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肝腎症候群は、重篤な肝疾患(非代償性肝硬変や劇症肝炎など)の経過中に、腎臓自体には器質的な異常がないにも関わらず、急激な腎機能低下(機能的腎不全)をきたす予後不良な病態である。
重症肝不全の症状:難治性腹水、黄疸、肝性脳症。
腎不全の症状:乏尿、無尿、浮腫。
診断基準(ICA基準など):
①肝硬変(および腹水)の存在。
②血清クレアチニン(Cr)の急激な上昇。
③『利尿薬の中止およびアルブミン投与による循環血漿量の拡大を少なくとも2日間行っても、血清Crが改善しない』。
④ショックがないこと、腎毒性薬剤の使用がないこと。
⑤器質的腎疾患の除外(尿蛋白陰性、微小血尿なし、エコーで腎正常)。
内科的治療(移植までのブリッジング):
血管収縮薬(テルリプレシンやノルアドレナリン)+アルブミンの静注。内臓血管をキュッと締めて、腎臓へ血流を回す。
血液浄化療法:透析(急性期の対症療法)。
外科的治療(根治):『肝移植』。
病態
門脈圧亢進症により、一酸化窒素(NO)などが過剰に産生され、内臓血管(腸管の血管など)が著しく拡張する。これにより全身を巡る「有効循環血液量」が減少するため、腎臓が「血が足りない!」と勘違いして、レニン・アンジオテンシン系などを活性化させ腎血管を強烈に収縮させる。結果として、腎臓への血流が極端に減少し、尿が作れなくなる。
試験・臨床での重要ポイント
『腎臓そのものは悪くない(器質的異常なし)』という点が全て。
そのため、診断基準には「超音波で腎臓に異常がない」「尿蛋白や血尿などの所見がない(正常)」ことが含まれる。
また、単なる脱水との鑑別として、『利尿薬を中止してアルブミンを輸液(ボリューム負荷)しても、腎機能が改善しない』ことが確認できれば肝腎症候群と診断される。根本治療は肝移植しかない。
覚え方・コツ
「肝腎症候群は『肝臓が悪すぎて、腎臓が血流不足でストライキを起こした状態』!腎臓自体はキレイなのに、肝臓のせいで全身の血の巡りが狂って腎臓に血が行かなくなる。点滴で水(アルブミン)を補充してもオシッコが出ない(治らない)のが絶望のサイン!こうなったら肝臓を取り替える(肝移植)しか助かる道はない!」
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消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。
肝内胆管癌は、肝臓内の胆管上皮から発生する悪性腫瘍(原発性肝癌の約5〜10%)。肝細胞癌(HCC)と異なり、ウイルス性肝炎や肝硬変を背景としないことが多く、間質が豊富でリンパ節転移をきたしやすいのが特徴である。
胆道閉塞は、胆管が結石(総胆管結石)や悪性腫瘍(胆管癌、膵頭部癌、十二指腸乳頭部癌など)によって物理的に塞がれ、胆汁が十二指腸へ排泄されなくなる病態。行き場を失ったビリルビンが血液中に逆流し、「閉塞性黄疸」をきたす。