天梅毒」の予防も重要課題となっている。
腹部大動脈瘤(AAA)は、腹部大動脈が局所的に拡大(通常3cm以上)した状態である。多くは無症状だが、臍周囲の「拍動性腫瘤」として触知され、破裂すると致命的な腹腔内出血をきたす。拡大速度や径(男性5cm以上など)に基づいて手術を検討する。
橈骨遠位端骨折は、手首の骨折であり、高齢の骨粗鬆症患者に多発する。手のひらをついて転倒した際に生じる「Colles(コーレス)骨折」が圧倒的に多く、遠位骨片が背側(手の甲側)へズレてフォーク状の変形を呈する。
膵神経内分泌腫瘍(PanNET)は、膵臓の内分泌細胞(ランゲルハンス島など)から発生する稀な腫瘍。特定のホルモンを過剰分泌して特有の症状を呈する「機能性腫瘍」と、ホルモン症状を出さない「非機能性腫瘍」がある。MEN1(多発性内分泌腫瘍症1型)の部分症として発症することも多い。
臍ヘルニアは、へその輪(臍輪)が閉鎖不全や脆弱化により、腹腔内内容物が突出した状態である。小児の先天性と大人の後天性があり、大人では肝硬変による腹水や肥満が原因となることが多い。
裂肛は、硬い便の通過などにより肛門管の皮膚(上皮)が裂けた状態である。排便時の「激しい痛み」と「少量の鮮血」が特徴であり、慢性化すると肛門狭窄をきたす。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。
蜂窩織炎は、皮膚の深い部分(真皮深層から皮下脂肪組織)に細菌が感染し、化膿性の炎症を引き起こす疾患。下腿に好発し、患部の境界が不明瞭な「発赤・腫脹・熱感・疼痛」を特徴とする。
肺動脈弁狭窄症は、右心室から肺動脈へ血液を送り出す肺動脈弁が先天的に狭くなっている疾患。右心室に圧負荷がかかり右室肥大をきたす。第2肋間胸骨左縁の「粗い収縮期駆出性雑音」が特徴で、カテーテルによるバルーン拡大術が著効する。
脳膿瘍は、脳実質内に細菌が感染・増殖し、被膜に覆われた膿の塊(膿瘍)を形成する疾患。副鼻腔炎や中耳炎などからの直接波及や、先天性心疾患(右左シャント)による血行性感染が原因となり、頭蓋内圧亢進症状をきたす。
粘液水腫性昏睡は、重度の甲状腺機能低下症(橋本病など)を背景に、寒冷曝露や感染、薬剤などを契機として発症する致死的な病態である。低体温、徐脈、呼吸不全、意識障害を呈する救急疾患。
鉄欠乏性貧血は、ヘモグロビンの構成成分である鉄の不足により、赤血球の産生が低下して生じる貧血。全貧血の中で最も頻度が高く、小球性低色素性貧血を呈する。原因検索(消化管出血や過多月経など)が治療と同じくらい重要である。
多指症(たししょう)は、手や足の指の数が正常(5本)よりも多い先天性の形態異常。生まれつきの四肢異常の中で最も頻度が高い。単独で発生することもあれば、他の遺伝性疾患(パトー症候群など)の部分症として現れることもある。
前置胎盤は、胎盤が正常より低い位置に付着し、子宮口(内子宮口)の全体または一部を覆っている状態。妊娠後期の「無痛性性器出血」を特徴とし、経腟分娩は不可能で予定帝王切開となる。内診は出血を誘発するため「絶対禁忌」である。
尋常性ざ瘡(ニキビ)は、思春期に好発する毛包脂腺系の慢性炎症性疾患。男性ホルモンによる皮脂分泌亢進、毛穴の角化(毛穴の詰まり)、およびアクネ菌(Cutibacterium acnes)の増殖が複雑に絡み合って発症する。
心室頻拍は、心室から発生する異常な電気信号により、心室が高速で収縮(頻拍)する致死性不整脈である。心電図では幅の広いQRS波が連続して出現する。脈拍が触れない「無脈性VT」は心室細動(VF)と同等であり、直ちに除細動が必要となる。
心室細動は、心室が不規則に細かく痙攣し、心臓のポンプ機能が完全に失われた状態(心停止)である。急性心筋梗塞直後などに好発し、直ちに除細動(電気ショック)を行わないと数分で死に至る。
若年性特発性関節炎は、16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の慢性関節炎の総称。大きく「全身型(Still病)」「多関節型」「少関節型」に分類され、それぞれ特徴的な症状と合併症を持つ。
甲状腺クリーゼは、未治療またはコントロール不良の甲状腺機能亢進症(主にバセドウ病)の患者に、感染、手術、外傷などの強いストレスが加わることで発症する、致死的な甲状腺中毒症の急性増悪状態である。高熱、頻脈、意識障害をきたす超緊急疾患。
血小板減少症は、一次止血を担う血小板数が基準値(通常15万/μL以下)に低下する病態。点状出血や紫斑などの皮膚粘膜出血を特徴とし、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)、播種性血管内凝固症候群(DIC)、骨髄での産生低下(白血病など)が代表的な原因である。
機能性便秘は、大腸癌や腸閉塞などの器質的疾患(物理的な通過障害)を伴わず、腸管の機能異常や生活習慣によって生じる便秘の総称である。日常診療で極めて頻度が高く、機序により「弛緩性」「痙攣性」「直腸性」に大別される。
横紋筋融解症は、骨格筋(横紋筋)の急激な破壊・壊死により、筋細胞内の成分(ミオグロビン、CK、カリウムなど)が血液中に大量に流出する病態。急性腎障害(AKI)や致死的な高カリウム血症を引き起こす極めて危険な救急疾患である。
遺伝性球状赤血球症は、赤血球の膜タンパク質(スペクトリンやアンキリンなど)の異常により、赤血球が球状になり、脾臓で過剰に破壊される(血管外溶血)先天性溶血性貧血である。日本人で最も多い遺伝性溶血性貧血である。
マルファン症候群は、結合組織の主成分であるフィブリリン1の異常により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。高身長やクモ状指などの骨格異常、大動脈解離などの重篤な心血管病変、および水晶体の上方脱臼を三徴とする。
ベックウィズ・ヴィーデマン症候群は、11番染色体短腕(11p15)のインプリンティング異常により、身体の過成長(巨大発育)をきたす症候群。巨大舌、臍帯ヘルニア、およびWilms腫瘍や肝芽腫などの「胎児性腫瘍の発生リスクが高い」ことが最大の特徴である。
パーソナリティ障害は、その人の属する文化の期待から著しく偏った内的体験および行動の持続的パターンであり、広範かつ柔軟性がなく、青年期または成人期早期に始まり、長期にわたり変わらず、苦痛または障害を引き起こすもの。A群、B群、C群の3つのクラスターに分類される。
パトー症候群は、13番染色体が3本存在する染色体異常症。顔面および中枢神経系の「正中部」の重篤な形成異常(口唇口蓋裂、単眼症、全前脳胞症など)を特徴とし、生後1年以内に死亡することが多い致死的疾患である。
てんかんは、大脳のニューロンが過剰に興奮する(てんかん性放電)ことで、反復性の発作をきたす慢性脳疾患。脳の「一部(局所)」から始まる【焦点性発作】と、最初から脳の「全体」が興奮する【全般性発作】に大別され、発作型によって抗てんかん薬を使い分ける。
ダウン症候群は、21番染色体が3本(トリソミー)存在することで生じる最も頻度の高い染色体異常症。特異的顔貌、精神発達遅滞、および先天性心疾患や消化管奇形などの多彩な合併症を特徴とする。
シャーガス病は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)という原虫の感染によって引き起こされる熱帯感染症。中南米を中心に生息する「サシガメ(吸血昆虫)」の糞を介して感染し、数十年後に心筋症や消化管の「巨大化」をきたす致死的な疾患である。
コルネリア・デ・ランゲ症候群は、コヒーシン複合体に関連する遺伝子(NIPBLなど)の変異によって生じる多発奇形症候群。濃く繋がった眉毛や長い睫毛などの「極めて特徴的な顔貌」と、上肢の形成異常、重度の成長障害・知的障害を呈する。
エドワーズ症候群は、18番染色体が3本存在する重篤な染色体異常症。出生頻度は21トリソミーに次いで多いが、特有の指の拘縮(手指の重なり)や先天性心疾患を伴い、生命予後が極めて不良である。
アイカルディ症候群は、「脳梁欠損」「網脈絡膜ラクナ(眼底の虫食い状病変)」「点頭てんかん(乳児スパスム)」の三徴を特徴とする重篤な先天性神経疾患。X連鎖優性遺伝形式をとり、男児は原則として胎生期に致死となるため、患者はほぼ全て女児である。
von Hippel-Lindau病(VHL病)は、第3染色体にあるVHLがん抑制遺伝子の変異により、全身の多臓器に血管芽腫や多発性囊胞、悪性腫瘍を合併する常染色体顕性(優性)遺伝疾患。中枢神経・網膜の血管芽腫、腎細胞癌、褐色細胞腫が三大病変として重要である。
TORCH症候群は、母体が妊娠中に感染することで胎盤を介して胎児に感染し、先天奇形や重篤な障害を引き起こす病原体の頭文字をとった総称。トキソプラズマ(T)、その他(O)、風疹(R)、サイトメガロウイルス(C)、単純ヘルペス(H)を指す。
Sheehan症候群は、分娩時の大量出血に伴うショックにより、下垂体前葉が虚血・壊死に陥り、汎下垂体機能低下症をきたす疾患である。「産後の乳汁分泌停止」と「無月経」が初発症状となる。
Fanconi症候群は、腎臓の「近位尿細管」の機能が全体的に障害され、ブドウ糖、アミノ酸、尿酸、リン、重炭酸イオンなど、本来再吸収されるべき物質がすべて尿中に漏れ出てしまう症候群である。
Cushing症候群は、副腎皮質からのコルチゾール(糖質コルチコイド)の過剰分泌により、満月様顔貌(ムーンフェイス)、中心性肥満、高血圧、糖尿病など多彩な症状を呈する疾患である。原因病変の部位により、ACTH依存性とACTH非依存性に分類される。
4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)は、4番染色体短腕(4p16.3)の欠失により生じる疾患。ギリシャ戦士の兜(Greek warrior helmet)様と表現される特異的顔貌、重度の成長障害、難治性てんかんを特徴とする。
22q11.2欠失症候群は、22番染色体長腕の微小欠失により、第3・第4咽頭嚢の発生異常をきたす疾患。DiGeorge(ディジョージ)症候群とも呼ばれ、胸腺欠損(免疫不全)、副甲状腺欠損(低カルシウム血症)、円錐動脈幹の心奇形(ファロー四徴症など)を特徴とする。
閉鎖孔ヘルニアは、骨盤の閉鎖孔(閉鎖神経の通り道)から腸管が脱出する外疝痛の一種。高齢・痩せ型の女性に好発し、初期には閉鎖神経の圧迫による膝内側までの痛み(Howship-Romberg徴候)を呈し、嵌頓すると絞扼性イレウスを引き起こす。
内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。
先天性胆道拡張症は、先天的に胆管(主に総胆管)が拡張する疾患である。高率に「膵・胆管合流異常」を合併し、膵液の胆管内への逆流によって胆管炎や胆道癌(胆管癌・胆嚢癌)を引き起こすリスクが極めて高いため、予防的な手術が必要となる。
心房中隔欠損症は、右心房と左心房を隔てる中隔に欠損孔(穴)が開いている先天性心疾患。圧の高い左房から右房へ血液が流れる「左右シャント」により右心負荷をきたす。小児期は無症状で、学校検診の心雑音や心電図異常(不完全右脚ブロック)で発見されることが多い。
心臓粘液腫は、心腔内に発生する良性腫瘍の中で最も頻度が高く、その約80%が左心房(特に心房中隔)に発生する。腫瘍による血流遮断(僧帽弁狭窄様症状)、塞栓症、およびIL-6産生による全身炎症症状を三徴とする。
収縮性心膜炎は、慢性的な炎症により心膜が肥厚・石灰化し、心臓の拡張が強く制限される疾患である。右心不全症状が主体となり、吸気時に頸静脈怒張が増強する「Kussmaul(クスマウル)徴候」が特徴的である。
三尖弁閉鎖不全症は、右心室の収縮期に血液が三尖弁を通じて右心房へと逆流する疾患。左心系の疾患や肺高血圧症に伴い、右室が拡大して三尖弁輪が引き伸ばされることで生じる「二次性」が大部分を占める。右心不全症状と頸静脈の巨大v波が特徴的。
痔瘻は、歯状線にある肛門腺の感染(肛門周囲膿瘍)が進行し、直腸・肛門管内と肛門周囲の皮膚がトンネル(瘻管)でつながった状態である。自然治癒はせず、外科的手術が唯一の根治法となる。長期放置により「痔瘻癌」が発生するリスクがある。
急性心膜炎は、心膜に生じる急性の炎症であり、特発性(ウイルス性)が最も多い。体位によって変化する鋭い胸痛と、心電図における広範な誘導での「ST上昇(上に凹)」が特徴である。
劇症肝炎(急性肝不全)は、急性肝炎の経過中に極めて急激かつ広範な肝細胞壊死を生じ、発症から8週以内に「高度の肝機能障害(プロトロンビン時間 ≦ 40%)」と「肝性脳症(II度以上)」をきたす致死的な病態である。B型肝炎ウイルスや薬物アレルギーなどが原因となる。
胸部大動脈瘤(TAA)は、胸部大動脈(上行、弓部、下行)が拡張した状態。無症状で経過することが多いが、巨大化すると周囲臓器を圧迫し、反回神経麻痺による「嗄声(させい)」などの症状をきたす。破裂の危険が高いサイズ(5.5〜6.0cm以上)で手術適応となる。
肝嚢胞は、肝臓内に液体が貯留した袋(嚢胞)が形成される極めてありふれた良性疾患である。無症状で偶然発見されることが多く、エコーで内部が無エコー(真っ黒)に抜けるのが特徴。巨大化しない限り放置してよい。
外痔核は、歯状線より「肛門側(下側)」の静脈叢にうっ滞が生じ、腫脹したものである。内痔核と異なり、知覚神経(体性神経)が豊富な部位にあるため、血栓形成(血栓性外痔核)を伴うと「激しい痛み」をきたす。
クリオグロブリン血症は、体温より低い温度(寒冷曝露)で沈殿し、37℃に温めると再溶解する異常な免疫グロブリン(クリオグロブリン)が血中に存在する病態。C型肝炎(HCV)感染に高率に合併し、紫斑や関節痛、腎障害を引き起こす。
SMA症候群は、急激な体重減少などにより上腸間膜動脈(SMA)と腹部大動脈の間の脂肪が失われ、その間に挟まった十二指腸水平脚が圧迫・閉塞する疾患である。食後の腹痛・嘔吐をきたし、腹臥位(うつ伏せ)で症状が軽快するのが最大の特徴である。
Rotor症候群は、肝細胞から毛細胆管へのビリルビン排泄機能が先天的に障害されることで生じる体質性黄疸である。直接ビリルビン優位の黄疸を呈するが、肝臓への黒色色素沈着はなく、予後は良好で治療を必要としない。
Raynaud病は、寒冷曝露や精神的緊張により、四肢末梢(特に手指)の小動脈が発作的に攣縮し、虚血による蒼白・チアノーゼ・発赤を呈する疾患である。基礎疾患がないものを「Raynaud病(一次性)」と呼び、膠原病などに伴う「Raynaud症候群(二次性)」と区別する。
MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
メッケル憩室は、胚生期の卵黄管が退化せずに残存した真性憩室(全層性)であり、回盲部から約数10cm(約2フィート)口側の回腸に存在する。異位性胃粘膜を伴う場合、無痛性の下血(血便)の原因となり、小児の下血症例では重要疾患である。
E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV)による急性肝炎である。A型肝炎と同様に経口感染で、慢性化は原則としてしない。豚肉や野生動物(イノシシ、シカなど)の生食が原因となり、妊婦が感染すると劇症化しやすいのが最大の特徴である。
Eisenmenger症候群は、左右シャントを伴う先天性心疾患(VSD、ASD、PDAなど)を放置した結果、長期間の肺血流量増加により肺血管抵抗が著明に上昇し(不可逆的な肺高血圧症)、シャントの血流が「右から左(右左シャント)」へ逆転した重篤な状態。根治手術(欠損孔閉鎖)は禁忌となる。
Ebstein病は、先天的に三尖弁(右房と右室の間の弁)が右心室側に深く落ち込んで付着し、右心房が著明に拡大する稀な先天性心疾患である。三尖弁閉鎖不全症(TR)や右心不全をきたし、WPW症候群を高率に合併する。
C型肝炎は、血液を介してC型肝炎ウイルス(HCV)に感染する疾患。感染後約70%が慢性化し、数十年の経過で肝硬変、肝細胞癌へと高率に進行する。現在は内服の抗ウイルス薬(DAA)によりほぼ100%治癒可能となった。
B型肝炎は、血液・体液を介してB型肝炎ウイルス(HBV)が感染することで発症する。母子感染による「持続感染(キャリア)」と、性交渉等による「一過性急性感染」の経路があり、劇症化や慢性肝炎・肝細胞癌へ進行するリスクがある。
Buerger病は、喫煙者の青壮年男性に好発する、四肢末梢(特に下肢)の中〜小動静脈の非化膿性炎症および血栓形成をきたす疾患である。間欠性跛行や安静時痛、重症化すると虚血による潰瘍・壊死をきたす。治療の絶対条件は「禁煙」である。
Boerhaave(ブールハーフェ)症候群は、激しい嘔吐などの急激な食道内圧上昇により、健康な食道の全層が破裂する緊急疾患である。強烈な胸痛と背部痛をきたし、縦隔炎から敗血症へ進行するため、24時間以内の緊急手術が救命の鍵となる。
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)の経口感染により発症する一過性の急性肝炎である。カキなどの二枚貝の生食が原因となることが多く、慢性化することはなく、一度罹患すると終生免疫を獲得する。
FAPは、APC遺伝子の変異による常染色体顕性(優性)遺伝疾患であり、大腸全体に数千個の腺腫が多発する。放置すれば「100%大腸癌化」するため、若年期での大腸全摘術が必須となる。随伴症状を伴う場合はガードナー症候群等と呼ばれる。
GI-NET(旧カルチノイド)は、ホルモン産生細胞(神経内分泌細胞)由来の腫瘍である。粘膜下腫瘍(SMT)の形態をとり、黄味を帯びた色調が特徴。悪性度はKi-67指数により分類される。セロトニン過剰による「カルチノイド症候群」をきたすことがある。
肝膿瘍は、肝実質内に細菌や寄生虫が感染し、膿が貯留した局所感染症である。細菌が原因の「化膿性」と、赤痢アメーバが原因の「アメーバ性」に大別される。高熱と右季肋部痛を主徴とする。
バッド・キアリ症候群は、肝静脈主幹部またはその流入口付近の下大静脈が閉塞・狭窄し、肝血流の流出障害をきたす疾患である。門脈圧亢進症を呈し、腹水、肝腫大、下肢浮腫が3主徴となる。指定難病。
GISTは、カハールの介在細胞(消化管のペースメーカー細胞)由来の非上皮性悪性腫瘍である。粘膜下腫瘍(SMT)の形態をとり、c-kit遺伝子の変異が病態の核心。外科的切除とイマチニブによる化学療法が有効である。
脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。
脳性麻痺は、受胎から新生児期(生後4週以内)までの間に生じた非進行性の脳の病変に基づく、永続的な運動および姿勢の異常である。原因疾患と麻痺の型の組み合わせ(早産のPVLによる痙直型など)が頻出である。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
I型呼吸不全は、動脈血酸素分圧(PaO2)が60Torr以下に低下しているが、二酸化炭素分圧(PaCO2)は正常または低下(45Torr以下)している状態。主に肺の実質や間質の障害による「酸素化障害」が原因である。
II型呼吸不全は、PaO2が60Torr以下に低下し、かつPaCO2が45Torrを超えて蓄積している状態。気道の閉塞や呼吸筋の低下による「肺胞換気量の低下(息が十分に吐き出せない、吸い込めない)」が主な原因である。
脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。
腹水は、腹腔内に異常に体液(水分)が貯留した状態である。肝硬変による門脈圧亢進症と低アルブミン血症が最も多い原因であり、腹水穿刺による性状検査で漏出性と滲出性に鑑別することが診断の第一歩となる。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
肝性脳症は、重症肝障害や門脈大循環シャントにより、本来肝臓で代謝・解毒されるべき有害物質(アンモニア等)が脳に達し、精神・意識障害を引き起こす病態である。West Haven基準による重症度分類と、手のひらがパタパタと震える「羽ばたき振戦」が特徴的である。
肝細胞癌は、肝細胞から発生する原発性肝癌の代表格であり、その約90%以上が肝硬変や慢性肝炎(B型・C型、NASHなど)を背景に発症する。早期発見のためのサーベイランスと、BCLC分類に基づいた肝予備能・腫瘍条件を考慮した多角的な治療選択が重要である。
肝硬変は、慢性的な肝障害により肝細胞が破壊と再生を繰り返し、線維化が進行して肝臓が硬く縮小した不可逆的な状態である。肝機能の低下と門脈圧亢進症により、食道静脈瘤、肝性脳症、腹水などの多彩な合併症を引き起こし、肝細胞癌のハイリスク状態となる。
黄疸は、血中ビリルビン濃度の上昇(通常2〜3mg/dL以上)により、皮膚や眼球結膜が黄染する病態である。原因により「溶血性」「肝細胞性」「閉塞性」の3つに大きく分類され、それぞれのアプローチが異なる。
CO2ナルコーシスは、慢性的に高CO2血症がある患者(主に重症COPD)に対し、不適切に高濃度の酸素を投与した結果、呼吸中枢が抑制されてさらにCO2が蓄積し、重篤な意識障害や呼吸停止に陥る医原性の病態である。
胸水は、肺を覆う臓側胸膜と胸壁を覆う壁側胸膜の間の「胸腔内」に液体が異常に貯留した状態である。病名というより症候であり、心不全などの全身要因による「漏出性」と、胸膜炎や癌などの局所要因による「滲出性」に大別して原因を検索する。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
肺気腫は、喫煙などを原因として肺胞壁が破壊され、気腔が異常に拡大する不可逆的な疾患である。慢性気管支炎とともに「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」を構成する。弾性力を失った肺から息を吐き出せなくなる「閉塞性換気障害」の代表である。
複雑性腸閉塞は、物理的な腸管の閉塞に加えて「腸間膜の血管が締め付けられ、血流障害を伴う」極めて危険な状態である。数時間で腸管が壊死・穿孔し、敗血症性ショックに至るため、一刻も早い緊急手術の絶対適応となる。
輸入脚症候群は、胃切除後(特にビルロートII法やRoux-en-Y法)の再建腸管において、吻合部より口側にある腸管(輸入脚:胆汁や膵液が通るルート)が物理的に閉塞して液がうっ滞する合併症である。「食後の右季肋部痛」と、その後に「胆汁を大量に嘔吐すると症状がスッキリ消失する」のが最大の特徴。
汎発性腹膜炎は、胃・十二指腸潰瘍の穿孔や大腸穿孔、急性虫垂炎の破裂などを原因として、腹腔内全体に激しい炎症・感染が波及した極めて重篤な状態である。板状硬などの強い腹膜刺激症状を呈し、直ちに緊急開腹手術が必要となる。
肺水腫は、肺胞や肺間質に過剰な水分が貯留した状態であり、急激な呼吸困難を引き起こす致死的病態である。左心不全による「心原性肺水腫」と、血管透過性亢進による「非心原性肺水腫(ARDSなど)」に大別される。
食道静脈瘤は、肝硬変などによる門脈圧亢進症に伴い、食道粘膜下の静脈が怒張・蛇行した状態である。破裂すると致死的な大出血(大量吐血)をきたすため、内視鏡的治療による予防と緊急止血が極めて重要となる。
膿胸は、胸腔内(肺と胸壁の間)に細菌が感染し、膿(白血球や死滅した組織などを含む滲出液)が貯留した状態である。肺炎に続発することが多く、速やかな胸腔ドレナージと抗菌薬投与が必要となる。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
単純性腸閉塞は、腸管の通り道が物理的に塞がれているが、腸管への「血流障害を伴わない」状態である。開腹手術後の「癒着」が原因の最多を占め、絶食・輸液やイレウス管による保存的治療が第一選択となる。
多形紅斑は、感染症や薬剤を契機として生じるアレルギー性の皮膚疾患である。四肢に対称性に多発する「標的状(ターゲット状)紅斑」が最大の特徴であり、マイコプラズマや単純ヘルペスウイルス感染に関連して発症することが多い。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、多彩な自己抗体(特に抗dsDNA抗体)が産生され、全身の皮膚、関節、腎臓、中枢神経などに炎症をきたす多臓器疾患である。20〜40代の女性に好発し、Ⅲ型アレルギーによる免疫複合体の沈着(ループス腎炎など)が病態の核心となる。
心不全は、心臓のポンプ機能が低下し、全身の臓器に十分な血液を送り出せなくなる状態(低灌流)や、心臓の手前に血液がうっ滞する状態(うっ血)を引き起こす臨床症候群である。あらゆる心疾患の終末像であり、急性増悪と寛解を繰り返しながら徐々に予後が悪化する。
AIHAは、自己の赤血球に対する抗体(自己抗体)が産生され、赤血球が破壊(溶血)されることで進行性の貧血や黄疸をきたす疾患である。「温式(IgG)」と「冷式(IgM)」に大別され、直接クームス試験陽性が確定診断の要となる。
ARDSは、重症肺炎や敗血症などを契機に、全身性の過剰な炎症反応が肺に波及し、急激な血管透過性亢進による「非心原性肺水腫」を引き起こす重篤な呼吸不全である。肺保護を目的とした人工呼吸器管理が治療の中心となる。
チアノーゼは、毛細血管内の還元ヘモグロビン(酸素と結合していないヘモグロビン)が5g/dL以上になることで、皮膚や粘膜が青紫色〜暗紫色を呈する状態である。大きく「中心性チアノーゼ」と「末梢性チアノーゼ」に分類される。
自然気胸は、外傷などの明らかな誘因なく肺表面のブラ(嚢胞)が破裂し、胸腔内に空気が漏れ出て肺が虚脱する疾患である。若年・痩せ型・長身の男性に好発し、突然の胸痛と呼吸困難で発症する。
更年期障害は、閉経前後の女性において卵巣機能の低下(エストロゲンの急減)により生じる、自律神経失調症状や精神症状を中心とする多彩な症候群である。顔のほてり・のぼせ(ホットフラッシュ)が特徴的である。
好酸球性肺炎は、感染症ではなくアレルギー反応の一種として肺胞や間質に好酸球が著明に浸潤する疾患である。喫煙開始直後の若年男性に多い「急性(AEP)」と、気管支喘息を持つ中高年女性に多い「慢性(CEP)」に大別され、どちらもステロイドが劇的に著効する。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。
ニューモシスチス肺炎は、細胞性免疫低下時(特にAIDS患者)に発症する代表的な日和見感染症である。真菌であるニューモシスチス・イロベチイが原因で、乾性咳嗽と呼吸困難をきたし、CTでの「両側びまん性すりガラス影」と血液検査での「β-D-グルカン上昇」が特徴的。ST合剤が特効薬となる。
クレブシエラ肺炎は、腸内細菌科の肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)による細菌性肺炎であり、大酒家や糖尿病患者などの免疫低下状態にある人に好発する。強い組織破壊性を持ち、粘り気の強い赤色痰(粘血痰)と肺上葉の空洞形成を特徴とする。
カポジ肉腫は、HHV-8(ヒトヘルペスウイルス8型)の感染によって生じる血管内皮由来の悪性腫瘍である。AIDS指標疾患の代表であり、皮膚や口腔粘膜に無痛性の「紫紅色〜暗褐色の結節・斑」を多発し、進行すると消化管や肺にも病変を形成する。
AIDS(後天性免疫不全症候群)は、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染により、免疫系の司令塔であるCD4陽性Tリンパ球が破壊され、日和見感染症や悪性腫瘍を発症した状態を指す。早期の多剤併用療法(ART)により、ウイルスを抑制し健常者と変わらない生活を送ることが可能となっている。
月経困難症は、月経に随伴して起こる病的症状(強い下腹部痛など)で、日常生活に支障をきたす状態である。原因となる器質的疾患がない「機能性」と、子宮内膜症や子宮筋腫などが原因となる「器質性」に分類され、いずれもNSAIDsや低用量ピルが第一選択となる。
関節リウマチは、自己免疫的な機序により全身の関節滑膜に慢性的な炎症が生じ、関節の破壊・変形をきたす全身性炎症性疾患である。対称性の多発小関節炎と、1時間以上続く「朝のこわばり」が特徴。早期発見とメトトレキサートを中心とした強力な寛解導入療法が標準とされる。
化膿性関節炎は、関節腔内に細菌が感染して化膿性の炎症を起こす、整形外科領域における超緊急疾患(Red Flag)である。数日以内に不可逆的な関節軟骨の破壊が進行するため、疑った瞬間に緊急の関節内洗浄(ドレナージ)と抗菌薬投与が必要となる。
緊張型頭痛は、精神的・身体的ストレスに伴う頭蓋周辺の筋肉の過緊張により生じる、最も頻度の高い一次性頭痛である。両側性の締め付けられるような痛みが特徴で、悪心や嘔吐は伴わない。
偽痛風(CPPD)は、ピロリン酸カルシウム(CPP)結晶が関節軟骨や半月板に沈着し、それが剥がれ落ちて急性の関節炎を引き起こす疾患である。高齢者の大関節(特に膝関節)に好発し、X線での「軟骨の線状石灰化」と、関節液の偏光顕微鏡検査での「長方形の結晶(正の複屈折)」が特徴である。
急性扁桃炎は、口蓋扁桃にウイルスや細菌が感染し、発赤・腫脹や白苔(膿栓)を伴う急性炎症である。激しい咽頭痛と高熱をきたす。A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因の場合は、合併症予防のためペニシリン系抗菌薬の投与が必要となる。
急性細気管支炎は、2歳未満の乳幼児に好発する下気道感染症であり、RSウイルス感染が主な原因である。細気管支の炎症による狭窄から、喘息様の呼気性喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)と多呼吸、陥没呼吸などの強い呼吸困難をきたす。
偽性腸閉塞(Ogilvie症候群)は、腫瘍などの物理的な閉塞起点がないにもかかわらず、大腸(特に右半結腸〜横行結腸)が著明に拡張する急性病態である。高齢者や基礎疾患を持つ長期臥床者に好発し、穿孔リスクがあるため早急な減圧が必要となる。
くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂などにより、くも膜下腔に血液が急激に流入する致死的な疾患。「これまで経験したことのない突然の激しい頭痛」で発症し、髄膜刺激症状を伴うが、通常は片麻痺などの局所症状を伴わない。
アスピリン喘息(NSAIDs過敏喘息:AERD)は、解熱鎮痛薬(NSAIDs)を服用した後に重篤な喘息発作を誘発する疾患である。成人女性に多く、鼻茸(鼻ポリープ)や嗅覚障害を合併しやすい。アスピリンをはじめとする酸性NSAIDsは絶対禁忌である。
ミクリッツ病は、両側の涙腺、唾液腺(耳下腺・顎下腺)が左右対称性に無痛性に腫大する疾患である。かつてはシェーグレン症候群の一亜型と考えられていたが、現在は「IgG4関連疾患」の代表的な臨床像として確立されている。
IgG4関連疾患は、血清IgG4の高値と、全身の多彩な臓器へのIgG4陽性形質細胞の浸潤・線維化を特徴とする慢性・全身性の炎症性疾患である。悪性腫瘍と誤認されやすい腫瘤や肥厚を形成するが、ステロイドが劇的に著効する。
細菌性髄膜炎は、脳と脊髄を覆う髄膜に細菌が感染し、化膿性の炎症を引き起こす極めて緊急度の高い疾患である。高熱、頭痛、うなじのこわばり(項部硬直)を3主徴とし、迅速な抗菌薬投与がなければ死に至るか、重篤な後遺症を残す。
妊娠糖尿病(GDM)は、妊娠中に初めて発見または発症した、糖尿病には至らない糖代謝異常である。妊娠中のホルモン変化によるインスリン抵抗性の増大が原因であり、母体・胎児双方への合併症を防ぐための厳格な血糖管理が求められる。
抗NMDA受容体脳炎は、中枢神経のNMDA受容体に対する自己抗体が原因で、統合失調症様の急激な精神症状、けいれん、無反応覚醒、口のモゴモゴといった不随意運動を呈する自己免疫性脳炎である。若い女性に多く、卵巣奇形腫の合併が超頻出である。
PAHは、肺の細小動脈が狭窄・閉塞することで肺動脈圧が上昇し、右心不全に至る疾患である。特発性、遺伝性、または膠原病(強皮症など)や先天性心疾患に伴うものがある。指定難病であり、早期の多剤併用療法が予後を改善する。
膵癌は、膵管上皮から発生する悪性腫瘍であり、早期発見が極めて困難で予後不良な疾患の代表である。喫煙や糖尿病、慢性膵炎がリスク因子となり、黄疸や背部痛、急激な糖尿病の悪化を契機に発見されることが多い。
膀胱癌は、膀胱の尿路上皮から発生する悪性腫瘍であり、約90%以上が尿路上皮癌(移行上皮癌)である。「無痛性全血尿」が最大の特徴であり、喫煙や染料(ベンジジンなど)の職業曝露が強力なリスク因子となる。
NTM症は、結核菌とらい菌以外の抗酸菌(特にMAC菌)による肺感染症である。結核と異なり『ヒト・ヒト感染はない』ため隔離の必要はない。中高年女性に多く、緩徐に進行する多発小結節と気管支拡張が特徴である。
肺結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の吸入による空気感染症である。慢性の咳嗽、発熱、寝汗を主徴とし、日本の感染症法では「2類感染症」に指定されている。胸部X線での上肺野の空洞形成が特徴的である。
敗血症は、感染に対する生体の反応が調節不能に陥り、生命を脅かす「臓器障害」が引き起こされた状態である。速やかな認知と、発症1時間以内の抗菌薬・初期輸液開始(1時間バンドル)が予後を左右する救急疾患である。
糖尿病性腎症は、糖尿病の三大合併症(しめじ:神経・目・腎臓)の一つであり、日本の透析導入原因の第1位である。微量アルブミン尿から始まり、持続的蛋白尿、ネフローゼ症候群を経て腎不全へと進行する。
腎硬化症は、長期間の高血圧によって腎臓の細動脈が硬化し、腎血流量が減少して腎実質が萎縮・線維化する疾患である。良性(緩徐な進行)と悪性(急激な血圧上昇に伴う腎不全)に分けられる。
原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺自体の腫瘍(腺腫など)により副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰分泌され、高カルシウム血症をきたす疾患である。高Ca血症の2大原因の一つであり、骨病変や尿路結石を特徴とする。
菌血症は、本来無菌であるはずの「血液中」に細菌が存在する状態である。敗血症と混同されやすいが、菌血症はあくまで『血液培養が陽性である』という細菌学的状態を指し、必ずしも重篤な臓器障害を伴うとは限らない。しかし、敗血症や感染性心内膜炎への移行、遠隔転移病巣の形成に厳重な警戒が必要である。
急性腎盂腎炎は、尿道から侵入した細菌が腎盂や腎実質に達して炎症を起こす、上部尿路感染症である。高熱と激しい腰背部痛(CVA叩打痛)を特徴とし、敗血症のリスクがあるため迅速な抗菌薬治療を要する。
急性胃炎は、ストレスや薬剤(NSAIDs)、アルコール、食中毒(アニサキスなど)などを契機に、胃粘膜に急激な炎症(充血、浮腫、びらん、出血)を生じる疾患である。心窩部痛や吐下血をきたし、内視鏡では多発性のびらんを認める。
FDは、胃カメラなどで潰瘍や癌などの器質的疾患が認められないにもかかわらず、胃もたれや心窩部痛などの腹部症状が慢性的に続く疾患である。胃の適応性弛緩の障害や知覚過敏が主な原因とされる、現代人に非常に多い疾患である。
QT延長症候群は、心筋の再分極時間が延長し、心電図上でQT間隔が長くなる病態である。致死的な不整脈(Torsades de pointes:TdP)から失神や突然死をきたす恐れがある。先天性と後天性(薬剤、電解質異常)がある。
IgA腎症は、世界および日本で最も頻度が高い原発性糸球体腎炎である。糸球体メサンギウム領域へのIgA主体の免疫複合体沈着を特徴とし、上気道感染(扁桃炎など)後の「肉眼的血尿」が典型的な臨床像である。
卵巣癌は、卵巣に発生する悪性腫瘍の総称である。初期症状が乏しく、腹水や腹部膨満感で発見された時には進行していることが多い(Silent Killer)。「漿液性癌」が最多であり、手術による徹底的な減量術と化学療法が治療の基本となる。
肺癌は、気管支や肺胞の上皮から発生する悪性腫瘍であり、日本における癌死因の第1位である。大きく「小細胞癌」と「非小細胞癌(腺癌、扁平上皮癌、大細胞癌)」に分類され、組織型によって治療方針や予後が劇的に異なる。
乳癌は、乳管や小葉の上皮から発生する悪性腫瘍であり、日本人女性で最も罹患数が多い癌である。エストロゲン曝露期間(未産、早い初経・遅い閉経)がリスクとなり、自己検診やマンモグラフィによる早期発見が重要である。サブタイプに基づいた個別化治療が確立されている。
急性前骨髄球性白血病(APL)は、骨髄芽球から前骨髄球への分化段階で成熟が停止する急性骨髄性白血病(FAB分類M3)である。重篤なDIC(播種性血管内凝固症候群)を合併しやすく致死的になり得るが、ATRA(分化誘導療法)が劇的に著効する特異な白血病である。
原発性骨髄線維症(PMF)は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の一つであり、異常増殖した巨核球から放出されるサイトカインにより骨髄が線維化する疾患である。造血の場を奪われた血液細胞が脾臓や肝臓で造血(髄外造血)を行うため、巨大脾腫と末梢血の涙滴赤血球が特徴である。
HLHは、マクロファージやT細胞が異常活性化してサイトカインストームを引き起こし、自己の血球を貪食してしまう致死的な過剰免疫症候群である。高熱、肝脾腫、血球減少、著明な高フェリチン血症が特徴。
リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)は、B細胞から形質細胞への分化段階にある「リンパ形質細胞」が異常増殖する低悪性度リンパ腫。大部分がIgM型のM蛋白を大量に産生し、これを原発性マクログロブリン血症(WM)と呼ぶ。血液がドロドロになる「過粘稠度症候群」が特徴的である。
マッカードル病は、筋肉特異的なグリコーゲンホスホリルアーゼ(筋ホスホリルアーゼ)の欠損により、運動のエネルギー源であるグリコーゲンを分解できなくなる疾患である。強度の運動時の筋痛、痙攣、およびミオグロビン尿(褐色尿)を特徴とする。
ポンペ病は、ライソゾーム内の酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の欠損により、全身の細胞(特に心筋・骨格筋)のライソゾーム内にグリコーゲンが蓄積する疾患である。乳児型では著明な心肥大と筋緊張低下(フロッピーインファント)を呈し、致死的となる。
MERRF(Myoclonus Epilepsy associated with Ragged-Red Fibers)は、ミトコンドリアDNAの変異により生じるミトコンドリア脳筋症の一型である。「進行性ミオクローヌスてんかん(PME)」の代表疾患であり、ミトコンドリア病特有の母系遺伝、筋生検での赤色ぼろ線維(RRF)が特徴。
有毛細胞白血病は、細胞質に毛髪様(hairy)の突起を持つ成熟B細胞系の低悪性度白血病である。中高年男性に多く、著明な脾腫と汎血球減少(特に単球減少)をきたす。「TRAP染色陽性」と「骨髄のドライタップ」が国試の定番キーワードである。
本態性血小板血症は、骨髄増殖性腫瘍(MPN)の一つであり、造血幹細胞の遺伝子異常により主に巨核球が異常増殖し、末梢血の血小板数が持続的に著増する疾患である。無症状で発見されることが多いが、血栓症と出血傾向の両方に注意が必要である。
菌状息肉症は、皮膚指向性を持つCD4陽性T細胞が皮膚に浸潤・増殖する低悪性度の非ホジキンリンパ腫(皮膚T細胞リンパ腫の代表)である。数年から数十年かけて紅斑期、扁平浸潤期、腫瘍期へと緩徐に進行する。病理組織での「Pautrier(ポートリエ)微小膿瘍」が特徴的。
低ナトリウム血症は、血清Na濃度が135mEq/L未満の状態であり、主に体内の「水過剰」によって相対的にNaが希釈されることで生じる。細胞内浮腫による中枢神経症状(意識障害など)をきたし、急速な補正は浸透圧性脱髄症候群(ODS)という致死的な医原性合併症を招くため厳重な管理が必要である。
低カルシウム血症は、血清補正Ca濃度が8.5mg/dL未満の状態であり、神経や筋肉の興奮性が異常亢進し「テタニー(手足のしびれ、痙攣)」を引き起こす。Chvostek徴候やTrousseau徴候が特徴的で、心電図ではQT延長をきたす。
低カリウム血症は、血清K濃度が3.5mEq/L未満の状態であり、骨格筋・平滑筋の弛緩性麻痺(脱力、イレウス)や致死的な不整脈を引き起こす。心電図での「T波の平坦化」と「U波の出現」が特徴的である。
MEN2は、RETがん遺伝子の変異により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。「甲状腺髄様癌」と「褐色細胞腫」を必須病変とし、周術期の致死的なクリーゼを防ぐため、甲状腺手術よりも「褐色細胞腫の治療を絶対に優先する」ことが最大の鉄則である。
MEN1(Wermer症候群)は、がん抑制遺伝子であるMEN1遺伝子の変異により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。「副甲状腺」「下垂体」「膵・消化管」の3つの内分泌臓器に腫瘍が多発するのが特徴で、高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症)が初発症状となることが多い。
水俣病は、熊本県水俣湾および新潟県阿賀野川(第二水俣病)で発生した「メチル水銀」中毒による公害病である。中枢神経系が広範に障害され、四肢末端の感覚障害や求心性視野狭窄などのHunter-Russell症候群を呈する。
高ナトリウム血症は、血清Na濃度が145mEq/L以上の状態であり、体内の「絶対的または相対的な水欠乏」によって生じる。口渇が最大の防御機構であるため、自力で水分摂取ができない高齢者や乳幼児に好発する。細胞内脱水による中枢神経症状をきたす。
高カルシウム血症は、血清補正Ca濃度が10.5mg/dL以上の状態。悪性腫瘍と原発性副甲状腺機能亢進症が2大原因であり、消化器症状や精神・神経症状をきたす。重症化すると「高カルシウムクリーゼ」として致死的になるため、早急な大量輸液とビスホスホネート投与が必要となる。
高カリウム血症は、血清K濃度が5.5mEq/L以上の状態であり、電解質異常の中で最も致死性が高く緊急の対応を要する。心電図の「テント状T波」から始まり、突然の心室細動・心停止を引き起こす。致死性不整脈予防のための「カルシウム製剤静注」が治療の最優先となる。
OTC欠損症は、尿素サイクル異常症の中で最も頻度が高く、唯一のX連鎖遺伝(X染色体連鎖潜性遺伝)をとる疾患である。アンモニアを代謝できずに高アンモニア血症をきたし、重篤な脳症を引き起こす。尿中へのオロト酸排泄増加が特徴である。
熱中症は、高温多湿な環境下で体温調節機能が破綻し、体内の水分や塩分バランスが崩れることで生じる全身の障害である。日本救急医学会の重症度分類(I度〜III度)と、それに応じた適切な対処・冷却・輸液(特にIII度での迅速な急速冷却と集中治療)がCBTや国試、救急臨床において極めて重要となる。
石綿肺は、建築業や造船業などで「アスベスト(石綿)」を長期間吸入することで生じる塵肺(間質性肺炎)の一種。下肺野優位の線維化と胸膜プラークが特徴であり、悪性胸膜中皮腫や原発性肺癌の強烈なリスクファクターとなる。
四日市ぜんそくは、三重県四日市市の石油化学コンビナートから排出された「硫黄酸化物(SOx)」などの大気汚染物質によって引き起こされた集団喘息・慢性呼吸器疾患である。四大公害病の中で唯一の大気汚染による公害である。
珪肺は、トンネル工事や石工などの職業で「遊離珪酸(シリカ)」の粉塵を長期間吸入することで発症する塵肺の一種。上肺野優位の粒状影と、肺門リンパ節の「卵殻状石灰化」が特徴であり、肺結核を合併しやすい(珪肺結核)。
コルサコフ症候群は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によるウェルニッケ脳症が慢性化し、不可逆的な器質的記憶障害を残した状態である。「記銘力障害」と、失われた記憶を無意識の作り話で埋める「作話」が特徴的な認知症症候群である。
イタイイタイ病は、富山県神通川流域で発生した「カドミウム」による公害病である。カドミウムによる腎近位尿細管障害から骨軟化症をきたし、多発骨折と全身の激しい骨痛を呈する。
子宮頸管無力症は、妊娠中・後期に陣痛(子宮収縮)や出血を伴わずに子宮頸管が熟化・開大し、流産や早産に至る疾患である。自覚症状がないまま進行し、健診の内診や経腟エコーで頸管の短縮や胎胞の脱出が発見されることが特徴。
馬尾症候群は、脊髄下端(脊髄円錐)より下位の腰仙髄神経根の束(馬尾)が圧迫されることによって生じる神経症状の総称である。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となり、サドル状感覚障害、膀胱直腸障害(尿閉など)、両下肢の弛緩性麻痺などを呈する。不可逆的な神経障害を防ぐため、一刻も早い緊急外科的減圧術が必要となる「Red Flag(見逃してはならない危険なサイン)」である。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳組織が障害されることで発症する認知症である。アルツハイマー型に次いで頻度が高く、男性に多い。「階段状の進行」や「まだら認知症」、「感情失禁」が特徴である。
特発性肺線維症は、原因不明の間質性肺炎(特発性間質性肺炎:IIPs)の中で最も頻度が高く、肺の不可逆的な線維化が進行する予後不良の疾患である。HRCTでの蜂巣肺(UIPパターン)が特徴で、ステロイドは原則無効であり、抗線維化薬が治療の中心となる。
前脊髄動脈症候群は、前脊髄動脈の血流障害により脊髄の前方2/3が虚血となる疾患である。大動脈解離や大動脈瘤手術に合併することが多く、深部感覚は保たれる一方で、運動麻痺と温痛覚障害をきたす「解離性感覚障害」が特徴である。
真性多血症は、造血幹細胞の遺伝子異常(主にJAK2変異)により、エリスロポエチン(EPO)の刺激なしに赤血球を中心に血液細胞が自律的に過剰増殖する骨髄増殖性腫瘍である。血液の粘稠度上昇による血栓症や、入浴後の全身そう痒感が特徴である。
急性胆管炎は、総胆管結石や悪性腫瘍などによる胆管の閉塞を背景として、うっ滞した胆汁に細菌が感染して生じる致死的な疾患である。Charcotの3徴(発熱、右季肋部痛、黄疸)が特徴であり、重症化すると敗血症性ショックをきたすため、緊急の胆道ドレナージが必須となる。
急性胆嚢炎は、主に胆嚢結石が胆嚢管に嵌頓(詰まること)することで胆汁がうっ滞し、細菌感染を伴って胆嚢に急性の炎症が生じる疾患である。右季肋部痛、発熱、Murphy徴候が特徴であり、早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が標準治療となる。
気管支拡張症は、繰り返す気道感染や炎症により気管支壁が破壊され、非可逆的に拡張する慢性気道疾患である。多量の膿性痰と血痰(喀血)が特徴であり、CT検査での「印環細胞サイン(signet-ring sign)」や「軌道状陰影(tram-line shadow)」が国試で頻出である。
急性硬膜外血腫は、頭蓋骨骨折に伴う中硬膜動脈などの破裂により、頭蓋骨と硬膜の間に血腫が形成される病態である。意識清明期(lucid interval)の後に急激な意識障害をきたすのが特徴で、CTで凸レンズ型の高吸収域を示す。脳挫傷を伴わないことが多く、迅速な血腫除去により予後良好となる。
急性硬膜下血腫は、頭部外傷により架橋静脈などが破裂し、硬膜とくも膜の間に血液が貯留する病態である。脳挫傷を伴うことが多く、受傷直後からの重篤な持続性意識障害を呈する。CTで三日月型の高吸収域を示すのが特徴であり、予後は不良であることが多い。
日光角化症は、長年の紫外線曝露によって生じる表皮内癌(有棘細胞癌の初期段階・前癌病変)である。高齢者の顔面や手背など露光部に好発し、放置すると浸潤性の有棘細胞癌(SCC)に進行する可能性がある。
間質性肺炎は、肺胞の壁(間質)に炎症や線維化が生じ、肺が硬く縮んで膨らみにくくなる疾患の総称である。乾性咳嗽と労作時息切れを主徴とし、原因は特発性(IPFなど)、膠原病、薬剤、粉塵など多岐にわたる。進行すると蜂巣肺を呈し、予後不良となることが多い。
低フォスファターゼ症は、ALPL遺伝子の変異により組織非特異的アルカリフォスファターゼ(TNSALP)の活性が低下し、骨や歯の石灰化障害をきたす先天性代謝異常症である。血液検査での「ALP低値」と、乳歯の早期脱落が特徴的である。
脾腫は、脾臓が正常サイズ(長径約10cm)を超えて腫大した状態であり、門脈圧亢進症(肝硬変など)、血液腫瘍、感染症など多彩な原因で生じる重要な症候である。CBTや国試では、巨大脾腫をきたす疾患の鑑別や、脾機能亢進に伴う汎血球減少が超頻出である。
麻疹は、麻疹ウイルスの空気感染によって発症する極めて感染力の強い全身性感染症である。カタル期、発疹期、回復期と経過し、CBTや国試では、カタル期のコプリク斑、二峰性発熱、空気感染(陰圧室隔離)、および数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)への注意が超頻出である。
尿管結石は、腎臓で形成された結石が尿管に下降し、嵌頓することで激しい側腹部痛や血尿をきたす疾患。成分はシュウ酸カルシウムが最多。突然の発症と七転八倒する痛みが特徴である。
ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏により発症する急性の脳症。眼球運動障害、運動失調、意識障害の三徴が特徴であり、アルコール依存症や低栄養患者に好発する。不可逆的なコルサコフ症候群への移行を防ぐため、糖液投与前のビタミンB1補充が絶対原則である。
混合性結合組織病(MCTD)は、SLE、強皮症(SSc)、多発性筋炎(PM)の3疾患の症状が混在し、血液検査で「抗U1-RNP抗体」が特異的に高力価陽性となる自己免疫疾患。レイノー現象がほぼ全例にみられ、肺動脈性肺高血圧症(PAH)の合併が予後を左右する。
どちらも小児の代表的な下肢の整形外科疾患である。股関節形成不全(旧 先天性股関節脱臼:DDH)は女児に多く、開排制限やクリックサイン、リーメンビューゲル装具による治療が重要。先天性内反足は男児に多く、生後早期からのギプス矯正とアキレス腱切腱術が頻出である。
白内障は、加齢などにより水晶体が混濁し、視力低下や羞明(まぶしさ)をきたす疾患である。CBTや医師国家試験では、徹照法での陰影の確認と、超音波水晶体乳化吸引術+眼内レンズ挿入術が標準治療となる点が頻出の重要疾患である。
突発性難聴は、文字通りある日突然、原因不明で片側の高度感音難聴をきたす救急疾患である。発症から早期(1週間以内)にステロイド全身投与を開始しなければ聴力が回復しない(固定する)ため、CBTや国試では「早期治療が命」である点が超頻出の重要疾患である。
大腿ヘルニアは、腸管が大腿輪を通って、鼠径靭帯の下方(大腿部)に脱出するヘルニア。多産婦の高齢女性に多く、全ヘルニアの中で最も「嵌頓(かんとん)」しやすく、緊急手術となることが多い超重要疾患である。
誤嚥性肺炎は、嚥下機能や咳反射が低下した高齢者や脳血管障害患者において、口腔内の細菌(嫌気性菌を含む)が唾液や食物と共に気道へ誤って入り込む(誤嚥)ことで発症する肺炎である。再発を繰り返しやすく、嚥下リハビリテーションや口腔ケアによる予防が極めて重要である。
MLF症候群(内側縦束症候群)は、脳幹の内側縦束(MLF)の障害により、側方注視時に患側の眼球が内転できず、健側の外転眼に解離性眼振が生じる眼球運動障害である。輻輳(寄り目)は保たれるのが特徴である。
多発性硬化症は、中枢神経系(脳、脊髄、視神経)の白質に多発性の脱髄斑が生じる自己免疫疾患である。「空間的・時間的多発(様々な部位の症状が再発と寛解を繰り返す)」を特徴とし、ウートフ徴候や髄液のオリゴクローナルバンド陽性が国試で頻出である。
食道裂孔ヘルニアは、胃の一部が横隔膜の食道裂孔を通って縦隔内(胸腔内)へ脱出する疾患。滑脱型が最も多く、下部食道括約筋(LES)の機能低下により胃食道逆流症(GERD)の主要な原因となる。
外鼠径ヘルニアは、腸管が腹壁下動脈の「外側」にある内鼠径輪(深鼠径輪)から鼠径管を通って外鼠径輪(浅鼠径輪)へ脱出するヘルニア。小児のヘルニアはほぼ全例がこれであり、成人でも鼠径ヘルニアの中で最も頻度が高い。
DICは、基礎疾患(悪性腫瘍、敗血症、白血病など)に伴い、全身の微小血管内で血液凝固が過剰に活性化し、無数の微小血栓が多発する重篤な病態。凝固因子の消費による出血傾向と、微小血栓による臓器障害(多臓器不全)を合併する。
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積し、大脳皮質や海馬の神経細胞が脱落・萎縮することで進行性の認知機能障害をきたす疾患である。認知症の中で最も頻度が高く、近時記憶障害(物忘れ)から発症し、見当識障害や実行機能障害が進行する。
HELLP症候群は、妊娠後期〜分娩期(または産褥期)に発症する、溶血(Hemolysis)、肝酵素上昇(Elevated Liver enzymes)、血小板減少(Low Platelets)を三徴とする重篤な産科的合併症である。急速に多臓器不全へ進行するため、原則として「急速遂娩(緊急帝王切開などによる分娩の終了)」が唯一の根本治療となる。
パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞が変性・脱落し、線条体におけるドパミン不足により多彩な運動症状(4大症状:安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害)をきたす神経変性疾患である。非運動症状(嗅覚障害、便秘、REM睡眠行動異常症)も重要である。
ラムゼイ・ハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により、顔面神経と内耳神経が障害される疾患。「耳介の帯状疱疹(水疱)」「顔面神経麻痺」「内耳神経症状(難聴・めまい)」の三徴が特徴である。
Behçet病は、口腔粘膜・皮膚・眼・外陰部の4主徴を繰り返す原因不明の全身性炎症性疾患である。HLA-B51との関連が強く、眼病変(ぶどう膜炎)による失明や、血管・神経・腸管病変(特殊型)の合併が臨床上極めて重要である。
Brown-Séquard症候群は、外傷や腫瘍などにより脊髄の半側(右半分または左半分)が障害されることで生じる症候群である。障害側の運動麻痺・深部感覚障害と、対側の温痛覚障害を呈する「解離性感覚障害」が特徴であり、神経内科・整形外科領域で超頻出である。
パンコースト腫瘍は、肺尖部(肺の最上部)に発生する悪性腫瘍(主に非小細胞肺癌)であり、周囲の胸壁、腕神経叢、および交感神経幹(星状神経節)に浸潤して特有の神経症状を引き起こす。
前立腺癌は、前立腺の辺縁域(外腺)に好発する、男性ホルモン(アンドロゲン)依存性の悪性腫瘍である。高齢男性に多く、PSAスクリーニングによる早期発見が普及している。骨転移(造骨性転移)をきたしやすいことが特徴である。
乳房Paget病は、乳頭・乳輪部の難治性湿疹様病変を特徴とする特殊な乳癌である。乳頭直下の乳管内癌(DCIS)が、乳管を通って表皮内に進展した状態であり、ステロイド外用薬が無効な湿疹として発見されることが多い。
痛風は、高尿酸血症を背景として関節内に尿酸塩結晶が析出し、激しい急性関節炎(痛風発作)を引き起こす代謝疾患である。CBTや国試では、足の第1趾(親指)の付け根の激痛エピソードと、「発作中の尿酸降下薬の新規開始は禁忌」という原則が超頻出である。
ハンセン病は、抗酸菌の一種である「らい菌(Mycobacterium leprae)」の感染によって引き起こされる慢性感染症である。主に末梢神経と皮膚を侵し、知覚麻痺や皮膚病変をきたす。感染力は極めて弱く、現在は多剤併用療法(MDT)によって完治する疾患である。
Asherman症候群は、人工妊娠中絶や流産手術などによる過度な子宮内膜掻爬によって子宮内膜の基底層が破壊され、子宮腔内に癒着が生じる疾患である。子宮性無月経や続発性不妊の代表的な原因となる。
水腎症は、尿路の通過障害(閉塞)により尿が滞留し、上流の腎盂および腎杯が拡張した状態である。CBTや国試では、両側性と片側性の原因の鑑別、エコーでの診断、および水腎症感染や腎後性腎不全時の緊急ドレナージ(腎瘻・ステント)が超頻出である。
手根管症候群は、手関節の手根管内で正中神経が絞扼される、最も頻度の高い末梢神経障害である。母指〜環指橈側のしびれ、夜間痛、Tinel様サイン、Phalenテスト陽性、進行例での猿手(母指球筋萎縮)が国試で超頻出の重要疾患である。
円回内筋症候群は、正中神経が前腕近位の円回内筋部で絞扼(圧迫)されることによって生じる末梢神経障害である。手根管症候群と似たしびれを呈するが、手掌の感覚障害の範囲や誘発テストの違いで鑑別することが重要である。
ニーマン・ピック病は、スフィンゴミエリン等の脂質が全身の網内系細胞に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。CBTや国試では、著明な「肝脾腫」と「チェリーレッドスポット」の合併、および骨髄での「ニーマン・ピック細胞(泡沫細胞)」が超頻出である。
Tay-Sachs病は、リソソーム酵素であるヘキソサミニダーゼAの欠損により、脳の神経細胞にGM2ガングリオシドが蓄積する常染色体潜性遺伝疾患(スフィンゴリピドーシス)である。CBTや国試では、眼底の「チェリーレッドスポット」と「肝脾腫を伴わない」点がニーマン・ピック病との鑑別として超頻出である。
前立腺肥大症(BPH)は、加齢と男性ホルモンの影響で前立腺の移行域(内腺)が肥大し、尿道圧迫による排尿障害をきたす疾患である。CBTや国試では、α1受容体遮断薬などの薬物療法、風邪薬(抗コリン薬)による急性尿閉の誘発、および直腸診での所見が頻出である。
伝染性紅斑(リンゴ病)は、ヒトパルボウイルスB19の感染により、両頬のリンゴ様の紅斑と四肢のレース状紅斑を呈する小児の感染症である。CBTや国試では、皮疹出現時にはすでに感染力がない点や、妊婦感染時の胎児水腫、溶血性貧血患者における無形成発作の誘発が超頻出である。
風疹は、風疹ウイルスの飛沫感染によって発症する急性のウイルス性発疹症である。発熱、発疹、リンパ節腫脹を三主徴とする。CBTや国試では、妊婦が初期に感染することで胎児に難聴・白内障・先天性心疾患を引き起こす「先天性風疹症候群(CRS)」と、それを防ぐためのMRワクチン(生ワクチンであり妊婦禁忌)が超頻出である。
蕁麻疹は、真皮上層の限局性浮腫により、強いそう痒を伴う境界明瞭な膨疹が突然出現する疾患である。個々の皮疹は数十分から数時間で跡を残さず消退するのが最大の特徴。CBTや国試では、肥満細胞からのヒスタミン遊離(Ⅰ型アレルギーなど)の機序と、抗ヒスタミン薬が第一選択となる点が頻出の疾患である。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、明らかな飲酒歴がないにもかかわらず肝臓に脂肪が蓄積する疾患である。そのうち進行性で炎症や線維化を伴うものを非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ぶ。メタボリックシンドロームを背景とし、無症状のまま肝硬変や肝細胞癌へ進行するため、CBTや医師国家試験でも極めて頻出の重要疾患である。
胞状奇胎は、受精時の異常により胎盤の絨毛(トロホブラスト)が異常増殖し、多数の嚢胞(水疱)を形成する異常妊娠である。異常出血や強いつわり(悪阻)を契機に発見され、超音波検査での「吹雪様エコー」やhCGの著明な高値が特徴である。CBTや医師国家試験では、全胞状奇胎と部分胞状奇胎の遺伝学的違いや、絨毛癌への移行を防ぐための厳重なhCG管理(術後フォローアップ)が毎年問われる超頻出疾患である。
ネフローゼ症候群は、糸球体の透過性亢進により大量のタンパク質が尿中に漏出し、低タンパク血症や著明な浮腫をきたす症候群である。CBTや国試では、診断基準(尿タンパク3.5g/日以上、血清アルブミン3.0g/dL以下)や、血栓症・易感染性などの合併症、原疾患ごとの特徴(MCNS、MN、FSGSなど)が超頻出である。
帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により、片側の神経支配領域に一致して痛みを伴う紅斑と水疱が多発する感染性皮膚疾患である。CBTや医師国家試験では、ラムゼイ・ハント症候群(顔面神経麻痺)やハッチンソン徴候(三叉神経第1枝領域)、および帯状疱疹後神経痛(PHN)への移行が頻出の重要疾患である。
偽性副甲状腺機能低下症は、PTH(副甲状腺ホルモン)は十分に分泌されているにもかかわらず、標的臓器(腎臓や骨)の受容体以降のシグナル伝達が障害されているため、PTHが効かずに低カルシウム血症をきたす疾患群である。Albright遺伝性骨ジストロフィー(AHO)の合併や、Ellsworth-Howard試験が国試で頻出である。
過敏性肺炎(夏型)は、高温多湿の住環境に繁殖するカビ(トリコスポロン)の胞子を繰り返し吸入することで生じるアレルギー性の間質性肺炎である。環境からの隔離(入院)で改善し、帰宅すると再発するエピソードが国試で超頻出である。
異食症(ピカ)は、土、紙、髪の毛、氷など、栄養価のない非食料物質を1ヶ月以上強迫的に食べ続ける摂食障害の一つである。小児や妊婦、鉄欠乏性貧血の患者に多くみられる。
ネルソン症候群は、クッシング病の治療として「両側副腎全摘出術」を行った後、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)によるネガティブ・フィードバックが消失し、下垂体のACTH産生腺腫が急激に巨大化する医原性の症候群である。著明な色素沈着が特徴。
グッドパスチャー症候群は、抗糸球体基底膜(GBM)抗体により、肺胞出血と急速進行性糸球体腎炎(RPGN)を同時にきたす自己免疫疾患(II型アレルギー)である。CBTや国試では、若年男性の喫煙者における血痰と血尿のエピソード、および血漿交換療法が頻出である。
カルタゲナー症候群は、原発性線毛運動不全症(PCD)の一型であり、①内臓逆位、②慢性副鼻腔炎、③気管支拡張症の三徴を呈する常染色体潜性遺伝疾患である。精子の鞭毛運動も低下するため男性不妊の原因となる。
Sweet病は、突然の高熱とともに、顔面や上肢に痛みを伴う隆起した紅斑が多発する疾患。病理で真皮への密な好中球浸潤を認め、白血病や骨髄異形成症候群(MDS)に合併することがある。
Trousseau症候群は、悪性腫瘍(特にムチン産生腺癌)に伴う血液凝固能亢進により、全身の静脈・動脈に血栓症をきたす腫瘍随伴症候群である。原因不明の多発性脳梗塞や深部静脈血栓症(DVT)で発症し、ヘパリン持続点滴が治療の主体となる。
Reye症候群は、小児のウイルス感染症(インフルエンザや水痘など)の罹患中に、解熱剤としてアスピリンを投与されたことを契機に発症する、急性脳症と肝臓の微小脂肪滴沈着(脂肪変性)を特徴とする致死的疾患である。
肺動静脈瘻は、肺の動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接短絡(ショートカット)する血管異常である。静脈血(未酸素化血)が直接動脈系に混ざるため低酸素血症(チアノーゼ)をきたし、また静脈系の血栓や細菌が脳へ素通りして奇異性脳塞栓や脳膿瘍を引き起こす。
野兎病は、野兎病菌(Francisella tularensis)を保有する野ウサギやマダニなどとの接触により感染する人獣共通感染症である。CBTや医師国家試験では、「野ウサギの解体」後の所属リンパ節腫脹と潰瘍のエピソードや、βラクタム系が無効でありストレプトマイシンなどが第一選択となる点が頻出の重要疾患である。
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は、筋力低下が乏しい(CADM)一方で、急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)を高率に合併し、致死率が極めて高い特異な皮膚筋炎のサブタイプである。急速な呼吸不全とフェリチン著増が特徴的。
原発性マクログロブリン血症(WM)は、リンパ形質細胞性リンパ腫(LPL)の細胞がIgM型のM蛋白を過剰産生する低悪性度のB細胞性腫瘍である。IgMの巨大な分子量による血液のドロドロ状態(過粘稠度症候群)が特徴的な症状を引き起こす。
ミュンヒハウゼン症候群は、作為症(虚偽性障害)の重症型であり、周囲の関心や同情を引く「病人役割」を得るために、意図的に自傷行為を行ったり虚偽の症状を作り出し、入院や手術を繰り返す精神疾患である。
メナケス病(メンケス病)は、腸管からの銅吸収障害により全身の銅欠乏をきたすX連鎖潜性遺伝疾患である。中枢神経の退行変性、特異な縮れ毛(kinky hair)、および結合組織の異常(血管蛇行など)を特徴とし、ヒスチジン銅の皮下注が治療となる。
プロピオン酸血症は、分枝鎖アミノ酸などの代謝に必須なプロピオニルCoAカルボキシラーゼの欠損により、プロピオン酸などの有機酸が体内に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。新生児期からの重篤なケトアシドーシス発作を繰り返す。
たこつぼ心筋症は、精神的・肉体的な強いストレスを契機に発症する、可逆性の一過性左室収縮不全である。心電図や症状は急性心筋梗塞に酷似するが、冠動脈に有意な狭窄はなく、左室造影で「たこつぼ(心尖部が膨隆し基部が過収縮)」様の形態を呈する。
スタージ・ウェーバー症候群は、顔面の三叉神経領域(特に第1・2枝)の単純性血管腫(ポートワイン斑)と、同側の脳軟膜血管腫を特徴とする母斑症である。てんかん、緑内障、知的障害を合併し、頭部画像の「脳回状石灰化」が超頻出である。
SAPHO症候群は、掌蹠膿疱症などの皮膚症状と、前胸部(胸鎖関節など)の骨炎・関節炎を合併する自己炎症性疾患・脊椎関節炎の類縁疾患である。CBTや国試では、胸鎖関節の肥厚・疼痛と掌蹠膿疱症の組み合わせが頻出である。
キャットスクラッチ病は、Bartonella henselae(バルトネラ・ヘンセラ)を保有するネコにひっかかれたり噛まれたりした後に、局所の有痛性リンパ節腫脹と発熱をきたす人獣共通感染症である。
カサバッハ・メリット症候群は、乳幼児の巨大な血管性腫瘍の内部で血小板や凝固因子が大量に消費され、重篤な血小板減少と消費性凝固障害(DIC様病態)をきたす致死的な疾患である。
Wiskott-Aldrich症候群(WAS)は、WASタンパクの異常によるX連鎖潜性遺伝の原発性免疫不全症である。男児における「湿疹」「易感染性」「血小板減少(微小血小板)」の三徴がCBTや国試で超頻出である。
原田病は、メラノサイトに対する自己免疫応答により、眼、耳、髄膜、皮膚に炎症をきたす全身性疾患。両眼のぶどう膜炎、感音難聴、無菌性髄膜炎、夕焼け眼底、および慢性期の白髪・白斑が超頻出である。
Refeeding症候群は、長期の飢餓・低栄養状態にある患者に対し、急激に十分なカロリー(特に糖質)を投与した際に生じる、致死的な代謝・電解質異常である。低リン血症による心不全や呼吸不全をきたすため、栄養再開時の厳重なモニタリングが必須となる。
Gitelman症候群は、遠位尿細管のナトリウム・クロール共輸送体(NCC)の遺伝的機能不全により、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低マグネシウム血症をきたす常染色体潜性遺伝疾患である。サイアザイド系利尿薬の長期服用と同じ病態となる。
Gilbert症候群は、肝細胞におけるビリルビン抱合酵素の遺伝的活性低下により、軽度の間接(非抱合型)ビリルビン優位の高ビリルビン血症をきたす体質性黄疸である。健常人の数%に見られる良性疾患であり、治療は不要である。
Dubin-Johnson症候群は、肝細胞で抱合された直接ビリルビンを胆汁中へ排泄するトランスポーターの遺伝的欠損により、直接ビリルビン優位の高ビリルビン血症をきたす体質性黄疸である。腹腔鏡での「黒色肝」が超頻出キーワード。
Brugada症候群は、器質的な心疾患がないにもかかわらず、心電図V1〜V3誘導における特徴的なcoved型ST上昇を示し、夜間睡眠中に心室細動(Vf)を起こして突然死に至るイオンチャネル病である。植込み型除細動器(ICD)が唯一の確実な治療法である。
Bartter症候群は、ヘンレの太い上行脚におけるイオン輸送体の遺伝的機能不全により、低カリウム血症と代謝性アルカローシスをきたす疾患である。ループ利尿薬を大量に飲んでいるのと同じ状態になり、高カルシウム尿症を呈する点がGitelman症候群との鑑別で重要である。
副鼻腔炎は、鼻腔に隣接する副鼻腔(上顎洞、篩骨洞など)に炎症と膿の貯留が生じる疾患である。急性と慢性(蓄膿症)があり、CBTや国試では、膿性鼻漏、後鼻漏による咳嗽、CTでの副鼻腔陰影、およびマクロライド少量長期療法や指定難病である好酸球性副鼻腔炎が頻出である。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスの飛沫感染により、耳下腺などの唾液腺の非化膿性腫脹をきたす感染症である。CBTや国試では、酸味のある食物での疼痛増悪や、合併症としての無菌性髄膜炎、一側性のムンプス難聴、および思春期以降の感染における精巣炎・卵巣炎が頻出の重要疾患である。
網膜芽細胞腫は、乳幼児期に発症する最も頻度の高い眼内の原発悪性腫瘍である。RB1遺伝子(がん抑制遺伝子)の変異により発症する。CBTや国試では、白色瞳孔や斜視による発見、画像検査での石灰化、および早期治療による良好な生命予後が頻出の重要疾患である。
卵巣生殖細胞腫瘍は、卵子のもととなる生殖細胞から発生する腫瘍で、若年女性に好発する。大多数は良性の「成熟嚢胞性奇形腫(皮様嚢腫)」であるが、未分化胚細胞腫や卵黄嚢腫瘍などの悪性腫瘍もある。CBTや国試では、成熟嚢胞性奇形腫の茎捻転リスク、MRIでの脂肪信号、および高齢期の悪性転化が頻出である。
微弱陣痛および回旋異常は、分娩進行(パルトグラム)の遅延や停止をきたす代表的な異常である。CBTや国試では、パルトグラムの読み取り、オキシトシン等による陣痛促進の適応、および低在横定位などに対する吸引・鉗子分娩の基準が頻出の重要テーマである。
熱性けいれんは、生後6ヶ月から5歳頃の小児が発熱(通常38℃以上)に伴って起こすけいれん発作である。CBTや医師国家試験では、予後良好な「単純型」と、てんかん移行リスクがある「複雑型」の鑑別、および発作時の初期対応や予防目的でのダイアップ(ジアゼパム)坐薬の使用が超頻出の重要疾患である。
乳腺炎は、産褥期(特に授乳中)の乳房に生じる炎症である。乳汁の排出不良による「うっ滞性乳腺炎」と、それに細菌感染が加わった「化膿性乳腺炎」に大別される。CBTや国試では、両者の鑑別と、うっ滞性では授乳を継続・促進し、化膿性では患側の授乳を中止し搾乳や切開排膿を行う対応の違いが頻出である。
弛緩出血は、分娩第3期(胎盤娩出)以降に子宮筋の収縮不良により大量出血をきたす状態であり、産後出血の最多の原因である。CBTや国試では、軟らかく巨大な子宮(子宮底が高い)の所見と、子宮底輪状マッサージや双手圧迫、子宮収縮薬の投与という初期対応が超頻出である。
急性心筋梗塞は、冠動脈の完全な閉塞により心筋が非可逆的な壊死に陥る致死的な救急疾患である。突然の激しい胸痛が30分以上持続する。CBTや国試では、心電図の経時的変化(ST上昇、異常Q波)、心筋逸脱酵素(トロポニン等)の上昇、および早期の再灌流療法(緊急PCI)が超頻出である。
狭心症は、冠動脈の狭窄や攣縮により心筋への血流が一時的に不足し、虚血に陥る疾患である。胸痛や胸部圧迫感を引き起こすが、心筋壊死には至らない。CBTや医師国家試験では、労作性狭心症(ST低下)と冠攣縮性狭心症(一過性ST上昇)の違いや、ニトログリセリン舌下錠の著効が頻出の重要疾患である。
褥瘡は、長時間の圧迫により皮膚や皮下組織の血流が阻害され、虚血性壊死に陥る状態である。寝たきりの高齢者に好発する。リハビリ・看護分野でのニーズが極めて高く、国試では好発部位(仙骨部など)や、状態評価ツール「DESIGN-R」を用いたアセスメント、および病期(黒・黄・赤・白)に応じた外用薬・ケアの選択が超頻出である。
扁平苔癬は、皮膚や粘膜にそう痒を伴う紫紅色の扁平隆起性丘疹が多発する難治性の炎症性角化症である。細胞性免疫異常が背景にあり、特に日本においてはC型肝炎ウイルス(HCV)感染との合併率が高い。CBTや医師国家試験では、口腔粘膜のWickham線条や、病理組織での基底層の液状変性、ケブネル現象が頻出の重要疾患である。
網膜血管の閉塞により急激な視力障害をきたす疾患群である。動脈閉塞(CRAO)は「Cherry-red spot(桜実紅斑)」が特徴的な超緊急疾患であり、静脈閉塞(CRVO)は「火炎状出血」が特徴で、黄斑浮腫に対する抗VEGF薬が使用される。CBTや国試で対比して頻出する。
網膜剥離は、神経網膜が網膜色素上皮層から剥がれる疾患である。飛蚊症や光視症が前駆症状となり、進行すると視野欠損や視力低下をきたす。CBTや医師国家試験では、網膜裂孔に対するレーザー光凝固術や、硝子体手術が頻出の重要疾患である。
糖尿病網膜症は、成人の失明原因の上位を占める糖尿病の三大合併症の一つである。高血糖による網膜毛細血管の障害から虚血を生じ、新生血管が発生して硝子体出血や牽引性網膜剥離を引き起こす。CBTや国試では、軟性白斑の出現や、汎網膜光凝固術の適応が頻出である。
肥厚性幽門狭窄症は、生後2〜3週頃から、哺乳後に「噴水状の嘔吐(非胆汁性)」をきたす疾患である。胃の出口である幽門の輪状筋が肥厚し、胃内容物が通過できなくなる。CBTや国試では、右上腹部のオリーブ様腫瘤の触知や、胃酸喪失に伴う「低Cl性低K血症性代謝性アルカローシス」が超頻出の重要疾患である。
無痛性甲状腺炎は、自己免疫異常(主に橋本病がベース)により甲状腺濾胞が無症候性に破壊され、蓄積されていたホルモンが血中に漏れ出すことで一過性の甲状腺中毒症を来す疾患である。CBTや医師国家試験では、亜急性甲状腺炎(痛みあり・炎症反応あり)やバセドウ病(ヨード取り込み亢進)との鑑別、および「経過観察・β遮断薬」という治療方針が毎年問われる超頻出疾患である。
疥癬は、ヒゼンダニの皮膚寄生によって生じる極めてそう痒の強い感染症である。高齢者施設や病院で集団感染を起こしやすく、CBTや医師国家試験では、手指の疥癬トンネルや夜間増悪する激しいかゆみ、そして重症型である角化型疥癬(ノルウェー疥癬)の隔離対応とイベルメクチン内服が超頻出の重要疾患である。
類乾癬は、尋常性乾癬に似た紅斑や落屑を呈するが、乾癬とは異なる原因不明の慢性皮膚疾患群である。特に「大局面状類乾癬」は、皮膚T細胞リンパ腫である菌状息肉症の前駆病変として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、菌状息肉症への移行リスクと定期的な皮膚生検による経過観察が頻出する。
良性発作性頭位めまい症(BPPV)は、内耳の耳石が剥がれ落ちて半規管に迷入することで起こる、末梢性めまいの最も一般的な原因疾患である。寝返りなどの特定の頭部運動時に、数十秒程度の激しい回転性めまいが生じる。CBTや医師国家試験では、メニエール病との鑑別、特徴的な眼振所見、Dix-Hallpike試験やEpley法などの診断・治療手技が毎年問われる超頻出疾患である。
緑内障は、視神経が障害され視野が欠損する疾患である。急性閉塞隅角緑内障の急性発作は激しい眼痛と頭痛を伴い、散瞳薬が絶対禁忌となる。慢性の開放隅角緑内障は無症状で進行する。CBTや医師国家試験では、ピロカルピンによる縮瞳やレーザー虹彩切開術が頻出である。
卵巣がんは、卵巣の表層上皮から発生する悪性腫瘍である。初期症状に乏しく、腹水や腹部膨満感を契機に進行期で発見されることが多いため「サイレントキラー」と呼ばれる。CBTや国試では、4つの主要組織型(漿液性、明細胞、粘液性、類内膜)の特徴、腫瘍マーカーCA125、および腫瘍減量術とTC療法が超頻出である。
薬剤性過敏症症候群(DIHS)は、特定の薬剤の内服開始から2〜6週間後に発症し、高熱、全身の紅斑、リンパ節腫脹、重篤な多臓器障害をきたす重症薬疹である。HHV-6の再活性化が病態に関与し、原因薬を中止しても症状が遷延・増悪するのが特徴である。CBTや国試では、遅発性の発症とHHV-6の関連が超頻出である。
未熟児網膜症は、早産児(低出生体重児)において、網膜血管の発育不全と異常な新生血管の発生により網膜剥離や失明に至る疾患である。CBTや国試では、救命のための高濃度酸素投与がリスク因子となることや、レーザー光凝固術による進行予防が頻出である。
慢性膵炎は、長期間にわたる持続的な炎症により膵組織が不可逆的に破壊され、線維化や石灰化をきたす疾患である。アルコール多飲が最大の原因であり、進行すると膵機能が低下する。CBTや医師国家試験では、膵石症の合併や、代償期と非代償期の症状の違い、脂肪便や糖尿病の出現が超頻出の重要疾患である。
慢性硬膜下血腫は、頭部外傷後1〜2ヶ月かけて硬膜とくも膜の間に血腫が貯留し、脳を圧迫する疾患である。高齢者や大酒家に好発する。認知機能障害や歩行障害を呈するため「治療可能な認知症」として重要である。CBTや医師国家試験では、頭部CTでの「三日月型」の病変、急性硬膜外血腫との鑑別、および穿頭血腫洗浄ドレナージ術が超頻出である。
閉塞性動脈硬化症(ASO)は、動脈硬化によって主に下肢の太い血管が狭窄・閉塞し、末梢に虚血を来す疾患である。中高年の男性で、糖尿病、高血圧、脂質異常症、喫煙歴などのリスクファクターを持つ人に好発する。CBTや医師国家試験では、進行度を表す「Fontaine(フォンテイン)分類」や、足関節上腕血圧比(ABI)の低下(0.9未満)が毎年問われる超頻出疾患である。
麦粒腫(ものもらい)は黄色ブドウ球菌などの細菌感染による急性の化膿性炎症であり、霰粒腫はマイボーム腺の詰まりによる慢性の肉芽腫性炎症である。CBTや国試では、両者の鑑別(痛みの有無、感染性か非感染性か)が頻出である。
洞不全症候群(SSS)は、心臓のペースメーカーである洞結節の機能が低下し、徐脈や心停止、あるいは頻脈を合併する不整脈疾患である。脳血流の低下による失神(アダムス・ストークス発作)やめまいを引き起こす。CBTや医師国家試験では、Rubenstein(ルーベンスタイン)分類と、有症状時の「ペースメーカー植え込み」の適応、特に徐脈頻脈症候群(III型)に対する治療戦略が頻出である。
動脈管開存症(PDA)は、胎生期に大動脈と肺動脈を繋いでいた動脈管(ボタロー管)が、出生後も閉鎖せずに残る先天性心疾患である。大動脈から肺動脈への左右シャントが生じ、肺血流量増加による心不全や肺高血圧の原因となる。CBTや医師国家試験では、特徴的な「連続性雑音」や「インドメタシンによる治療」が毎年問われる超頻出疾患である。
統合失調症は、思春期から青年期に発症し、幻覚・妄想などの陽性症状と、感情鈍麻・意欲低下などの陰性症状を呈する精神疾患である。CBTや国試では、ドパミン過剰による幻聴や連合弛緩、および非定型抗精神病薬による治療と副作用(悪性症候群、錐体外路症状)が超頻出である。
伝染性膿痂疹(とびひ)は、主に小児の夏期に好発する皮膚の細菌感染症である。虫刺されや湿疹の掻き壊しから細菌が侵入し、水疱や痂皮を形成して全身に拡大する。CBTや医師国家試験では、原因菌(黄色ブドウ球菌とA群溶連菌)による病型の違いや、溶連菌感染後の急性糸球体腎炎への注意、ステロイド外用の禁忌が頻出の重要疾患である。
腸重積症は、腸管の一部が肛門側の腸管内に嵌入(入り込む)し、腸閉塞と血流障害をきたす小児の救急疾患である。生後6ヶ月〜2歳頃に好発し、間欠的な激しい腹痛と「イチゴゼリー状便」が特徴である。CBTや国試では、超音波でのターゲットサインや、発症24時間以内に行う高圧浣腸(経肛門的整復術)が頻出の重要疾患である。
大動脈弁閉鎖不全症(AR)は、拡張期に大動脈弁の閉鎖が不完全となり、大動脈から左心室へ血液が逆流する疾患である。左室の著明な容量負荷により左室拡大(遠心性肥大)を来す。脈圧の増大による特有の身体所見(大脈・速脈など)や、拡張期雑音、Austin-Flint雑音が特徴である。CBTや医師国家試験では、ASとの身体所見の対比や、血管拡張薬が有効である病態生理が毎年問われる超頻出疾患である。
適応障害は、明確なストレス因(転勤、人間関係、病気など)に対して不釣り合いなほどの苦痛を感じ、抑うつや不安などの情緒的・行動的症状をきたす疾患である。CBTや国試では、ストレス因から離れると症状が軽快する点や、第一選択の対応が環境調整であることが頻出である。
注意欠如・多動症(ADHD)は、不注意(集中力がない、ミスが多い)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくとすぐ行動する)を特徴とする神経発達症である。前頭前野を中心としたドパミンやノルアドレナリンの機能不全が関与している。CBTや医師国家試験では、DSM-5の診断基準(12歳以前の発症)、合併症(ASD、LD)、および薬物療法の作用機序の使い分けが頻出である。
中耳炎は、鼓膜奥の中耳腔に炎症や浸出液の貯留、または異常な上皮の増殖が起こる疾患群である。痛みを伴う急性中耳炎、小児の難聴の原因となる滲出性中耳炎、および骨破壊を伴い手術が必要な真珠腫性中耳炎の3つが試験で極めて重要である。
胎便吸引症候群(MAS)は、胎児が低酸素ストレス等により子宮内で胎便を排泄し、それを含む羊水を出生前後に気道へ吸引することで、気道閉塞や化学性肺炎をきたす疾患である。CBTや国試では、過熟児に多い点や、チェックバルブ機序による「気胸」の合併、および遷延性肺高血圧症(PPHN)の併発が頻出の重要疾患である。
脊髄空洞症は、脊髄中心部に液体が貯留し空洞(syrinx)を形成する疾患である。キアリ奇形(I型)に合併することが多く、CBTや医師国家試験では、温痛覚のみが障害され触覚や深部感覚が保たれる「温痛覚解離」や、上肢の「宙吊り型」感覚障害、およびMRIの矢状断像が超頻出である。
身体症状症は、痛みや疲労感などの身体症状が長期間持続し、それに対して過度な不安やとらわれを抱き、日常生活に支障をきたす精神疾患である。CBTや国試では、器質的異常がないことへの理解を促し、不必要な検査を避けて支持的に関わる姿勢が問われる。
心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、生命を脅かすような強烈なトラウマ体験後に、フラッシュバックや回避行動などの症状が1ヶ月以上持続する疾患である。CBTや国試では、1ヶ月未満の急性ストレス障害(ASD)との鑑別や、SSRIおよびトラウマ焦点化認知行動療法が頻出である。
色素性乾皮症は、紫外線によって生じたDNA損傷を修復する機能(ヌクレオチド除去修復など)が先天的に欠損している常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、極度の光線過敏、若年での皮膚がん多発、およびA群などでの進行性神経障害が超頻出である。
耳硬化症は、アブミ骨の前方が卵円窓(前庭窓)に異常な骨増殖によって固着し、音の振動が内耳に伝わらなくなることで伝音難聴をきたす疾患である。CBTや国試では、Gelle試験陰性、Cahartの陥凹、Schwartze徴候、およびアブミ骨手術が頻出の重要疾患である。
喉頭がんは、発声器官である喉頭の粘膜から発生する扁平上皮癌であり、喫煙と強固な因果関係がある。声帯に発生する声門がんが最多である。CBTや国試では、初期症状としての嗄声(しわがれ声)、早期例での放射線治療(音声保存)、および進行例の喉頭全摘出術(永久気管孔)が超頻出である。
強迫性障害(OCD)は、不合理だと自分でもわかっているのに頭から離れない「強迫観念」と、それを打ち消すための「強迫行為」を繰り返し、日常生活に著しい支障をきたす精神疾患である。CBTや国試では、洗浄強迫・確認強迫といった具体例と、SSRIおよび曝露反応妨害法による治療が頻出である。
パニック障害は、突然の激しい動悸・息苦しさ・死の恐怖(パニック発作)を繰り返し、「また発作が起きるのではないか」という予期不安から外出などが困難になる(広場恐怖)不安症である。過換気症候群を合併しやすく、治療には発作時のベンゾジアゼピン系と、予防のSSRIが頻出である。
悪性症候群は、抗精神病薬などのドパミン受容体遮断薬の投与中や減量・中止時に急激に発症する、致死的な副作用である。CBTや国試では、38℃以上の高熱、著明な筋強剛、自律神経症状、CK(CPK)の著増と、原因薬の直ちの中止およびダントロレン投与が超頻出の重要疾患である。
メープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝酵素の先天的な欠損により、体内に有害な代謝産物が蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。CBTや国試では、尿の甘い匂いや、新生児マススクリーニングでの発見、およびBCAA制限ミルクによる治療が頻出である。
レーザー・トレラ徴候は、短期間のうちに、体幹を中心に「かゆみを伴う脂漏性角化症(老人性イボ)」が急激に多発する現象である。胃癌をはじめとする内臓悪性腫瘍のデルマドローム(皮膚のサイン)として国試で超頻出である。
ヘイリー・ヘイリー病は、ATP2C1遺伝子の変異による常染色体顕性(優性)遺伝疾患で、表皮細胞間の接着異常(棘融解)をきたす。腋窩や鼡径部などの摩擦の多い部位に難治性の水疱とびらんを反復する。病理の「崩れかかったレンガ塀」が国試で頻出である。
ファブリー病は、リソソーム酵素であるα-ガラクトシダーゼAの遺伝的欠損により、糖脂質(GL-3)が全身の細胞に蓄積するX連鎖潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、小児期からの四肢末端の疼痛や無汗症、および進行性の腎障害・心機能障害が頻出の重要疾患である。
ナルコレプシーは、オレキシン(ヒポクレチン)の欠乏により、日中の耐えがたい睡眠過多と、REM睡眠の異常(情動脱力発作など)をきたす過眠症である。CBTや国試では、情動脱力発作(カタプレキシー)、睡眠麻痺、入眠時幻覚の四徴や、反復睡眠潜時検査(MSLT)、中枢神経刺激薬による治療が頻出の重要疾患である。
ナットクラッカー症候群は、左腎静脈が上腸間膜動脈(SMA)と腹部大動脈の間にクルミ割り器のように挟まれて圧迫され、左腎静脈圧が上昇することで血尿や側腹部痛をきたす疾患である。痩せ型の若年者に多く、CBTや国試で肉眼的血尿の原因として頻出である。
ダンピング症候群は、胃切除術後の代表的な合併症であり、食物が急速に腸管内に流入(ダンプ)することで起こる。食後20〜30分で起こる早期ダンピング(めまい、腹痛)と、食後2〜3時間で起こる後期ダンピング(低血糖)があり、食事指導が超頻出である。
せん妄は、身体的要因や薬剤などを原因として「急激」に発症する、軽度〜中等度の意識障害(見当識障害)と幻覚・妄想を伴う状態である。夕方から夜間に悪化しやすい。CBTや国試では、不可逆的で慢性進行性の認知症との明確な鑑別、および原因の除去と抗精神病薬の少量投与が超頻出である。
シトリン欠損症は、尿素サイクルと解糖系に関連する輸送タンパク質「シトリン」の異常により生じる常染色体潜性遺伝疾患である。※ご提示のメモに誤りがあり、正しくは「お菓子(糖質)を嫌い、豆類(タンパク質・脂質)を好む」という特異な偏食が最大の特徴である。
うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンなどのモノアミン枯渇を背景とし、2週間以上続く抑うつ気分と興味・喜びの喪失を中核症状とする疾患である。CBTや国試では、早朝覚醒や日内変動、微小妄想、および休養とSSRIによる治療、自殺念慮への対応(励まし禁忌)が頻出の重要疾患である。
ゴーシェ病は、リソソーム酵素であるグルコセレブロシダーゼの欠損により、マクロファージに糖脂質が蓄積する常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、著明な肝脾腫と骨痛・骨変形、および骨髄中のゴーシェ細胞が頻出である。
アルコール依存症は、飲酒に対する強い欲求(精神依存)と、飲酒を中断すると生じる離脱症状(身体依存)を特徴とする精神疾患である。CBTや国試では、振戦せん妄などの離脱症状、ビタミンB1欠乏によるウェルニッケ脳症、および治療目標としての完全断酒・自助グループの参加が超頻出である。
COPDは、長期間の喫煙を主因とする肺の炎症性疾患であり、肺胞の破壊(気腫性病変)と気道の炎症(慢性気管支炎)により非可逆的な気流閉塞をきたす。CBTや国試では、1秒率70%未満の閉塞性障害、口すぼめ呼吸やビア樽状胸郭、および高濃度酸素投与によるCO2ナルコーシスの危険性が超頻出である。
眼の屈折異常(近視・遠視・乱視)と調節異常(老視)は、網膜上にピントが合わない状態である。CBTや国試では、近視には凹レンズ、遠視・老視には凸レンズを用いて矯正する点や、それぞれの病態生理が頻出である。
顔面神経麻痺は、顔面神経(第VII脳神経)の障害により片側の顔面筋が動かなくなる疾患である。原因不明(HSV再活性化疑い)で予後良好な「Bell麻痺」と、VZV再活性化により耳介の帯状疱疹や難聴・めまいを伴い予後不良な「Hunt症候群」の鑑別がCBTや国試で超頻出である。
眼窩底破裂(吹き抜け骨折)は、眼球への鈍的打撲により眼窩内圧が急上昇し、脆弱な眼窩底(上顎骨など)や内壁が骨折する外傷である。CBTや国試では、下直筋の陥凹部への嵌頓による眼球運動障害(上転障害)と複視、および鼻かみ禁忌が超頻出である。
角膜潰瘍(感染性角膜炎)は、細菌、真菌、ウイルス、アカントアメーバなどが角膜に感染し潰瘍を形成する疾患である。CBTや国試では、コンタクトレンズ不適切使用による緑膿菌やアカントアメーバ感染、ヘルペスによる樹枝状角膜炎が超頻出である。
咽頭がんは、発生部位(上・中・下)によって原因ウイルスやリスク、症状が大きく異なる疾患群である。CBTや国試では、EBウイルス関連の上咽頭がん、HPV関連が増加している中咽頭がん、および喫煙・飲酒が原因で食道癌の重複に注意が必要な下咽頭がんの違いが頻出である。
メニエール病は、内耳の内リンパ水腫を病態とし、反復する回転性めまい、難聴、耳鳴りを三主徴とする疾患である。CBTや国試では、めまい発作に伴う低音域障害型の感音難聴や、利尿薬(イソソルビドなど)による治療、およびグリセロールテスト陽性が頻出の重要疾患である。
ぶどう膜炎は、虹彩・毛様体・脈絡膜の炎症であり、日本の三大原因は「サルコイドーシス」「ベーチェット病」「Vogt-小柳-原田病」である。CBTや国試では、それぞれの特異的な眼所見(雪玉状混濁、前房蓄膿、夕焼け眼底)と全身の合併症の結びつきが超頻出である。
アレルギー性鼻炎は、吸入抗原(ダニ、スギ花粉など)に対するⅠ型アレルギー反応により、くしゃみ、水様性鼻漏、鼻閉を三主徴とする疾患である。CBTや国試では、鼻汁中の好酸球の確認や、抗ヒスタミン薬・ステロイド点鼻、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法など)が頻出である。
大動脈弁狭窄症(AS)は、大動脈弁が硬化して開きにくくなり、左心室から大動脈への血流が妨げられる疾患である。加齢による石灰化が最多。進行すると左室の圧負荷から求心性肥大を来し、突然死のリスクが高まる。CBTや国試では、3大症状(狭心痛、失神、心不全)、遅脈・小脈、収縮期駆出性雑音(頸部放散)、エコーによる重症度評価が毎年問われる超頻出疾患である。
大腸憩室炎は、大腸壁の一部が外側に突出した憩室に便などが詰まり、細菌感染を起こす疾患である。右側結腸(上行結腸)と左側結腸(S状結腸)に好発し、発熱や局所的な腹痛をきたす。CBTや医師国家試験では、虫垂炎との鑑別や、急性期の内視鏡禁忌、絶食と抗菌薬による保存的治療、穿孔合併時の緊急手術の適応が頻出の重要疾患である。
多発血管炎性肉芽腫症(GPA、旧ウェゲナー肉芽腫症)は、上気道、肺、腎臓を主座とする壊死性肉芽腫性血管炎であり、PR3-ANCAが陽性となる自己免疫疾患である。難治性の中耳炎や副鼻腔炎に続き、血痰や急速進行性糸球体腎炎(RPGN)をきたす。CBTや医師国家試験では「E(上気道)・L(肺)・K(腎)」の3主徴と鞍鼻が毎年問われる超頻出疾患である。
双極性障害(躁うつ病)は、異常に気分が高揚する「躁状態(または軽躁状態)」と、気分が落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患である。激しい躁状態を伴う「双極I型障害」と、社会生活を破綻させない程度の軽躁状態を伴う「双極II型障害」に大別される。CBTや医師国家試験では、うつ病との鑑別や、リチウムなどの気分安定薬を用いた治療、抗うつ薬による「躁転」のリスクが毎年問われる超頻出疾患である。
全身性肥満細胞症は、骨髄や皮膚、消化管などの臓器において異常な肥満細胞が腫瘍性に増殖する稀な血液疾患である。ヒスタミンなどの過剰放出によるアレルギー様症状と、臓器浸潤症状をきたす。CBTや医師国家試験では、KIT遺伝子変異(D816V)、血清トリプターゼ高値、色素性蕁麻疹(ダリエ徴候)が頻出の重要疾患である。
産褥熱は、分娩後24時間以降から産後10日以内の期間に、2日以上続く38℃以上の発熱をきたす感染症の総称である。大多数は子宮内感染(子宮内膜炎)に起因する。CBTや国試では、悪露の悪臭や子宮の圧痛といった子宮内膜炎のサインと、広域抗菌薬による治療が頻出である。
子宮筋腫は、子宮筋層の平滑筋から発生する良性腫瘍であり、女性骨盤内腫瘍で最も頻度が高い。エストロゲン依存性で増大し、粘膜下・筋層内・漿膜下に分類される。CBTや医師国家試験では、過多月経と鉄欠乏性貧血(特に粘膜下)、MRIでのT2低信号、およびGnRHアゴニストを用いた偽閉経療法が頻出の重要疾患である。
結膜炎は原因により症状や対応が大きく異なる。ウイルス性(はやり目など)はアデノウイルス感染が多く、耳前リンパ節腫脹を伴い感染力が極めて強い。アレルギー性(花粉症など)は強いそう痒感が特徴である。CBTや国試では、流行性角結膜炎の院内感染対策や、春季カタルの巨大乳頭が頻出である。
加齢黄斑変性は、黄斑部に加齢に伴う老廃物が蓄積し、視力低下や変視症(ゆがみ)、中心暗点(真ん中が見えない)をきたす疾患である。脈絡膜新生血管を伴う滲出型と、伴わない萎縮型がある。CBTや国試では、滲出型に対する抗VEGF薬療法が頻出の重要疾患である。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)は、慢性的な無排卵、高アンドロゲン血症、卵巣の多嚢胞性変化を特徴とする内分泌疾患である。月経異常(無月経や稀発月経)、不妊症、肥満、多毛を主訴とする。CBTや医師国家試験では、特異的なホルモン値の異常(LH高値・FSH正常)や、挙児希望の有無による治療法の選択が毎年問われる超頻出疾患である。
足白癬(水虫)および爪白癬は、皮膚糸状菌(白癬菌)による皮膚感染症である。趾間型、小水疱型、角質増殖型に分類される。CBTや医師国家試験では、確定診断のためのKOH直接鏡検や、爪白癬・角質増殖型に対する内服治療の適応、ステロイド外用による悪化(異型白癬)が頻出の重要疾患である。
子宮破裂と羊水塞栓症は、分娩中から分娩直後に突然発症し、母児の生命を脅かす極めて重篤な産科的救急疾患である。CBTや国試では、既往帝王切開などのリスクと激痛・陣痛消失を伴う子宮破裂、および突然の呼吸困難と致死的なDICをきたす羊水塞栓症の鑑別・対応が超頻出である。
僧帽弁狭窄症(MS)は、僧帽弁の開放が制限され、拡張期に左心房から左心室へ血液が十分に流れ込まなくなる疾患である。過去の「リウマチ熱」の後遺症が最も多い。左房圧の上昇から肺うっ血や右心不全を来すほか、左房拡大による「心房細動(Af)」を高率に合併し、脳塞栓症の原因となる。CBTや医師国家試験では、特徴的な心音(拡張期ランブル、僧帽弁開放音)や、抗凝固療法におけるワルファリンの必須性(DOAC禁忌)が超頻出である。
僧帽弁閉鎖不全症(MR)は、収縮期に僧帽弁が完全に閉鎖せず、左室から左房へ血液が逆流する疾患である。左房・左室への容量負荷により心不全や心房細動(Af)を来す。CBTや医師国家試験では、心尖部の全収縮期雑音、第3音(S3)、心エコーによる重症度評価、および手術(弁形成術)の適応基準が毎年問われる超頻出疾患である。
子宮頸がんは、主にヒトパピローマウイルス(HPV)の持続感染によって子宮頸部の移行帯(SCJ)から発生する悪性腫瘍である。CIN(子宮頸部前癌病変)を経て浸潤癌へ進行する。CBTや医師国家試験では、細胞診(ベセスダシステム)から組織診への診断フローや、進行度に応じた治療(円錐切除術から広汎子宮全摘出術まで)が超頻出の重要疾患である。
子宮内膜症および子宮腺筋症は、子宮内膜様組織が本来の場所以外(卵巣や子宮筋層など)でエストロゲン依存性に増殖・出血を繰り返す疾患である。CBTや国試では、進行する激しい月経困難症、CA125の上昇、MRI(T1高信号/T2 shading)、および卵巣癌(明細胞癌)への悪性化リスクが頻出の重要疾患である。
子宮体がんは、子宮内膜から発生する悪性腫瘍であり、エストロゲンの過剰曝露が最大のリスク因子である。閉経後や更年期女性の不正性器出血を契機に発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、肥満・未産などのリスク因子、類内膜癌、およびMRI(T2強調画像)による筋層浸潤の評価が超頻出の重要疾患である。
前頭側頭型認知症(FTD)は、大脳の前頭葉および側頭葉の限局性萎縮を特徴とする神経変性疾患群(前頭側頭葉変性症:FTLD)の代表的疾患である。ピック病(Pick病)はその古典的な亜型である。初期から記憶障害よりも人格変化、社会性の欠如、常同行動、言語障害が目立つ。CBTや医師国家試験では、特異な異常行動のエピソードと画像所見(ナイフの刃状萎縮)の組み合わせが超頻出である。
川崎病は、乳幼児に好発する原因不明の全身性中小型血管炎である。CBTや医師国家試験では、診断基準となる「主要症状6つ」と、突然死の原因となる「冠動脈瘤」の合併、およびそれを防ぐための「免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)+アスピリン内服」が超頻出の最重要疾患である。
先天性胆道閉鎖症は、肝外胆管が炎症性に閉塞・索状化し、胆汁が腸管に排泄されず肝臓にうっ滞する難治性疾患である。新生児期からの遷延性黄疸と白色便が特徴。CBTや国試では、直接ビリルビンの上昇や、生後60日(2ヶ月)以内の葛西手術(肝門部腸吻合術)による胆道ドレナージが不可欠である点が超頻出の重要疾患である。
先天性代謝異常症は、遺伝子の変異により特定の酵素や輸送タンパク質が欠損し、有害な代謝産物の蓄積や必要な物質の欠乏により中枢神経障害などをきたす疾患群である。新生児マススクリーニングで早期発見・治療を行うことが極めて重要であり、フェニルケトン尿症やガラクトース血症の食事療法が国試で頻出である。
水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染によって引き起こされる全身性の発疹症である。極めて感染力が強い空気感染であり、CBTや国試では、紅斑・水疱・痂皮など「すべてのステージの皮疹が混在する」点と、頭皮にも皮疹が出現する点、および抗ウイルス薬(アシクロビル)による治療が頻出である。
尋常性白斑は、皮膚のメラノサイト(色素細胞)が後天的に消失し、完全脱失した白斑が多発する自己免疫疾患である。甲状腺疾患の合併が多く、CBTや医師国家試験では、先天性の白皮症(アルビニズム)との鑑別や、紫外線療法(ナローバンドUVBなど)が頻出の重要疾患である。
結節性紅斑は、両側の下腿前面に好発する、圧痛を伴う隆起した赤〜紫紅色の結節(硬結)を特徴とする炎症性疾患である。皮下脂肪組織の炎症(脂肪織炎)を本態とし、サルコイドーシスやベーチェット病などの重要な基礎疾患に伴って発症することが多いため、原因検索が必須の疾患としてCBTや国試で頻出である。
環状紅斑は、辺縁が環状(ドーナツ状)に隆起し、中心部が退色していく紅斑の総称である。CBTや国試では、特定の基礎疾患に伴う皮疹として問われることが多く、特に抗SS-A抗体陽性のシェーグレン症候群や全身性エリテマトーデス(SLE)に伴う環状紅斑、およびリウマチ熱に伴う輪状紅斑が超頻出である。
クループ症候群(急性声門下喉頭炎)は、ウイルス感染によって声帯の下(声門下)に浮腫が生じ、上気道狭窄をきたす疾患である。CBTや国試では、犬吠様咳嗽(ケンケンという咳)、吸気性喘鳴、X線でのタワーサイン(steeple sign)、およびアドレナリン吸入とステロイド投与による治療が頻出の重要疾患である。
ウエスト症候群(点頭てんかん)は、生後1年以内(特に生後4〜7ヶ月)の乳児に発症する難治性のてんかん症候群である。CBTや医師国家試験では、シリーズ形成性の点頭発作、脳波でのヒプスアリスミア、精神運動発達遅滞の「三主徴」と、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)療法やビタミンB6の大量投与が頻出の重要疾患である。
RSウイルス感染症は、冬季に乳幼児に流行し、重症の細気管支炎や肺炎を引き起こす呼吸器感染症である。1歳未満の乳児が初感染すると重症化しやすく、CBTや国試では、呼気性喘鳴(ゼイゼイ)、陥没呼吸、および早産児や先天性心疾患等のハイリスク児に対するパリビズマブ(抗RSVモノクローナル抗体)の予防投与が頻出である。
新生児呼吸窮迫症候群(RDS)は、早産児において肺表面活性物質(サーファクタント)が欠乏することにより、肺胞が虚脱し進行性の呼吸不全をきたす疾患である。CBTや医師国家試験では、胸部X線での網状顆粒状影やエアブロンコグラム、および人工サーファクタント補充療法が頻出の重要疾患である。
新生児一過性多呼吸(TTN)は、胎児期の肺液の吸収遅延により、出生直後から一過性の多呼吸などの呼吸障害をきたす良性の疾患である。正期産児や予定帝王切開児に多い。CBTや医師国家試験では、RDSとの鑑別や、数日で自然軽快するため酸素投与による「経過観察」が正解となる点が頻出である。
新生児黄疸は、ビリルビン代謝の未熟性などにより生じる新生児期の黄疸である。大半は良性の生理的黄疸だが、重症化すると非抱合型(間接)ビリルビンが脳に沈着し、不可逆的な神経障害(核黄疸:ビリルビン脳症)をきたす。CBTや国試では、病的黄疸の基準や、光線療法・交換輸血の適応が超頻出である。
血管腫は、血管内皮細胞の増殖または血管の形成異常によって生じる良性病変である。CBTや国試では、生後まもなく発症し数年で自然退縮する「乳児血管腫(イチゴ状血管腫)」と、自然退縮せず一生残存し、Sturge-Weber症候群などの合併に注意が必要な「ポートワイン斑(単純性血管腫)」の鑑別、および各々の治療選択が頻出である。
壊死性腸炎(NEC)は、早産・極低出生体重児において、未熟な腸管への血流不全や感染を契機に腸管壁の広範な壊死をきたす重篤な疾患である。人工乳による経腸栄養の開始後に発症しやすい。CBTや国試では、腹部X線における腸管壁内ガス像や門脈内ガス像、および腸管穿孔に対する外科的治療の適応が頻出である。
有棘細胞癌は、表皮の有棘層を構成する細胞から発生する悪性腫瘍である。日光角化症や熱傷瘢痕、慢性放射線皮膚炎などの前駆病変を母地として発生することが多い。CBTや医師国家試験では、病理組織における癌真珠(パール)の形成や、所属リンパ節転移への注意、および前癌病変からの発生エピソードが頻出の重要疾患である。
円形脱毛症は、成長期の毛包に対する自己免疫応答により、突然境界明瞭な脱毛斑が出現する疾患である。CBTや医師国家試験では、感嘆符毛(exclamation mark hair)の存在や、アトピー素因・甲状腺疾患の合併、難治例に対する局所免疫療法(SADBEなど)が頻出の重要疾患である。
緊張性気胸は、肺や胸壁の損傷部がチェックバルブ(一方向弁)として働き、吸気時に胸腔内に空気が流入するが呼気時に排出されず、胸腔内圧が異常上昇する致死的病態である。心臓や大血管の圧迫による閉塞性ショックを引き起こすため、CBTや国試では、画像検査を待たずに直ちに胸腔穿刺(脱気)を行うことが超頻出の重要疾患である。
精巣捻転症は、精索が捻転することで精巣への血流が遮断され、虚血から壊死に至る泌尿器科の緊急疾患である。思春期から青年期に好発し、突然の激しい陰嚢痛や悪心・嘔吐を特徴とする。発症後6時間以内の血流再開が必須であり、CBTや医師国家試験の救急・泌尿器分野で「見逃してはいけない疾患」として超頻出である。
心タンポナーデは、心膜腔内に液体(血液や滲出液)が急速に貯留し、心臓が圧迫されることで拡張不全に陥り、致死的な心原性ショックを来す緊急疾患である。CBTや医師国家試験では、原因疾患(急性大動脈解離など)、Beckの三徴、奇脈、心エコー所見、そして緊急の心囊穿刺が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
食道癌は食道粘膜から発生する悪性腫瘍であり、日本では約90%が胸部中部に好発する扁平上皮癌である。嚥下困難や体重減少を特徴とし、早期発見が難しく予後不良になりやすい。CBTや医師国家試験では、ヨード染色を用いた内視鏡診断、リンパ節転移の多さ(反回神経麻痺による嗄声など)が頻出の重要疾患である。
重症多形滲出性紅斑は、薬剤などを契機に高熱とともに全身の紅斑、水疱、びらん、および重篤な粘膜疹(眼、口腔、陰部)をきたす致死的な疾患である。体表面積の表皮剥離割合により、スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)と中毒性表皮壊死症(TEN)に分類される。CBTや国試では、ニコルスキー現象陽性、重篤な眼病変、ステロイドパルス療法が超頻出である。
手足口病は、主にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型(EV71)の感染により、夏期の小児に手・足・口腔内の水疱性発疹をきたすウイルス性感染症である。CBTや医師国家試験では、ヘルパンギーナとの皮疹部位の鑑別や、EV71型による中枢神経合併症(髄膜炎など)への注意が頻出の重要疾患である。
尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じる良性の皮膚腫瘍である。手足の指や足底に好発し、表面がザラザラした硬い角化性の丘疹や結節を形成する。CBTや医師国家試験では、病理組織でのコイロサイト(空胞化細胞)の出現や、鶏眼(ウオノメ)との鑑別、液体窒素による凍結療法が第一選択となる点が頻出の重要疾患である。
重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部(NMJ)のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)などが自己抗体により攻撃され、情報の伝達が阻害されることで筋力低下や易疲労性を来す自己免疫疾患である。午後から夕方にかけて症状が悪化する「日内変動」が特徴。CBTや医師国家試験では、眼瞼下垂などの眼症状、胸腺異常(胸腺腫など)の合併、反復刺激試験でのWaning現象、およびクリーゼへの対応が毎年問われる超頻出疾患である。
アミロイドーシスは、異常な不溶性タンパク質(アミロイド線維)が全身の臓器に沈着し、機能障害を引き起こす疾患群である。CBTや医師国家試験では、多発性骨髄腫などに伴う「AL型」と、関節リウマチなどの慢性炎症に伴う「AA型」の鑑別、およびコンゴレッド染色や巨舌、ネフローゼ症候群の合併が超頻出の重要疾患である。
基底細胞癌(BCC)は、表皮の基底細胞に由来する皮膚癌であり、日本で最も発生頻度が高い悪性腫瘍の一つである。高齢者の顔面に好発し、真珠様光沢を伴う黒褐色結節を特徴とする。CBTや医師国家試験では、ダーモスコピー所見(樹枝状血管など)や病理組織(周辺柵状配列)、および転移が極めて稀である点が頻出の重要疾患である。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラノサイト由来の極めて悪性度の高い皮膚癌である。日本人では足底などに生じる末端黒子型が最多である。CBTや医師国家試験では、早期発見のためのABCDEルールや、ダーモスコピー検査、生検の際の注意点(原則として全切除生検とし、部分生検は避ける)、およびBRAF変異陽性例に対する分子標的薬が超頻出の重要疾患である。
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーウイルスA群の感染により、夏期の小児に突然の高熱と口腔内後方(軟口蓋)の水疱・びらんをきたすウイルス性感染症である。激しい咽頭痛により脱水を起こしやすく、CBTや医師国家試験では、手足口病との鑑別(手足に皮疹が出ない)や脱水への対応が頻出の重要疾患である。
線維筋痛症は、全身の広範な慢性疼痛を主症状とし、不眠、疲労感、うつ状態などの多彩な精神・神経症状を伴う原因不明の疾患である。中年女性に好発する。血液検査や画像検査では明らかな炎症所見や器質的異常を認めないのが特徴である。CBTや医師国家試験では、リウマチ性多発筋痛症(PMR)などとの鑑別(CRPや赤沈が正常である点)や、プレガバリン、SNRIを用いた薬物療法が毎年問われる頻出疾患である。
接触性皮膚炎(かぶれ)は、特定の物質が皮膚に触れることで生じる湿疹・皮膚炎である。刺激性とアレルギー性(IV型アレルギー)に大別され、原因物質の特定と回避が重要となる。CBTや医師国家試験では、IV型アレルギーの代表疾患としての位置づけや、パッチテストによる確定診断が頻出の重要疾患である。
精巣上体炎は、精巣上体(副睾丸)に細菌が感染して起こる炎症である。若年者では性行為感染症(クラミジアや淋菌)、中高年者では前立腺肥大症などに伴う尿路感染症(大腸菌など)が原因となることが多い。陰嚢の激しい疼痛と腫脹、発熱を来す。CBTや医師国家試験では、泌尿器科の緊急疾患である「精巣捻転症」との鑑別が極めて重要であり、超音波検査での血流評価やプレン(Prehn)徴候が頻出である。
正常圧水頭症(iNPH)は、脳脊髄液の圧が正常範囲内であるにもかかわらず脳室が拡大し、歩行障害、認知機能障害、尿失禁の三徴を呈する疾患である。高齢者に多く、シャント手術により症状が改善する「治療可能な認知症」として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、特徴的なMRI所見(DESHサイン)や髄液タップテストが超頻出である。
成人Still病は、原因不明の著明な全身性炎症を来す自己炎症性疾患である。夕方にピークとなる弛張熱、サーモンピンク疹、関節痛、咽頭痛を特徴とする。CBTや医師国家試験では、著明な高フェリチン血症と、リウマチ因子・抗核抗体が陰性である点が極めて頻出の重要疾患である。
水疱性類天疱瘡は、高齢者に好発する自己免疫性水疱症である。表皮と真皮の境界部(基底膜)に対する自己抗体により、強いそう痒を伴う破れにくい緊満性水疱が多発する。CBTや医師国家試験では、尋常性天疱瘡との鑑別が超頻出であり、ニコルスキー現象陰性、表皮下水疱、抗BP180抗体陽性が絶対暗記キーワードである。
尋常性天疱瘡は、表皮細胞間の接着分子であるデスモグレイン3(および1)に対する自己抗体によって生じる自己免疫性水疱症である。全身の皮膚や口腔粘膜に破れやすい弛緩性水疱とびらんを多発する。CBTや医師国家試験では、水疱性類天疱瘡との鑑別が極めて重要であり、ニコルスキー現象陽性、口腔粘膜疹の初発、病理組織での表皮内水疱が超頻出の重要疾患である。
尋常性乾癬は、銀白色の厚い鱗屑を伴う境界明瞭な紅斑が全身に多発する慢性の炎症性角化症である。機械的刺激を受けやすい部位(頭部、肘、膝)に好発し、CBTや医師国家試験では、Auspitz現象やKöbner現象、メタボリックシンドロームとの合併、およびビタミンD3外用薬や生物学的製剤などの治療法が頻出の重要疾患である。
深部静脈血栓症(DVT)は、主に下肢や骨盤内の深部静脈に血栓が形成される疾患である。血栓が遊離して肺に飛ぶと、致死的な肺血栓塞栓症(PTE)を引き起こす(両者を合わせて静脈血栓塞栓症:VTEと呼ぶ)。CBTや医師国家試験では、血栓形成の3大要因である「Virchow(ウィルヒョウ)の3徴」、片側性の下肢浮腫、およびエコー所見が毎年問われる超頻出疾患である。
掌蹠膿疱症は、手掌と足底に無菌性の小膿疱が多発する慢性の難治性皮膚疾患である。喫煙や扁桃炎、歯科金属アレルギーなどが悪化因子となる。CBTや医師国家試験では、病変が無菌性であること、胸肋鎖骨関節炎の合併、喫煙との強い関連、扁桃摘出術の有効性が頻出の重要疾患である。
自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションおよび対人相互反応の持続的な欠陥と、行動・興味・活動の限定された反復的な様式を特徴とする神経発達症である。かつての自閉症、アスペルガー症候群などが統合された概念である。CBTや医師国家試験では、DSM-5の診断基準(2つの主要領域)、感覚過敏、ADHDとの合併、および療育や環境調整の重要性が毎年問われる超頻出疾患である。
自己免疫性膵炎(AIP)は、自己免疫学的機序により膵臓が腫大し、膵管の狭窄をきたす疾患である。IgG4関連疾患の代表的な膵病変であり、高齢男性の無痛性黄疸で発症することが多い。CBTや医師国家試験では、膵癌との鑑別や、特異的な画像所見(ソーセージ様腫大)、ステロイドの著効が頻出の重要疾患である。
脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌の多い部位(頭皮、顔面など)に生じる湿疹で、常在真菌であるマラセチアの関与が特徴である。黄色みを帯びた油っぽい鱗屑と紅斑をきたす。CBTや医師国家試験では、好発部位(鼻翼基部、頭部)や、原因となるマラセチア、治療として抗真菌薬外用が著効する点が頻出の重要疾患である。
子宮内膜症は、子宮内膜に類似した組織が子宮内腔以外の場所(卵巣、ダグラス窩、骨盤腹膜など)で増殖するエストロゲン依存性の疾患である。20〜40歳代の女性に好発し、月経のたびに出血・炎症を起こして周囲との癒着を形成する。次第に増悪する激しい月経痛(月経困難症)と不妊症が特徴であり、CBTや医師国家試験では、チョコレート嚢胞のMRI所見や、挙児希望の有無に応じた治療薬の選択が毎年問われる超頻出疾患である。
好酸球性副鼻腔炎は、成人発症の気管支喘息に合併しやすく、両側性の多発性鼻茸と高度な嗅覚障害を特徴とする難治性の慢性副鼻腔炎である。マクロライド系抗菌薬が無効で手術後も再発しやすく、CBTや医師国家試験では篩骨洞優位の画像所見やステロイドの有効性が頻出の重要疾患である。
血清病は、異種蛋白や薬剤の投与後1〜2週間して発症するIII型アレルギー疾患である。抗原抗体複合体が全身の血管や組織に沈着し、発熱、皮疹、関節痛、リンパ節腫脹をきたす。CBTや医師国家試験では、III型アレルギーの代表例として、発症時期のタイムラグと低補体血症の所見が頻出の重要疾患である。
家族性地中海熱(FMF)は、MEFV遺伝子の変異により生じる自己炎症性疾患である。1〜3日程度で自然軽快する周期的な高熱と、無菌性の漿膜炎(腹痛、胸痛)を繰り返す。CBTや医師国家試験では、コルヒチンの著効や、致死的な合併症である二次性AAアミロイドーシスの予防が頻出の重要疾患である。
乾癬性関節炎は、皮膚の乾癬に合併して生じる炎症性の自己免疫性関節疾患である。手指のDIP関節(第一関節)を好発部位とし、関節破壊が進行する。CBTや医師国家試験では、関節リウマチとの鑑別が極めて重要であり、ソーセージ指やX線でのpencil-in-cup変形が頻出の疾患である。
強直性脊椎炎(AS)は、仙腸関節や脊椎などの体軸関節に慢性的な炎症が生じ、進行すると脊椎が癒合・強直する原因不明の自己免疫疾患である。若年男性に好発し、安静で悪化し運動で軽快する腰背部痛を特徴とする。CBTや医師国家試験では、HLA-B27陽性やX線でのbamboo spine(竹節状脊椎)が頻出の重要疾患である。
高安動脈炎は、大動脈やその主要分枝に慢性的な肉芽腫性炎症が生じ、血管の狭窄や閉塞をきたす大型血管炎である。若年女性に好発し、脈なし病とも呼ばれる。CBTや医師国家試験では、上肢の血圧左右差や頸部血管雑音、HLA-B52陽性が頻出の重要疾患である。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA、旧アレルギー性肉芽腫性血管炎)は、気管支喘息などが先行し、著明な好酸球増多と小型血管の肉芽腫性炎症をきたす自己免疫疾患である。多発単神経炎などを伴い、CBTや医師国家試験では喘息の既往とMPO-ANCA陽性が頻出の重要疾患である。
抗リン脂質抗体症候群(APS)は、動静脈の血栓症と習慣流産などの妊娠合併症を特徴とし、抗リン脂質抗体が陽性となる自己免疫疾患である。SLEなどの膠原病に合併しやすく、CBTや医師国家試験では、体内は血栓傾向なのに検査(APTT)は延長する乖離や、妊婦へのヘパリン療法が頻出の重要疾患である。
リウマチ性多発筋痛症(PMR)は、50歳以上の高齢者に好発し、両側の頸部や肩甲帯、骨盤帯といった体幹近位筋の激しい疼痛と朝のこわばりをきたす原因不明の炎症性疾患である。巨細胞性動脈炎の合併に注意が必要であり、CBTや医師国家試験では多発性筋炎との鑑別(CK正常)や少量ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。
視神経脊髄炎(NMO)は、中枢神経系(特に視神経と脊髄)のアストロサイトに存在する水チャネル「アクアポリン4(AQP4)」に対する自己抗体が原因で生じる自己免疫疾患である。多発性硬化症(MS)と似るが、視力障害や対麻痺がより重篤であり、再発を繰り返す。CBTや国試では、MSとの鑑別(3椎体以上の脊髄病変、難治性しゃっくり、抗AQP4抗体陽性)と、治療薬の禁忌が超頻出である。
骨粗鬆症は、骨量(骨密度)の減少と骨微細構造の劣化により骨がもろくなり、骨折リスクが増大する疾患である。閉経によるエストロゲン低下や加齢が主な原因(原発性)である。CBTや医師国家試験では、4大骨折部位(椎体、大腿骨近位、橈骨遠位、上腕骨近位)、DXA法による診断基準(YAM 70%以下)、および多彩な骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート、抗RANKL抗体、PTH製剤など)の作用機序の使い分けが超頻出である。
強直性ジストロフィーは、成人発症の筋ジストロフィーの中で最も頻度が高く、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示す。筋強直(ミオトニー)と進行性の筋萎縮に加え、白内障、耐糖能異常、心伝導障害、前頭部脱毛など多彩な全身症状を合併する。CBTや医師国家試験では、斧様顔貌やミオトニー現象、およびトリプレットリピート病としての表現促進現象が頻出である。
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺などの外分泌腺にリンパ球が浸潤し、乾燥症状(ドライアイ、ドライマウス)をきたす自己免疫疾患である。中年女性に好発し、抗SS-A/SS-B抗体陽性が特徴。CBTや医師国家試験では、特異的な検査(シルマー試験やガム試験)や、悪性リンパ腫・環状紅斑の合併が頻出の重要疾患である。
巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)は、高齢者の大型・中型動脈(特に浅側頭動脈)に肉芽腫性炎症が生じる血管炎である。側頭部の拍動性頭痛や咀嚼時の顎の痛みを特徴とし、失明を防ぐための迅速なステロイド治療がCBTや医師国家試験で極めて頻出の重要疾患である。
IgA血管炎(旧ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)は、小児に好発する全身性の小型血管炎である。先行する上気道感染を契機にIgA免疫複合体が血管壁に沈着し、下肢の触知可能な紫斑、腹痛、関節痛、腎障害をきたす。CBTや医師国家試験では、血小板数が正常である点や、第XIII因子低下による激しい腹痛が極めて頻出の重要疾患である。
急性副腎不全(副腎クリーゼ)は、生命維持に必要な副腎皮質ホルモンが急激に枯渇し、カテコラミン不応性のショックや意識障害をきたす致死的な内分泌救急疾患である。ステロイドの急な自己中断や感染症を契機に発症し、CBTや医師国家試験ではヒドロコルチゾンの即時投与が頻出の超重要疾患である。
急性膵炎は、膵管内で活性化された膵酵素が自らの膵組織を消化(自己消化)することで生じる急性の炎症性疾患である。激しい上腹部痛や背部痛を主症状とし、重症例では多臓器不全を来す予後不良な病態である。CBTや医師国家試験では、原因、血液所見(リパーゼ等)、重症度判定(予後因子スコア)、初期治療の大量輸液が超頻出である。
顕微鏡的多発血管炎(MPA)は、毛細血管などの小型血管を主座とする壊死性血管炎であり、MPO-ANCAが陽性となる自己免疫疾患である。急速進行性糸球体腎炎(RPGN)や間質性肺炎、肺胞出血をきたしやすく、CBTや医師国家試験ではPAN(結節性多発動脈炎)との鑑別が超頻出である。
橋本病(慢性甲状腺炎)は、甲状腺に対する自己免疫反応により甲状腺組織が慢性的に炎症を起こし、破壊される疾患である。原発性甲状腺機能低下症の最大の原因である。中年女性に好発する。CBTや医師国家試験では、特徴的な自己抗体(抗TPO抗体、抗Tg抗体)、無痛性のびまん性甲状腺腫大、そして甲状腺ホルモン(FT4)低下とTSH上昇という検査所見の組み合わせが毎年問われる超頻出疾患である。
結節性多発動脈炎(PAN)は、中型動脈の壁にフィブリノイド壊死を伴う強い炎症が生じ、全身の臓器障害をきたす血管炎である。腎梗塞や末梢神経障害(多発単神経炎)を特徴とし、CBTや医師国家試験では顕微鏡的多発血管炎(MPA)との鑑別や、肺病変を伴わない点が頻出の重要疾患である。
急性虫垂炎は、虫垂内腔の閉塞を契機に細菌感染を伴って急激に炎症を起こす疾患であり、急性腹症の代表格である。心窩部から右下腹部へと移動する腹痛を特徴とし、CBTや医師国家試験では特有の身体所見(McBurney点など)や画像所見が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳血管の一過性の閉塞により局所神経症状が出現するが、24時間以内(多くは数分〜数十分)に完全に消失する病態である。脳梗塞の極めて重要な前兆(警告発作)であり、発症直後(特に48時間以内)の脳梗塞移行リスクが高い。CBTや医師国家試験では、一過性黒内障のエピソード、ABCD2スコアによるリスク評価、および急性期の抗血小板療法が超頻出である。
胃癌は、胃粘膜上皮から発生する悪性腫瘍であり、日本人に非常に多い癌の一つである。初期は無症状であることが多く、進行すると心窩部痛や体重減少、吐血などをきたす。ピロリ菌感染が最大の危険因子であり、CBTや医師国家試験では転移の形式(Virchow転移など)や内視鏡所見が極めて頻出の重要疾患である。
クラインフェルター症候群は、男性の性染色体にX染色体が1つ以上過剰に存在する(代表例:47,XXY)先天性の染色体異常である。精巣の発育不全による原発性(高ゴナドトロピン性)性腺機能低下症を来し、長身、小睾丸、女性化乳房、無精子症を特徴とする。CBTや医師国家試験では、ホルモン値の異常パターン(LH・FSH高値、テストステロン低値)やターナー症候群との対比が毎年問われる超頻出疾患である。
胃MALTリンパ腫は、胃粘膜関連リンパ組織から発生する低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫である。ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染が強力に関与しており、無症状や上腹部不快感で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、悪性腫瘍でありながら「ピロリ菌除菌」が第一選択となる点が毎年問われる超頻出疾患である。
フォン・ギールケ病(糖原病I型)は、グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)の先天的欠損により、肝臓や腎臓にグリコーゲンが蓄積する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の代謝疾患である。空腹時の重篤な低血糖と著明な肝腫大を特徴とする。CBTや医師国家試験では、特徴的な検査所見(乳酸・尿酸・トリグリセリドの上昇)や、グルカゴン負荷試験の結果が毎年問われる超頻出疾患である。
WPW症候群は、心房と心室の間に正常な刺激伝導系(房室結節)とは別の副伝導路(ケント束)が存在する先天性疾患である。普段は無症状だが、発作性上室頻拍(PSVT)や心房細動(Af)を合併すると激しい動悸を来す。CBTや医師国家試験では、心電図のデルタ波や、発作時の治療(特に禁忌薬)が毎年問われる超頻出疾患である。
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンの働きにより粘膜が深く欠損する疾患である。ピロリ菌感染やNSAIDs内服が2大原因であり、心窩部痛や吐血・下血(タール便)をきたす。CBTや医師国家試験では、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の症状の違いや、内視鏡的止血術の適応が頻出の重要疾患である。
亜急性甲状腺炎は、ウイルス感染が先行することが多い甲状腺の炎症性疾患である。甲状腺濾胞の破壊による一過性の甲状腺中毒症(FT4高値・TSH低値)と、強い前頸部痛、発熱を特徴とする。CBTや医師国家試験では、無痛性甲状腺炎やバセドウ病との鑑別(特に放射性ヨード取り込み率の低下、赤沈の著明亢進)や、ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。
レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー型認知症(AD)に次いで多い変性性認知症である。大脳皮質や脳幹に「レビー小体(α-シヌクレインの凝集体)」が広範に出現する。CBTや医師国家試験では、中核症状である「幻視」「認知機能の変動」「パーキンソニズム」「REM睡眠行動異常症(RBD)」に加え、特有の画像所見(MIBG心筋シンチでの取り込み低下など)や、抗精神病薬への著しい過敏性が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
サルコイドーシスは、原因不明の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が全身の臓器(特に肺、眼、皮膚、心臓、神経)に多発する指定難病である。20〜30歳代と50〜60歳代(特に女性)の二峰性の発症ピークを持つ。健診の胸部X線で両側肺門リンパ節腫脹(BHL)として偶然発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な血液・気管支肺胞洗浄液(BALF)所見や、多臓器病変(ぶどう膜炎、房室ブロックなど)、ステロイドの適応が毎年問われる超頻出疾患である。
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、感染性を持つ異常プリオン蛋白が脳内に蓄積し、急速に進行する認知症やミオクローヌスを引き起こす致死性の神経変性疾患(プリオン病)である。孤発性が大半を占める。発症から数ヶ月で無動無言状態に至る。CBTや医師国家試験では、脳波でのPSD(周期性同期性放電)、MRI拡散強調画像(DWI)での大脳皮質・基底核の高信号、髄液の14-3-3蛋白、および通常の滅菌法が無効である点(感染対策)が超頻出である。
再生不良性貧血は、骨髄の造血幹細胞が自己免疫異常などにより減少し、白血球、赤血球、血小板のすべてが減少(汎血球減少)する指定難病である。動悸や息切れ、感染による発熱、出血傾向を特徴とする。CBTや医師国家試験の血液分野において、検査所見や重症度に応じた治療法の選択が毎年問われる超頻出の重要疾患である。
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)は、自己抗体によって甲状腺が過剰に刺激され、甲状腺ホルモンが過剰に分泌される自己免疫疾患である。動悸、体重減少、手の震え、多汗などを特徴とし、放置すると甲状腺クリーゼという致死的な状態を招く恐れがある。CBTや医師国家試験の内分泌分野において毎年問われる超頻出の重要疾患である。
原発性アルドステロン症は、副腎皮質からアルドステロンが自律的かつ過剰に分泌される内分泌疾患である。高血圧と低カリウム血症を特徴とし、二次性高血圧の代表的な原因疾患である。CBTや医師国家試験では、ホルモン値の解釈や確定診断の負荷試験、片側性・両側性の鑑別と治療適応が毎年問われる超頻出疾患である。
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。
リンパ脈管筋腫症(LAM)は、妊娠可能年齢の女性に好発し、平滑筋細胞に似た異常細胞(LAM細胞)が肺やリンパ管で増殖する指定難病である。肺野全体に無数の薄壁嚢胞を形成し、繰り返す自然気胸や乳び胸水(白濁した胸水)を特徴とする。CBTや医師国家試験では、LCHとの鑑別や特異的な治療薬が毎年問われる超頻出疾患である。
ランバート・イートン症候群(LEMS)は、神経筋接合部の神経末端からのアセチルコリン放出が障害され、筋力低下を来す自己免疫疾患である。肺小細胞癌などの悪性腫瘍に合併することが多く、下肢近位筋の筋力低下を特徴とする。CBTや医師国家試験では重症筋無力症との鑑別が超頻出の重要疾患である。
ヒルシュスプルング病は、腸管壁の神経節細胞が肛門側で先天的に欠如し、機能的腸閉塞をきたす先天性消化管疾患である。胎便排泄遅延、腹部膨満、胆汁性嘔吐、難治性便秘を特徴とし、新生児の腸閉塞や乳児の頑固な便秘の鑑別としてCBT・医師国家試験で頻出の重要疾患である。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝内の小型胆管が自己免疫学的機序により破壊され、慢性的な胆汁うっ滞を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、皮膚掻痒感や無症候性の肝機能異常で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な自己抗体(抗ミトコンドリア抗体)や合併症、第一選択薬が毎年問われる超頻出疾患である。