消化器に関連する疾患を78件掲載。概要・科目・更新日を確認しながら、国家試験・臨床実習・復習に使える疾患知識を効率よく整理できます。
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晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍(原発性肝癌の約5〜10%)。肝細胞癌(HCC)と異なり、ウイルス性肝炎や肝硬変を背景としないことが多く、間質が豊富でリンパ節転移をきたしやすいのが特徴である。
肝腎症候群は、重篤な肝疾患(非代償性肝硬変や劇症肝炎など)の経過中に、腎臓自体には器質的な異常がないにも関わらず、急激な腎機能低下(機能的腎不全)をきたす予後不良な病態である。
胆道閉塞は、胆管が結石(総胆管結石)や悪性腫瘍(胆管癌、膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌など)によって物理的に塞がれ、胆汁が十二指腸へ排泄されなくなる病態。行き場を失ったビリルビンが血液中に逆流し、「閉塞性黄疸」をきたす。
膵神経内分泌腫瘍(PanNET)は、膵臓の内分泌細胞(ランゲルハンス島など)から発生する稀な腫瘍。特定のホルモンを過剰分泌して特有の症状を呈する「機能性腫瘍」と、ホルモン症状を出さない「非機能性腫瘍」がある。MEN1(多発性内分泌腫瘍症1型)の部分症として発症することも多い。
裂肛は、硬い便の通過などにより肛門管の皮膚(上皮)が裂けた状態である。排便時の「激しい痛み」と「少量の鮮血」が特徴であり、慢性化すると肛門狭窄をきたす。
機能性便秘は、大腸癌や腸閉塞などの器質的疾患(物理的な通過障害)を伴わず、腸管の機能異常や生活習慣によって生じる便秘の総称である。日常診療で極めて頻度が高く、機序により「弛緩性」「痙攣性」「直腸性」に大別される。
内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。
胆嚢腺筋腫症は、胆嚢の粘膜上皮が筋層内に深く入り込んで「Rokitansky-Aschoff洞(RAS)」と呼ばれる小嚢胞を形成し、胆嚢壁が肥厚する良性疾患である。エコーでの「コメット様エコー」が特徴的で、胆嚢癌との鑑別が重要となる。
先天性胆道拡張症は、先天的に胆管(主に総胆管)が拡張する疾患である。高率に「膵・胆管合流異常」を合併し、膵液の胆管内への逆流によって胆管炎や胆道癌(胆管癌・胆嚢癌)を引き起こすリスクが極めて高いため、予防的な手術が必要となる。
痔瘻は、歯状線にある肛門腺の感染(肛門周囲膿瘍)が進行し、直腸・肛門管内と肛門周囲の皮膚がトンネル(瘻管)でつながった状態である。自然治癒はせず、外科的手術が唯一の根治法となる。長期放置により「痔瘻癌」が発生するリスクがある。
劇症肝炎(急性肝不全)は、急性肝炎の経過中に極めて急激かつ広範な肝細胞壊死を生じ、発症から8週以内に「高度の肝機能障害(プロトロンビン時間 ≦ 40%)」と「肝性脳症(II度以上)」をきたす致死的な病態である。B型肝炎ウイルスや薬物アレルギーなどが原因となる。
肝嚢胞は、肝臓内に液体が貯留した袋(嚢胞)が形成される極めてありふれた良性疾患である。無症状で偶然発見されることが多く、エコーで内部が無エコー(真っ黒)に抜けるのが特徴。巨大化しない限り放置してよい。
外痔核は、歯状線より「肛門側(下側)」の静脈叢にうっ滞が生じ、腫脹したものである。内痔核と異なり、知覚神経(体性神経)が豊富な部位にあるため、血栓形成(血栓性外痔核)を伴うと「激しい痛み」をきたす。
SMA症候群は、急激な体重減少などにより上腸間膜動脈(SMA)と腹部大動脈の間の脂肪が失われ、その間に挟まった十二指腸水平脚が圧迫・閉塞する疾患である。食後の腹痛・嘔吐をきたし、腹臥位(うつ伏せ)で症状が軽快するのが最大の特徴である。
Rotor症候群は、肝細胞から毛細胆管へのビリルビン排泄機能が先天的に障害されることで生じる体質性黄疸である。直接ビリルビン優位の黄疸を呈するが、肝臓への黒色色素沈着はなく、予後は良好で治療を必要としない。
MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
メッケル憩室は、胚生期の卵黄管が退化せずに残存した真性憩室(全層性)であり、回盲部から約数10cm(約2フィート)口側の回腸に存在する。異位性胃粘膜を伴う場合、無痛性の下血(血便)の原因となり、小児の下血症例では重要疾患である。
E型肝炎は、E型肝炎ウイルス(HEV)による急性肝炎である。A型肝炎と同様に経口感染で、慢性化は原則としてしない。豚肉や野生動物(イノシシ、シカなど)の生食が原因となり、妊婦が感染すると劇症化しやすいのが最大の特徴である。
D型肝炎は、D型肝炎ウイルス(HDV)による感染症である。HDVは自身のエンベロープ(外殻)を作れない「欠損ウイルス」であり、B型肝炎ウイルス(HBV)のHBs抗原を借りないと感染・増殖できないという特異な性質を持つ。
C型肝炎は、血液を介してC型肝炎ウイルス(HCV)に感染する疾患。感染後約70%が慢性化し、数十年の経過で肝硬変、肝細胞癌へと高率に進行する。現在は内服の抗ウイルス薬(DAA)によりほぼ100%治癒可能となった。
B型肝炎は、血液・体液を介してB型肝炎ウイルス(HBV)が感染することで発症する。母子感染による「持続感染(キャリア)」と、性交渉等による「一過性急性感染」の経路があり、劇症化や慢性肝炎・肝細胞癌へ進行するリスクがある。
A型肝炎は、A型肝炎ウイルス(HAV)の経口感染により発症する一過性の急性肝炎である。カキなどの二枚貝の生食が原因となることが多く、慢性化することはなく、一度罹患すると終生免疫を獲得する。
胃ポリープは、胃粘膜が隆起した病変の総称であり、主に「胃底腺ポリープ」「過形成性ポリープ」「胃腺腫」に大別される。ピロリ菌感染の有無や癌化リスクがそれぞれ異なる。
FAPは、APC遺伝子の変異による常染色体顕性(優性)遺伝疾患であり、大腸全体に数千個の腺腫が多発する。放置すれば「100%大腸癌化」するため、若年期での大腸全摘術が必須となる。随伴症状を伴う場合はガードナー症候群等と呼ばれる。
GI-NET(旧カルチノイド)は、ホルモン産生細胞(神経内分泌細胞)由来の腫瘍である。粘膜下腫瘍(SMT)の形態をとり、黄味を帯びた色調が特徴。悪性度はKi-67指数により分類される。セロトニン過剰による「カルチノイド症候群」をきたすことがある。
肝膿瘍は、肝実質内に細菌や寄生虫が感染し、膿が貯留した局所感染症である。細菌が原因の「化膿性」と、赤痢アメーバが原因の「アメーバ性」に大別される。高熱と右季肋部痛を主徴とする。
バッド・キアリ症候群は、肝静脈主幹部またはその流入口付近の下大静脈が閉塞・狭窄し、肝血流の流出障害をきたす疾患である。門脈圧亢進症を呈し、腹水、肝腫大、下肢浮腫が3主徴となる。指定難病。
GISTは、カハールの介在細胞(消化管のペースメーカー細胞)由来の非上皮性悪性腫瘍である。粘膜下腫瘍(SMT)の形態をとり、c-kit遺伝子の変異が病態の核心。外科的切除とイマチニブによる化学療法が有効である。
腹水は、腹腔内に異常に体液(水分)が貯留した状態である。肝硬変による門脈圧亢進症と低アルブミン血症が最も多い原因であり、腹水穿刺による性状検査で漏出性と滲出性に鑑別することが診断の第一歩となる。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
肝性脳症は、重症肝障害や門脈大循環シャントにより、本来肝臓で代謝・解毒されるべき有害物質(アンモニア等)が脳に達し、精神・意識障害を引き起こす病態である。West Haven基準による重症度分類と、手のひらがパタパタと震える「羽ばたき振戦」が特徴的である。
肝細胞癌は、肝細胞から発生する原発性肝癌の代表格であり、その約90%以上が肝硬変や慢性肝炎(B型・C型、NASHなど)を背景に発症する。早期発見のためのサーベイランスと、BCLC分類に基づいた肝予備能・腫瘍条件を考慮した多角的な治療選択が重要である。
肝硬変は、慢性的な肝障害により肝細胞が破壊と再生を繰り返し、線維化が進行して肝臓が硬く縮小した不可逆的な状態である。肝機能の低下と門脈圧亢進症により、食道静脈瘤、肝性脳症、腹水などの多彩な合併症を引き起こし、肝細胞癌のハイリスク状態となる。
黄疸は、血中ビリルビン濃度の上昇(通常2〜3mg/dL以上)により、皮膚や眼球結膜が黄染する病態である。原因により「溶血性」「肝細胞性」「閉塞性」の3つに大きく分類され、それぞれのアプローチが異なる。
複雑性腸閉塞は、物理的な腸管の閉塞に加えて「腸間膜の血管が締め付けられ、血流障害を伴う」極めて危険な状態である。数時間で腸管が壊死・穿孔し、敗血症性ショックに至るため、一刻も早い緊急手術の絶対適応となる。
麻痺性イレウスは、腸管そのものに物理的な閉塞物はないが、自律神経の反射や電解質異常などにより腸管全体の蠕動運動が消失し、内容物が停滞する状態である。開腹手術の術後や腹膜炎の合併症として頻繁にみられる。
痙攣性イレウスは、機能性腸閉塞の一種であり、腸管の局所が過度に痙攣・収縮(縮瞳)し続けることで、内容物の通過が妨げられる稀な病態である。鉛中毒や腹部への鈍的打撲などを原因とする。
輸入脚症候群は、胃切除後(特にビルロートII法やRoux-en-Y法)の再建腸管において、吻合部より口側にある腸管(輸入脚:胆汁や膵液が通るルート)が物理的に閉塞して液がうっ滞する合併症である。「食後の右季肋部痛」と、その後に「胆汁を大量に嘔吐すると症状がスッキリ消失する」のが最大の特徴。
汎発性腹膜炎は、胃・十二指腸潰瘍の穿孔や大腸穿孔、急性虫垂炎の破裂などを原因として、腹腔内全体に激しい炎症・感染が波及した極めて重篤な状態である。板状硬などの強い腹膜刺激症状を呈し、直ちに緊急開腹手術が必要となる。
食道静脈瘤は、肝硬変などによる門脈圧亢進症に伴い、食道粘膜下の静脈が怒張・蛇行した状態である。破裂すると致死的な大出血(大量吐血)をきたすため、内視鏡的治療による予防と緊急止血が極めて重要となる。
単純性腸閉塞は、腸管の通り道が物理的に塞がれているが、腸管への「血流障害を伴わない」状態である。開腹手術後の「癒着」が原因の最多を占め、絶食・輸液やイレウス管による保存的治療が第一選択となる。
偽性腸閉塞(Ogilvie症候群)は、腫瘍などの物理的な閉塞起点がないにもかかわらず、大腸(特に右半結腸〜横行結腸)が著明に拡張する急性病態である。高齢者や基礎疾患を持つ長期臥床者に好発し、穿孔リスクがあるため早急な減圧が必要となる。
膵癌は、膵管上皮から発生する悪性腫瘍であり、早期発見が極めて困難で予後不良な疾患の代表である。喫煙や糖尿病、慢性膵炎がリスク因子となり、黄疸や背部痛、急激な糖尿病の悪化を契機に発見されることが多い。
急性胃炎は、ストレスや薬剤(NSAIDs)、アルコール、食中毒(アニサキスなど)などを契機に、胃粘膜に急激な炎症(充血、浮腫、びらん、出血)を生じる疾患である。心窩部痛や吐下血をきたし、内視鏡では多発性のびらんを認める。
FDは、胃カメラなどで潰瘍や癌などの器質的疾患が認められないにもかかわらず、胃もたれや心窩部痛などの腹部症状が慢性的に続く疾患である。胃の適応性弛緩の障害や知覚過敏が主な原因とされる、現代人に非常に多い疾患である。
急性胆管炎は、総胆管結石や悪性腫瘍などによる胆管の閉塞を背景として、うっ滞した胆汁に細菌が感染して生じる致死的な疾患である。Charcotの3徴(発熱、右季肋部痛、黄疸)が特徴であり、重症化すると敗血症性ショックをきたすため、緊急の胆道ドレナージが必須となる。
急性胆嚢炎は、主に胆嚢結石が胆嚢管に嵌頓(詰まること)することで胆汁がうっ滞し、細菌感染を伴って胆嚢に急性の炎症が生じる疾患である。右季肋部痛、発熱、Murphy徴候が特徴であり、早期の腹腔鏡下胆嚢摘出術が標準治療となる。
脾腫は、脾臓が正常サイズ(長径約10cm)を超えて腫大した状態であり、門脈圧亢進症(肝硬変など)、血液腫瘍、感染症など多彩な原因で生じる重要な症候である。CBTや国試では、巨大脾腫をきたす疾患の鑑別や、脾機能亢進に伴う汎血球減少が超頻出である。
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)は、明らかな飲酒歴がないにもかかわらず肝臓に脂肪が蓄積する疾患である。そのうち進行性で炎症や線維化を伴うものを非アルコール性脂肪肝炎(NASH)と呼ぶ。メタボリックシンドロームを背景とし、無症状のまま肝硬変や肝細胞癌へ進行するため、CBTや医師国家試験でも極めて頻出の重要疾患である。
慢性膵炎は、長期間にわたる持続的な炎症により膵組織が不可逆的に破壊され、線維化や石灰化をきたす疾患である。アルコール多飲が最大の原因であり、進行すると膵機能が低下する。CBTや医師国家試験では、膵石症の合併や、代償期と非代償期の症状の違い、脂肪便や糖尿病の出現が超頻出の重要疾患である。
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、胆汁の分泌・輸送に関わる遺伝子異常により、小児期から重篤な肝内胆汁うっ滞をきたす常染色体潜性遺伝疾患である。激しいそう痒(かゆみ)が特徴で、PFIC1型および2型は「γ-GTPが正常〜低値」である点が臨床的に重要である。
大腸憩室炎は、大腸壁の一部が外側に突出した憩室に便などが詰まり、細菌感染を起こす疾患である。右側結腸(上行結腸)と左側結腸(S状結腸)に好発し、発熱や局所的な腹痛をきたす。CBTや医師国家試験では、虫垂炎との鑑別や、急性期の内視鏡禁忌、絶食と抗菌薬による保存的治療、穿孔合併時の緊急手術の適応が頻出の重要疾患である。
食道癌は食道粘膜から発生する悪性腫瘍であり、日本では約90%が胸部中部に好発する扁平上皮癌である。嚥下困難や体重減少を特徴とし、早期発見が難しく予後不良になりやすい。CBTや医師国家試験では、ヨード染色を用いた内視鏡診断、リンパ節転移の多さ(反回神経麻痺による嗄声など)が頻出の重要疾患である。
自己免疫性膵炎(AIP)は、自己免疫学的機序により膵臓が腫大し、膵管の狭窄をきたす疾患である。IgG4関連疾患の代表的な膵病変であり、高齢男性の無痛性黄疸で発症することが多い。CBTや医師国家試験では、膵癌との鑑別や、特異的な画像所見(ソーセージ様腫大)、ステロイドの著効が頻出の重要疾患である。
急性膵炎は、膵管内で活性化された膵酵素が自らの膵組織を消化(自己消化)することで生じる急性の炎症性疾患である。激しい上腹部痛や背部痛を主症状とし、重症例では多臓器不全を来す予後不良な病態である。CBTや医師国家試験では、原因、血液所見(リパーゼ等)、重症度判定(予後因子スコア)、初期治療の大量輸液が超頻出である。
急性虫垂炎は、虫垂内腔の閉塞を契機に細菌感染を伴って急激に炎症を起こす疾患であり、急性腹症の代表格である。心窩部から右下腹部へと移動する腹痛を特徴とし、CBTや医師国家試験では特有の身体所見(McBurney点など)や画像所見が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
胃癌は、胃粘膜上皮から発生する悪性腫瘍であり、日本人に非常に多い癌の一つである。初期は無症状であることが多く、進行すると心窩部痛や体重減少、吐血などをきたす。ピロリ菌感染が最大の危険因子であり、CBTや医師国家試験では転移の形式(Virchow転移など)や内視鏡所見が極めて頻出の重要疾患である。
胃MALTリンパ腫は、胃粘膜関連リンパ組織から発生する低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫である。ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染が強力に関与しており、無症状や上腹部不快感で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、悪性腫瘍でありながら「ピロリ菌除菌」が第一選択となる点が毎年問われる超頻出疾患である。
胃・十二指腸潰瘍は、胃酸やペプシンの働きにより粘膜が深く欠損する疾患である。ピロリ菌感染やNSAIDs内服が2大原因であり、心窩部痛や吐血・下血(タール便)をきたす。CBTや医師国家試験では、胃潰瘍と十二指腸潰瘍の症状の違いや、内視鏡的止血術の適応が頻出の重要疾患である。
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。
ヒルシュスプルング病は、腸管壁の神経節細胞が肛門側で先天的に欠如し、機能的腸閉塞をきたす先天性消化管疾患である。胎便排泄遅延、腹部膨満、胆汁性嘔吐、難治性便秘を特徴とし、新生児の腸閉塞や乳児の頑固な便秘の鑑別としてCBT・医師国家試験で頻出の重要疾患である。
原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、肝内の小型胆管が自己免疫学的機序により破壊され、慢性的な胆汁うっ滞を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、皮膚掻痒感や無症候性の肝機能異常で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、特異的な自己抗体(抗ミトコンドリア抗体)や合併症、第一選択薬が毎年問われる超頻出疾患である。
潰瘍性大腸炎(UC)は、大腸の粘膜に慢性の炎症と潰瘍を生じる原因不明の指定難病である。若年者に好発し、粘血便、下痢、腹痛を伴う再燃と寛解を繰り返す。CBTや医師国家試験では、クローン病(CD)との鑑別、特徴的な内視鏡所見や注腸造影所見、重大な合併症(中毒性巨大結腸症や大腸癌)が毎年問われる超頻出疾患である。
胆石症は、胆汁の成分が結晶化して胆嚢や胆管内に結石(胆石)を形成し、通過障害や炎症を引き起こす疾患である。脂っこい食事の後に起こる激しい右季肋部痛や悪心・嘔吐を主症状とする。無症状のまま経過することも多いが、重症化すると急性胆管炎などの致死的な病態を招くため、CBT・国家試験ともに頻出の重要疾患である。
自己免疫性肝炎(AIH)は、肝細胞に対する自己免疫応答により慢性的な肝炎を来す指定難病である。中年以降の女性に好発し、放置すると肝硬変や肝不全に進行する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、高IgG血症や抗核抗体陽性、ステロイドの著効が毎年問われる超頻出疾患である。
食道アカラシアは、食道下部括約筋(LES)の弛緩不全と食道体部の蠕動運動消失を特徴とする原因不明の食道運動機能障害である。固形物だけでなく流動体に対する嚥下困難を主訴とする。CBTや医師国家試験では、食道造影での「鳥のくちばし像」や、最新の内視鏡治療(POEM)が毎年問われる超頻出疾患である。
逆流性食道炎(GERD)は、胃酸や胃内容物が食道に逆流し、食道粘膜に炎症を引き起こす疾患である。胸やけや呑酸(酸っぱい水が上がる感覚)を主症状とし、慢性化すると食道癌のリスクとなる。生活習慣の欧米化により患者が増加しており、CBTや医師国家試験でも頻出の重要疾患である。
ポイツ・ジェガース(Peutz-Jeghers)症候群は、消化管(特に小腸)に多発する過誤腫性ポリープと、皮膚・粘膜(口唇や指など)のメラニン色素沈着を特徴とする常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の疾患である。若年期にポリープが原因で腸重積や消化管出血を来しやすく、消化器や他臓器の癌の発症リスクが高い。CBTや医師国家試験では、特徴的な色素沈着の部位や小腸ポリープ、腸重積との関連が頻出である。
クローン病(CD)は、口腔から肛門までの全消化管に非連続性の慢性肉芽腫性炎症を生じる原因不明の指定難病である。10〜20歳代の若年者に好発し、腹痛、下痢、体重減少、痔瘻を特徴とする。CBTや医師国家試験では、潰瘍性大腸炎(UC)との鑑別、特徴的な内視鏡・造影所見、および全層性炎症に伴う合併症(狭窄・瘻孔)が毎年問われる超頻出疾患である。
クリグラー・ナジャー症候群は、肝臓のビリルビン抱合酵素(UGT1A1)の先天的な欠損により、重度の間接型(非抱合型)高ビリルビン血症を来す常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の疾患である。新生児期から重篤な黄疸を呈し、核黄疸による脳障害の危険性が高い。CBTや医師国家試験では、1型と2型の鑑別(フェノバルビタール試験)や、ジルベール症候群などの他の体質性黄疸との鑑別が頻出である。
ウィルソン病は、先天的な銅代謝の異常により、肝臓、脳(大脳基底核)、角膜などの全身諸臓器に過剰な銅が蓄積する疾患である。若年性の肝機能障害、不随意運動などの神経症状、角膜のKayser-Fleischer輪を特徴とする。CBTや医師国家試験では、検査値の解釈(セルロプラスミン低下)や治療薬の選択が毎年問われる超頻出の指定難病である。