最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする胃癌は、胃粘膜上皮から発生する悪性腫瘍であり、日本人に非常に多い癌の一つである。初期は無症状であることが多く、進行すると心窩部痛や体重減少、吐血などをきたす。ピロリ菌感染が最大の危険因子であり、CBTや医師国家試験では転移の形式(Virchow転移など)や内視鏡所見が極めて頻出の重要疾患である。
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無症状(早期癌の多くは健診で偶然発見される)
心窩部痛、胃部不快感(食後に増悪することがある)
食欲不振、体重減少(進行癌)
悪心、嘔吐(腫瘍による幽門部狭窄)
吐血、黒色便(タール便)、貧血(腫瘍からの出血による)
初期評価
健康診断での異常指摘や、持続する心窩部痛、体重減少、黒色便などの症状があればこの疾患を疑う。
検査
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)と生検による病理組織学的診断が確定診断に必須である。胃X線造影検査ではニッチ(壁外突出像)や隆起性病変を確認する。進行度評価のために造影CT検査を行い、リンパ節転移や遠隔転移(肝臓、肺など)の有無を調べる。
鑑別
鑑別でよく出るのは、胃潰瘍(良性潰瘍との内視鏡的・病理学的な鑑別が極めて重要)、胃MALTリンパ腫、胃粘膜下腫瘍(GISTなど)、および胃アニサキス症(急激な激痛)である。
初期対応
リンパ節転移の可能性が極めて低い早期胃癌(粘膜内にとどまり潰瘍を伴わない分化型癌など)に対しては、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)による根治を目指す。
根本治療
ESDの適応外となる早期胃癌や進行胃癌に対しては、外科的切除(胃全摘術または幽門側胃切除術など)およびリンパ節郭清を行う。切除不能な進行・再発胃癌に対しては、全身化学療法(S-1、シスプラチンなどの殺細胞性抗癌剤や、トラスツズマブ、ニボルマブなどの分子標的薬・免疫チェックポイント阻害薬)を行う。
病態
胃粘膜上皮細胞が癌化したもので、組織学的には大部分が腺癌である。進行すると粘膜下層から筋層・漿膜へと深く浸潤し、リンパ節転移、血行性転移(肝転移など)、腹膜播種を起こす。
原因
Helicobacter pylori(ピロリ菌)の持続感染が最大の危険因子である。その他、高塩分食、喫煙、過度の飲酒、萎縮性胃炎などが発症リスクを高める。
分類
組織学的に「分化型(高齢男性に多く、血行性転移しやすい)」と「未分化型(若年女性にも見られ、腹膜播種しやすい)」に大別される。肉眼分類として早期胃癌(0型)と進行胃癌(1〜4型:Borrmann分類)がある。
試験での重要ポイント
転移の固有名称として、Virchow転移(左鎖骨上窩リンパ節)、Schnitzler転移(ダグラス窩)、Krukenberg腫瘍(卵巣)、Sister Mary Joseph結節(臍部)は国試・CBTで毎年問われる絶対暗記項目である。未分化型腺癌がびまん性に浸潤する「スキルス胃癌(Borrmann 4型)」は、胃壁が硬化・肥厚し予後不良である点も頻出である。
覚え方・コツ
「胃ガンの転移は、左の首(ウィルヒョウ)、お腹の底(シュニッツラー)、卵巣(クルッケンベルグ)。若年女性のスキルス(未分化型)は腹膜播種に要注意!」
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食道癌は食道粘膜から発生する悪性腫瘍であり、日本では約90%が胸部中部に好発する扁平上皮癌である。嚥下困難や体重減少を特徴とし、早期発見が難しく予後不良になりやすい。CBTや医師国家試験では、ヨード染色を用いた内視鏡診断、リンパ節転移の多さ(反回神経麻痺による嗄声など)が頻出の重要疾患である。
自己免疫性膵炎(AIP)は、自己免疫学的機序により膵臓が腫大し、膵管の狭窄をきたす疾患である。IgG4関連疾患の代表的な膵病変であり、高齢男性の無痛性黄疸で発症することが多い。CBTや医師国家試験では、膵癌との鑑別や、特異的な画像所見(ソーセージ様腫大)、ステロイドの著効が頻出の重要疾患である。
急性膵炎は、膵管内で活性化された膵酵素が自らの膵組織を消化(自己消化)することで生じる急性の炎症性疾患である。激しい上腹部痛や背部痛を主症状とし、重症例では多臓器不全を来す予後不良な病態である。CBTや医師国家試験では、原因、血液所見(リパーゼ等)、重症度判定(予後因子スコア)、初期治療の大量輸液が超頻出である。
胃MALTリンパ腫は、胃粘膜関連リンパ組織から発生する低悪性度のB細胞性非ホジキンリンパ腫である。ピロリ菌(Helicobacter pylori)感染が強力に関与しており、無症状や上腹部不快感で発見されることが多い。CBTや医師国家試験では、悪性腫瘍でありながら「ピロリ菌除菌」が第一選択となる点が毎年問われる超頻出疾患である。