免疫・アレルギーに関連する疾患を21件掲載。概要・科目・更新日を確認しながら、国家試験・臨床実習・復習に使える疾患知識を効率よく整理できます。
高IgE症候群(Job症候群)は、STAT3遺伝子などの変異によりTh17細胞が分化不全に陥り、重度のアトピー様湿疹、反復するブドウ球菌感染(冷膿瘍)、著明な高IgE血症を三徴とする原発性免疫不全症である。
皮膚筋炎は、多発性筋炎のような近位筋の筋力低下に加え、特異的な皮膚症状(ヘリオトロープ疹、ゴットロン丘疹など)を伴う自己免疫疾患。悪性腫瘍の合併率が高く、また抗MDA5抗体陽性例での「急速進行性間質性肺炎」が超重要である。
多発性筋炎は、主に体幹に近い骨格筋(近位筋)に炎症が生じ、対称性の筋力低下と筋痛をきたす自己免疫疾患である。皮膚症状を伴わない。間質性肺炎や悪性腫瘍の合併に注意が必要である。
全身性強皮症は、皮膚や内臓の線維化(硬化)と血管内皮障害を特徴とする自己免疫疾患である。CBTや国試では、抗Scl-70抗体(びまん性)と抗セントロメア抗体(限局性)の違いや、初発症状であるレイノー現象、および致死的な強皮症腎クリーゼが超頻出である。
Behçet病は、口腔粘膜・皮膚・眼・外陰部の4主徴を繰り返す原因不明の全身性炎症性疾患である。HLA-B51との関連が強く、眼病変(ぶどう膜炎)による失明や、血管・神経・腸管病変(特殊型)の合併が臨床上極めて重要である。
EGPAは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎が先行し、その後末梢血の著明な好酸球増多とともに多発性単神経炎などの小型血管炎を発症するANCA関連血管炎である。
過敏性肺炎(夏型)は、高温多湿の住環境に繁殖するカビ(トリコスポロン)の胞子を繰り返し吸入することで生じるアレルギー性の間質性肺炎である。環境からの隔離(入院)で改善し、帰宅すると再発するエピソードが国試で超頻出である。
グッドパスチャー症候群は、抗糸球体基底膜(GBM)抗体により、肺胞出血と急速進行性糸球体腎炎(RPGN)を同時にきたす自己免疫疾患(II型アレルギー)である。CBTや国試では、若年男性の喫煙者における血痰と血尿のエピソード、および血漿交換療法が頻出である。
抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎は、筋力低下が乏しい(CADM)一方で、急速進行性間質性肺炎(RP-ILD)を高率に合併し、致死率が極めて高い特異な皮膚筋炎のサブタイプである。急速な呼吸不全とフェリチン著増が特徴的。
マックル・ウェルズ症候群は、NLRP3遺伝子の変異によりIL-1βが過剰産生される自己炎症性疾患(クリオピリン関連周期性症候群:CAPSの中等症型)である。蕁麻疹様皮疹、進行性難聴、アミロイドーシスをきたし、IL-1阻害薬が著効する。
SAPHO症候群は、掌蹠膿疱症などの皮膚症状と、前胸部(胸鎖関節など)の骨炎・関節炎を合併する自己炎症性疾患・脊椎関節炎の類縁疾患である。CBTや国試では、胸鎖関節の肥厚・疼痛と掌蹠膿疱症の組み合わせが頻出である。
Wiskott-Aldrich症候群(WAS)は、WASタンパクの異常によるX連鎖潜性遺伝の原発性免疫不全症である。男児における「湿疹」「易感染性」「血小板減少(微小血小板)」の三徴がCBTや国試で超頻出である。
RS3PE症候群は、高齢者に急激に発症する、手背や足背の著明な圧痕性浮腫(pitting edema)を伴う多発関節炎である。リウマトイド因子(RF)は陰性で、少量のステロイドが劇的に効くのが特徴。悪性腫瘍の合併に注意が必要である。
Good症候群は、胸腺腫に低ガンマグロブリン血症を合併する稀な原発性免疫不全症候群。細胞性免疫と体液性免疫の両方が低下し、重篤な日和見感染を繰り返す。
遺伝性血管性浮腫(HAE)は、C1インヒビター(C1-INH)の欠損または機能不全によりブラジキニンが過剰産生され、突然、顔や喉、消化管などに強い浮腫をきたす常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。喉頭浮腫による窒息や激しい腹痛が特徴で、通常の抗アレルギー薬が無効なため専用の治療薬が必要となる。
TNF受容体関連周期性症候群(TRAPS)は、TNFRSF1A遺伝子変異を原因とする常染色体顕性遺伝の自己炎症性疾患である。他の周期熱症候群に比べて「発熱期間が長い(1〜3週間)」ことと、激しい「筋肉痛」および「移動性紅斑」が特徴である。
シュニッツラー症候群(Schnitzler syndrome)は、慢性蕁麻疹、発熱、骨痛などの自己炎症症状と、モノクローナルなIgM血症(M蛋白血症)を合併する後天性の稀な疾患である。中高年に発症し、IL-1阻害薬が著効する。
クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)は、NLRP3遺伝子の変異によりインフラマソームが過剰活性化し、IL-1βが大量産生される自己炎症性疾患である。寒冷曝露で誘発される蕁麻疹様発疹、発熱、関節痛が特徴で、IL-1阻害薬が著効する。
特発性多中心性キャッスルマン病(iMCD)は、インターロイキン-6(IL-6)の過剰産生により、全身のリンパ節腫大と発熱、高γグロブリン血症などの激しい全身炎症をきたす非腫瘍性のリンパ増殖性疾患である。抗IL-6受容体抗体(トシリズマブ)が特効薬である。
VEXAS症候群は、2020年に発見された、X染色体上のUBA1遺伝子の体細胞変異を原因とする成人(主に高齢男性)発症の自己炎症性疾患である。大赤血球性貧血などの造血障害と、ステロイド依存性の難治性炎症を合併する最新の重要疾患概念である。