最終更新日: 2026年4月18日
アスクレピアで深掘りする急性虫垂炎は、虫垂内腔の閉塞を契機に細菌感染を伴って急激に炎症を起こす疾患であり、急性腹症の代表格である。心窩部から右下腹部へと移動する腹痛を特徴とし、CBTや医師国家試験では特有の身体所見(McBurney点など)や画像所見が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
心窩部痛、臍周部痛(初期)
右下腹部痛(発症から数時間後に移動)
悪心、嘔吐、食欲不振
発熱(微熱〜中等度熱)
筋性防御、反跳痛(Blumberg徴候:腹膜炎波及時)
初期評価
心窩部から右下腹部へ移動する腹痛の経過を聴取する。McBurney点などの右下腹部の圧痛、反跳痛、Rovsing徴候などの腹部身体所見を確認する。
検査
腹部超音波(エコー)検査や造影CTを実施し、虫垂の腫大(外径6mm以上)や壁肥厚、糞石、周囲の脂肪織濃度上昇、液体貯留を確認する。血液検査で白血球数およびCRPの上昇を認める。
鑑別
鑑別でよく出るのは、女性における婦人科疾患(異所性妊娠の破裂、卵巣出血、骨盤内炎症性疾患:PIDなど)である。その他、大腸憩室炎、尿管結石(血尿を伴う激痛)、感染性腸炎(下痢が前面に出る)などを除外する。
初期対応
絶飲食として補液を行い、セフェム系などの抗菌薬の点滴静注を開始する。軽症(カタル性)であれば抗菌薬のみによる保存的治療で軽快することもある。
根本治療
第一選択は外科的切除(虫垂切除術)である。近年は侵襲の少ない腹腔鏡下虫垂切除術が標準となっている。穿孔を伴う周囲膿瘍形成例では、直ちに手術をせず、まずは抗菌薬や経皮的ドレナージで炎症を落ち着かせた後、数ヶ月後に待機的切除を行う(interval appendectomy)戦略をとることもある。
病態
虫垂の内腔が閉塞することで、内部での粘液の貯留と内圧上昇、血流障害が生じ、腸内細菌が増殖して炎症を起こす。進行すると壁が壊死・穿孔し、腹膜炎に至る。
原因
糞石(石灰化した便)による閉塞が最多である。若年者ではリンパ濾胞の過形成、高齢者では腫瘍が原因となることもある。
分類
炎症の波及度により、カタル性(粘膜のみの軽度炎症)、蜂窩織炎性(壁全層の炎症)、壊疽性(壁の壊死・穿孔を伴う)の3段階に分類される。
試験での重要ポイント
「初期に心窩部痛や悪心があり、数時間〜半日後に右下腹部痛へ移動した」という病歴があればこの疾患を強く疑う。McBurney点(右前上腸骨棘と臍を結ぶ外側1/3)の圧痛や、反跳痛(Blumberg徴候)、Rovsing徴候(左下腹部を圧迫すると右下腹部が痛む)などの身体所見の名称と意義は超頻出である。画像問題ではCTや超音波で腫大した虫垂や糞石を指摘させる問題が定番である。
覚え方・コツ
「虫垂炎の痛みは『上から下へ(心窩部→右下腹部)』移動する。マックバーニーを押して離すと痛い(反跳痛)。エコーやCTで腫れたソーセージ(虫垂)と石ころ(糞石)を探せ!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
精巣捻転症は、精索が捻転することで精巣への血流が遮断され、虚血から壊死に至る泌尿器科の緊急疾患である。思春期から青年期に好発し、突然の激しい陰嚢痛や悪心・嘔吐を特徴とする。発症後6時間以内の血流再開が必須であり、CBTや医師国家試験の救急・泌尿器分野で「見逃してはいけない疾患」として超頻出である。
自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションおよび対人相互反応の持続的な欠陥と、行動・興味・活動の限定された反復的な様式を特徴とする神経発達症である。かつての自閉症、アスペルガー症候群などが統合された概念である。CBTや医師国家試験では、DSM-5の診断基準(2つの主要領域)、感覚過敏、ADHDとの合併、および療育や環境調整の重要性が毎年問われる超頻出疾患である。
家族性地中海熱(FMF)は、MEFV遺伝子の変異により生じる自己炎症性疾患である。1〜3日程度で自然軽快する周期的な高熱と、無菌性の漿膜炎(腹痛、胸痛)を繰り返す。CBTや医師国家試験では、コルヒチンの著効や、致死的な合併症である二次性AAアミロイドーシスの予防が頻出の重要疾患である。
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。