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大腸憩室炎は、大腸壁の一部が外側に突出した憩室に便などが詰まり、細菌感染を起こす疾患である。右側結腸(上行結腸)と左側結腸(S状結腸)に好発し、発熱や局所的な腹痛をきたす。CBTや医師国家試験では、虫垂炎との鑑別や、急性期の内視鏡禁忌、絶食と抗菌薬による保存的治療、穿孔合併時の緊急手術の適応が頻出の重要疾患である。
局所的な腹痛(憩室の部位に一致した右下腹部痛または左下腹部痛)
発熱(微熱〜高熱)
悪心、嘔吐
便通異常(下痢、便秘)
筋性防御、反跳痛(穿孔などにより腹膜炎を合併した場合)
初期評価
腹痛と発熱のエピソード、圧痛の部位を確認する。虫垂切除の既往があれば虫垂炎を除外でき、憩室炎の可能性が高まる。
検査
腹部造影CT検査が第一選択である。憩室の存在、腸管壁の肥厚、周囲の脂肪織濃度上昇(炎症の波及)を確認する。血液検査では白血球数やCRPの上昇を認める。※急性期の下部消化管内視鏡検査や注腸造影は禁忌である。
鑑別
鑑別でよく出るのは、右下腹部痛を呈する「急性虫垂炎」である。その他、虚血性腸炎(血便が主症状)、感染性腸炎、大腸癌、婦人科疾患(PIDや卵巣出血など)と鑑別する。
初期対応
軽症〜中等症で膿瘍や穿孔などの合併症がない場合は、絶飲食、補液、抗菌薬の静脈内投与による保存的治療が第一選択となる。
根本治療
穿孔に伴う汎発性腹膜炎や、保存的治療に抵抗する膿瘍形成を合併した重症例では、緊急手術(病変腸管の切除、人工肛門造設術、腹腔内ドレナージなど)を行う。炎症が完全に軽快した数週間〜数ヶ月後に大腸内視鏡検査を行い、大腸癌が隠れていないか確認することが重要である。
病態
便秘などによる腸管内圧の上昇により、腸壁の脆弱な部分(血管貫通部)が粘膜ごと外側に脱出して仮性憩室を形成する。ここに便汁が滞留して細菌が繁殖し、炎症を引き起こす。
原因
食物繊維の摂取不足や加齢に伴う腸管壁の脆弱化、便秘による大腸内圧の慢性的な上昇が主な原因である。
分類
日本人は右側結腸(盲腸・上行結腸)に多い傾向があったが、食の欧米化と高齢化に伴い、近年は左側結腸(S状結腸)の憩室炎も増加している。
試験での重要ポイント
右下腹部痛を呈する右側憩室炎は「急性虫垂炎」との鑑別が超頻出である。画像診断は腹部造影CTが第一選択であり、「炎症の極期には腸管穿孔のリスクがあるため、大腸内視鏡検査や注腸造影検査は禁忌」である点が極めてよく問われる。膿瘍形成や穿孔(free airの出現)を伴う重症例では直ちに外科的治療が適応となる。
覚え方・コツ
「憩室炎は、便秘で飛び出たポケットの炎症。右下腹部なら虫垂炎のそっくりさん。痛い時にカメラ(内視鏡)を入れると破れるから絶対ダメ!まずは絶食・点滴・抗菌薬で休ませろ!」
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消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍(原発性肝癌の約5〜10%)。肝細胞癌(HCC)と異なり、ウイルス性肝炎や肝硬変を背景としないことが多く、間質が豊富でリンパ節転移をきたしやすいのが特徴である。
肝腎症候群は、重篤な肝疾患(非代償性肝硬変や劇症肝炎など)の経過中に、腎臓自体には器質的な異常がないにも関わらず、急激な腎機能低下(機能的腎不全)をきたす予後不良な病態である。