椎体圧迫骨折は、脊椎の椎体(主に前側)が潰れるように骨折する病態。骨粗鬆症の高齢者に好発し、尻餅をつくなどの軽微な外傷、あるいは自覚的な外傷なしで発症する。背中が丸くなる円背(亀背)の原因となる。
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体動時(寝返り、起立時)の激しい背部痛、腰痛。
※安静にしていると痛みは軽いことが多い。
慢性期:身長の低下、円背(背中が丸くなる)、それに伴う逆流性食道炎などの消化器症状。
※後方へ骨片が飛び出し、脊髄や馬尾を圧迫すると下肢の麻痺や排尿障害をきたす(破裂骨折など)。
単純X線:椎体前方を中心とした楔状(くさび型)変形、扁平化。骨粗鬆症の所見。
MRI(新鮮骨折の診断に必須):『T1WIで低信号』、T2WI/STIRで高信号。脊柱管への圧迫の有無を確認。
骨密度(DEXA法):背景にある骨粗鬆症の評価。
保存的治療(第一選択):硬性コルセット等の装具による体幹の固定と、ベッド上での安静。痛みが落ち着いたら早期離床・リハビリを目指す。
薬物療法:骨粗鬆症治療薬(ビスホスホネート、テリパラチド等)の導入。
外科的治療:痛みが長引く場合や骨がつぶれ続ける場合(偽関節)、低侵襲な『経皮的椎体形成術(BKP:医療用セメントを骨に注入する)』が行われる。神経麻痺がある場合は除圧固定術が必要。
病態
胸腰椎移行部(Th11〜L1付近)にかかる負荷が大きいため、この部位に好発する。骨粗鬆症による骨の脆弱化が根本的な原因であり、咳やくしゃみ、布団から起き上がっただけで骨折することもある(いつの間にか骨折)。
試験・臨床での重要ポイント
「新しい骨折(新鮮骨折)」か「古い骨折(陳旧性骨折)」かの鑑別が国試で超頻出。高齢者は複数の骨折歴があることが多いため、レントゲンで潰れているのが見えても、それが「今の痛みの原因」とは限らない。
確定診断には『MRI』が必須。新鮮骨折は、骨の中に出血・浮腫が生じているため、骨髄の脂肪信号が消えて『T1強調画像で低信号(黒く抜ける)』、脂肪抑制T2強調画像(STIR)で高信号(白く光る)となる。
覚え方・コツ
「圧迫骨折は『骨粗鬆症のおばあちゃんの背骨が、ダルマ落としみたいに潰れる骨折』!尻餅をついただけで腰が痛くて動けなくなる。潰れた骨が神経(脊髄)を圧迫しなければ麻痺は出ない。レントゲンだけじゃ『いつ折れたか』分からないから、必ず『MRIのT1強調画像』を撮れ!折れたばかりの骨は血が滲んで『黒く(低信号に)』写るのが決定打だ!」
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大腿骨頸部骨折は、高齢者が転倒した際に生じやすい股関節の骨折。関節包(関節の袋)の「内側」で折れるため、骨頭を栄養する血流が絶たれやすく、「大腿骨頭壊死」や「偽関節(骨がくっつかない)」のリスクが極めて高い。寝たきりの原因となるため早期の手術が必要。
橈骨遠位端骨折は、手首の骨折であり、高齢の骨粗鬆症患者に多発する。手のひらをついて転倒した際に生じる「Colles(コーレス)骨折」が圧倒的に多く、遠位骨片が背側(手の甲側)へズレてフォーク状の変形を呈する。
臍ヘルニアは、へその輪(臍輪)が閉鎖不全や脆弱化により、腹腔内内容物が突出した状態である。小児の先天性と大人の後天性があり、大人では肝硬変による腹水や肥満が原因となることが多い。
多指症(たししょう)は、手や足の指の数が正常(5本)よりも多い先天性の形態異常。生まれつきの四肢異常の中で最も頻度が高い。単独で発生することもあれば、他の遺伝性疾患(パトー症候群など)の部分症として現れることもある。