最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする好酸球性副鼻腔炎は、成人発症の気管支喘息に合併しやすく、両側性の多発性鼻茸と高度な嗅覚障害を特徴とする難治性の慢性副鼻腔炎である。マクロライド系抗菌薬が無効で手術後も再発しやすく、CBTや医師国家試験では篩骨洞優位の画像所見やステロイドの有効性が頻出の重要疾患である。
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高度な嗅覚障害(においが分からない。初期から出現する)
粘稠な鼻漏(ネバネバした鼻水)
鼻閉(両側性の多発性鼻茸による)
後鼻漏に伴う咳嗽
気管支喘息の症状(喘鳴、息苦しさの合併)
初期評価
成人の気管支喘息患者における、高度な嗅覚障害や難治性の鼻閉から疑う。NSAIDs(解熱鎮痛薬)による喘息発作の既往(アスピリン喘息)を必ず確認する。
検査
鼻腔内視鏡検査で、中鼻道や嗅裂部を充満する「多発性の鼻茸(ポリープ)」を確認する。副鼻腔造影CTまたは非造影CTで「篩骨洞優位の軟部陰影」を確認する。血液検査で血中好酸球の増多(11%以上など)を認める。確定診断には鼻茸の生検(好酸球の高度浸潤)が必要である。
鑑別
鑑別でよく出るのは「慢性副鼻腔炎(非好酸球性:好中球主体、上顎洞優位、マクロライド有効)」である。その他、多発血管炎性肉芽腫症(GPA:PR3-ANCA陽性、鞍鼻、骨破壊)、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA:MPO-ANCA陽性、多発単神経炎)と鑑別する。
初期対応
一般的な副鼻腔炎に用いるマクロライド系抗菌薬は無効であるため、局所または全身性の「副鼻腔皮質ステロイド(点鼻薬・内服薬)」を投与して炎症を抑える。
根本治療
保存的治療で改善しない場合、または鼻茸が著明な場合は「内視鏡下副鼻腔手術(ESS)」を行い、鼻茸の切除と副鼻腔の単洞化を行う。ただし術後の再発率が高いため、術後もステロイド点鼻を継続する。手術後も再発を繰り返す重症難治例に対しては、抗IL-4/13受容体抗体である「デュピルマブ(生物学的製剤)」の皮下注射が著効する。また、アスピリン喘息の合併が疑われる場合はNSAIDsの使用を厳禁とする。
病態
鼻粘膜や副鼻腔に好酸球が高度に浸潤し、Type2(Th2)炎症によって多発性の鼻茸(ポリープ)と粘稠な鼻汁を生じる難治性の病態である。
原因
明確な原因は不明であるが、成人発症の気管支喘息やアスピリン喘息(NSAIDs過敏症)との極めて強い合併が知られている。
分類
臨床的特徴や血液・画像所見に基づき、JESRECスコアを用いて診断および重症度分類が行われる。
試験での重要ポイント
「気管支喘息を持つ成人の高度な嗅覚障害と鼻閉」があればこの疾患を強く疑う。画像所見(CT)において、一般的な蓄膿症が上顎洞優位であるのに対し、本疾患は『篩骨洞優位(目の間の空洞が白くなる)』である点が画像問題で超頻出である。一般的な副鼻腔炎に有効な「マクロライド少量長期投与が無効」であり、治療には「ステロイド」が有効だが、内視鏡手術(ESS)を行っても再発率が極めて高い。鑑別でよく出るのはGPA(多発血管炎性肉芽腫症:ANCA陽性、骨破壊を伴う)やEGPAである。
覚え方・コツ
「好酸球性副鼻腔炎は、喘息持ちのにおいが分からない鼻づまり。マクロライドは効かない!CTでは篩骨洞(目の間)が白くなり、ポリープがいっぱい。治療はステロイドと手術だけどすぐ再発する厄介者!」
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緊張性気胸は、肺や胸壁の損傷部がチェックバルブ(一方向弁)として働き、吸気時に胸腔内に空気が流入するが呼気時に排出されず、胸腔内圧が異常上昇する致死的病態である。心臓や大血管の圧迫による閉塞性ショックを引き起こすため、CBTや国試では、画像検査を待たずに直ちに胸腔穿刺(脱気)を行うことが超頻出の重要疾患である。
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA、旧アレルギー性肉芽腫性血管炎)は、気管支喘息などが先行し、著明な好酸球増多と小型血管の肉芽腫性炎症をきたす自己免疫疾患である。多発単神経炎などを伴い、CBTや医師国家試験では喘息の既往とMPO-ANCA陽性が頻出の重要疾患である。
サルコイドーシスは、原因不明の非乾酪性類上皮細胞肉芽腫が全身の臓器(特に肺、眼、皮膚、心臓、神経)に多発する指定難病である。20〜30歳代と50〜60歳代(特に女性)の二峰性の発症ピークを持つ。健診の胸部X線で両側肺門リンパ節腫脹(BHL)として偶然発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な血液・気管支肺胞洗浄液(BALF)所見や、多臓器病変(ぶどう膜炎、房室ブロックなど)、ステロイドの適応が毎年問われる超頻出疾患である。
リンパ脈管筋腫症(LAM)は、妊娠可能年齢の女性に好発し、平滑筋細胞に似た異常細胞(LAM細胞)が肺やリンパ管で増殖する指定難病である。肺野全体に無数の薄壁嚢胞を形成し、繰り返す自然気胸や乳び胸水(白濁した胸水)を特徴とする。CBTや医師国家試験では、LCHとの鑑別や特異的な治療薬が毎年問われる超頻出疾患である。