GISTは、カハールの介在細胞(消化管のペースメーカー細胞)由来の非上皮性悪性腫瘍である。粘膜下腫瘍(SMT)の形態をとり、c-kit遺伝子の変異が病態の核心。外科的切除とイマチニブによる化学療法が有効である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
初期:無症状。
進行期:腹部腫瘤、腹痛、消化管出血(吐血・下血:表面の潰瘍形成による)、貧血、腹部膨満感。
内視鏡:粘膜下腫瘍(SMT)様の発育。橋状ひだ(bridging fold)。
超音波内視鏡(EUS):第4層(固有筋層)由来の低エコー腫瘤。EUS-FNA(針生検)で組織を採取し診断。
免疫染色(確定診断):『c-kit (CD117) 陽性』、『CD34 陽性』。
外科的治療:『腫瘍の局所切除』。胃癌のような広範な切除やリンパ節郭清は原則不要。腹腔鏡下手術が普及している。
化学療法:『イマチニブ(チロシンキナーゼ阻害薬)』。術後再発予防や、切除不能・転移例に使用する。耐性例にはスニチニブ、レゴラフェニブ。
病態
消化管の筋層に存在する「カハールの介在細胞」の受容体型チロシンキナーゼ(KIT)遺伝子が変異し、細胞増殖が止まらなくなる。胃(約60%)に最も多く、次いで小腸に多い。
試験・臨床での重要ポイント
胃カメラで『粘膜下腫瘍(SMT)』として発見される。粘膜自体は正常だが、下から押し上げられており、中心部に凹み(bridging foldや中央陥凹:umbilication)を伴うことがある。免疫染色での『c-kit (CD117) 陽性』および『CD34 陽性』が診断の決め手。リンパ節転移が稀なため、手術ではリンパ節郭清を行わず「局所切除」が基本となる。再発・進行例には分子標的薬『イマチニブ』が劇的に効く。
覚え方・コツ
「GISTは『筋肉の層から生まれる、粘膜の下のガン』!普通の胃がんと違って表面は綺麗だけど、下から盛り上がっている。合言葉は『c-kit陽性』。チロシンキナーゼというスイッチが壊れてONになりっぱなしだから、それをオフにする『イマチニブ』が特効薬。リンパ節より『血流』で転移(肝転移など)しやすいから要注意!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。