バッド・キアリ症候群は、肝静脈主幹部またはその流入口付近の下大静脈が閉塞・狭窄し、肝血流の流出障害をきたす疾患である。門脈圧亢進症を呈し、腹水、肝腫大、下肢浮腫が3主徴となる。指定難病。
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急性期:激しい腹痛、嘔吐、急速な腹水貯留、肝腫大。
慢性期:腹水、下肢の浮腫、側腹部や胸壁の静脈怒張(メデューサの頭)、脾腫、黄疸。
超音波(エコー)・ドプラ:肝静脈の狭窄・閉塞、血流の逆流を確認。
造影CT/MRI:肝静脈の非描出、尾状葉(S1)の代償性肥大(流出路が別系統のため)、肝表面の凹凸。
血管造影(確定診断):『蜘蛛の巣状(spider web)』の側副血行路。
内科的治療:抗凝固療法(血栓予防)、利尿薬(腹水管理)。
IVR治療:経皮的血管形成術(PTA)やステント留置により狭窄部を広げる。
外科的治療:バイパス手術、肝移植(末期肝不全時)。
病態
肝静脈の閉塞により肝臓がうっ血(うっ血肝)し、進行すると肝不全や肝硬変に至る。原因は血液凝固異常による血栓症や、先天的な膜性閉塞(Web)、腫瘍による圧迫などがある。
試験・臨床での重要ポイント
「腹水・肝腫大・側腹部の静脈怒張」のセットが定番。画像診断(造影CTや血管造影)での『蜘蛛の巣状(spider web)』の側副血行路の発達が絶対のキーワード。下大静脈閉塞を伴う場合は下肢の浮腫や色素沈着が著明になる。
覚え方・コツ
「バッド・キアリは『肝臓の出口(肝静脈)の渋滞』!出口が塞がるから、肝臓がパンパンに腫れて(肝腫大)、お腹に水が漏れ(腹水)、逃げ道の血管が浮き出る(側腹部静脈怒張)。血管造影で見える『蜘蛛の巣(spider web)』のような側副路が診断の決め手だ!」
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。