神経内科に関連する疾患を86件掲載。概要・科目・更新日を確認しながら、国家試験・臨床実習・復習に使える疾患知識を効率よく整理できます。
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。
ビタミンB12の欠乏により、DNAの合成が障害され、骨髄で赤血球が正常に成熟できない「巨赤芽球性貧血」をきたす疾患。自己免疫による胃壁細胞の破壊で内因子が欠乏して起こるものを「悪性貧血」と呼ぶ。貧血に加え、葉酸欠乏にはない「神経症状」を伴うのが最大の特徴である。
アンジェルマン症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「母親由来」の発現異常による疾患。プラダー・ウィリー症候群と対をなすインプリンティング疾患であり、重度の知的障害、てんかん、および「理由のない笑顔や笑い声」を特徴とする。
脳炎は、ウイルスなどが直接脳実質に感染して急性の炎症を引き起こす疾患。日本脳炎など様々あるが、日常診療と国試で圧倒的に重要なのが「単純ヘルペスウイルス(HSV)脳炎」である。側頭葉や前頭葉下部を好んで破壊し、致死率も高い。
脳膿瘍は、脳実質内に細菌が感染・増殖し、被膜に覆われた膿の塊(膿瘍)を形成する疾患。副鼻腔炎や中耳炎などからの直接波及や、先天性心疾患(右左シャント)による血行性感染が原因となり、頭蓋内圧亢進症状をきたす。
てんかんは、大脳のニューロンが過剰に興奮する(てんかん性放電)ことで、反復性の発作をきたす慢性脳疾患。脳の「一部(局所)」から始まる【焦点性発作】と、最初から脳の「全体」が興奮する【全般性発作】に大別され、発作型によって抗てんかん薬を使い分ける。
アイカルディ症候群は、「脳梁欠損」「網脈絡膜ラクナ(眼底の虫食い状病変)」「点頭てんかん(乳児スパスム)」の三徴を特徴とする重篤な先天性神経疾患。X連鎖優性遺伝形式をとり、男児は原則として胎生期に致死となるため、患者はほぼ全て女児である。
von Hippel-Lindau病(VHL病)は、第3染色体にあるVHLがん抑制遺伝子の変異により、全身の多臓器に血管芽腫や多発性囊胞、悪性腫瘍を合併する常染色体顕性(優性)遺伝疾患。中枢神経・網膜の血管芽腫、腎細胞癌、褐色細胞腫が三大病変として重要である。
脳性麻痺は、受胎から新生児期(生後4週以内)までの間に生じた非進行性の脳の病変に基づく、永続的な運動および姿勢の異常である。原因疾患と麻痺の型の組み合わせ(早産のPVLによる痙直型など)が頻出である。
アミロイドアンギオパチー(CAA)は、大脳皮質および軟膜の小〜中血管壁にβアミロイドタンパクが沈着し、血管が脆弱になる疾患である。高齢者の「皮質下出血(脳葉出血)」の主要な原因であり、アルツハイマー型認知症に高率に合併する。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
脳出血は、脳実質内の細い血管が破綻して出血する疾患。高血圧を原因とする高血圧性脳出血が大部分を占め、被殻、視床、小脳、橋などで生じる。出血部位に応じた局所神経症状(片麻痺や眼球運動障害)が急激に出現する。
脊柱管狭窄症は、加齢に伴う骨や靱帯の変形により脊柱管が狭くなり、中の馬尾神経や神経根が慢性的に圧迫される疾患である。高齢者に多く、歩行により下肢痛・しびれが出現し、休むと改善する「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」が特徴的である。
肝性脳症は、重症肝障害や門脈大循環シャントにより、本来肝臓で代謝・解毒されるべき有害物質(アンモニア等)が脳に達し、精神・意識障害を引き起こす病態である。West Haven基準による重症度分類と、手のひらがパタパタと震える「羽ばたき振戦」が特徴的である。
椎間板ヘルニアは、椎体間のクッションである椎間板の髄核が線維輪を突き破って脱出し、脊髄や神経根を圧迫する疾患である。若年〜壮年の男性に多く、腰痛とともに片側の激しい下肢放散痛(坐骨神経痛)やしびれをきたす。
緊張型頭痛は、精神的・身体的ストレスに伴う頭蓋周辺の筋肉の過緊張により生じる、最も頻度の高い一次性頭痛である。両側性の締め付けられるような痛みが特徴で、悪心や嘔吐は伴わない。
くも膜下出血は、脳動脈瘤の破裂などにより、くも膜下腔に血液が急激に流入する致死的な疾患。「これまで経験したことのない突然の激しい頭痛」で発症し、髄膜刺激症状を伴うが、通常は片麻痺などの局所症状を伴わない。
細菌性髄膜炎は、脳と脊髄を覆う髄膜に細菌が感染し、化膿性の炎症を引き起こす極めて緊急度の高い疾患である。高熱、頭痛、うなじのこわばり(項部硬直)を3主徴とし、迅速な抗菌薬投与がなければ死に至るか、重篤な後遺症を残す。
真菌性髄膜炎は、主に免疫不全患者に発症する日和見感染症であり、クリプトコックス・ネオフォルマンスが原因の大部分を占める。髄液の墨汁染色で「莢膜を持つ菌体」を確認するのが伝統的かつ頻出の診断方法である。
抗NMDA受容体脳炎は、中枢神経のNMDA受容体に対する自己抗体が原因で、統合失調症様の急激な精神症状、けいれん、無反応覚醒、口のモゴモゴといった不随意運動を呈する自己免疫性脳炎である。若い女性に多く、卵巣奇形腫の合併が超頻出である。
結核性髄膜炎は、結核菌が髄膜に感染し、亜急性(週単位)に進行する重症の髄膜炎である。脳底部の髄膜に強い炎症が起こりやすく、動眼神経などの脳神経麻痺を伴うのが特徴である。髄液のADA値上昇が診断の指標となる。
癌性髄膜炎、薬剤性髄膜炎、好酸球性髄膜炎など、感染症以外にも多様な原因で髄膜炎(無菌性髄膜炎)が生じる。それぞれ背景となる基礎疾患や曝露歴の聴取が診断の鍵となる。
ウイルス性髄膜炎は、髄膜炎の中で最も頻度が高く、多くはエンテロウイルスなどの感染により生じる。細菌性と比較して予後は良好で、髄液検査で「リンパ球増多」と「糖が正常」に保たれる点が最大の特徴である。
自己免疫性脳炎は、神経細胞の表面抗原等に対する自己抗体が原因で生じる急性〜亜急性の脳炎である。抗LGI1抗体脳炎は顔・上肢の短いジストニア発作(FBDS)や低ナトリウム血症を伴い、抗CASPR2抗体脳炎は末梢神経過興奮を伴うMorvan症候群などを呈する。
NCLは、ライソゾーム酵素などの欠損により、自家蛍光を持つ脂質色素(セロイドリポフスチン)が神経細胞内に蓄積するライソゾーム病の一群である。進行性ミオクローヌスてんかん(PME)や視力障害、急速な知的退行を呈し、電顕での「指紋状構造」が特徴。
DRPLAは、ATN1遺伝子のCAGリピート異常伸長により生じる常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の脊髄小脳変性症である。日本人に比較的多く、ミオクローヌス、てんかん、認知症、運動失調、舞踏アテトーゼなど極めて多彩な症状を呈し、世代を経るごとに発症年齢が若年化する「表現促進現象(アンティシペーション)」が著明である。
ラズムッセン脳炎は、主に小児期に発症し、一側の大脳半球に進行性の炎症・萎縮をきたす原因不明の疾患である。難治性の部分てんかん(特に持続性部分てんかん:EPC)と、対側の進行性片麻痺、認知機能障害を特徴とし、最終手段として大脳半球離断術が行われる。
マッカードル病は、筋肉特異的なグリコーゲンホスホリルアーゼ(筋ホスホリルアーゼ)の欠損により、運動のエネルギー源であるグリコーゲンを分解できなくなる疾患である。強度の運動時の筋痛、痙攣、およびミオグロビン尿(褐色尿)を特徴とする。
フリードライヒ運動失調症は、フラタキシン(FXN)遺伝子の異常(GAAリピート異常伸長)により生じる常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の脊髄小脳変性症である。運動失調に加えて、深部感覚障害、肥大型心筋症、糖尿病、凹足(pes cavus)などの非神経症状を合併するのが特徴である。
サンドホフ病は、ヘキソサミニダーゼAおよびBの両酵素が欠損することで、脳や内臓にGM2ガングリオシドなどが蓄積するライソゾーム病である。テイ・サックス病と症状が酷似する(チェリーレッドスポット、驚愕反応など)が、本疾患は肝脾腫を伴う点が鑑別の鍵となる。
クラッベ病は、ガラクトセレブロシダーゼの欠損により有毒なサイコシンが蓄積し、中枢および末梢神経の広範な脱髄をきたすライソゾーム病(常染色体潜性遺伝)。極度の過敏性、筋緊張亢進、末梢神経障害を特徴とし、脳内にグロボイド細胞が出現する。
ALDは、極長鎖脂肪酸(VLCFA)のトランスポーター異常により、大脳白質や副腎皮質にVLCFAが蓄積するX連鎖遺伝の代謝異常症。小児大脳型では学童期に急激な知的退行と視力・聴力障害をきたし、副腎不全(色素沈着など)を合併する。
MERRF(Myoclonus Epilepsy associated with Ragged-Red Fibers)は、ミトコンドリアDNAの変異により生じるミトコンドリア脳筋症の一型である。「進行性ミオクローヌスてんかん(PME)」の代表疾患であり、ミトコンドリア病特有の母系遺伝、筋生検での赤色ぼろ線維(RRF)が特徴。
進行性ミオクローヌスてんかん(PME)は、単一の疾患名ではなく、「ミオクローヌス」、「てんかん発作」、「進行性の神経症状(認知機能障害、小脳失調など)」を3主徴とする症候群の総称である。ミトコンドリア脳筋症(MERRF)やラフォラ病などがこれに含まれる。
NBIA(脳内鉄沈着を伴う神経変性症:Neurodegeneration with brain iron accumulation)は、大脳基底核(特に淡蒼球や黒質)への異常な鉄沈着を特徴とする遺伝性神経疾患の総称である。代表疾患であるPKAN(パントテン酸キナーゼ関連神経変性症)は、MRIでの「Eye of the tiger sign」が特徴的である。
水俣病は、熊本県水俣湾および新潟県阿賀野川(第二水俣病)で発生した「メチル水銀」中毒による公害病である。中枢神経系が広範に障害され、四肢末端の感覚障害や求心性視野狭窄などのHunter-Russell症候群を呈する。
神経フェリチン症は、フェリチン軽鎖(FTL)遺伝子の変異により、脳内(特に大脳基底核)に鉄が過剰に蓄積する常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の神経変性疾患である。NBIA(脳内鉄沈着を伴う神経変性症)の一型であるが、成人に発症し、血清フェリチン値が「低値」となるのが特徴である。
ラフォラ病は、10代で発症する致死的な常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の進行性ミオクローヌスてんかん(PME)である。全身の細胞にポリグルコサンからなる「ラフォラ小体」が蓄積し、難治性のミオクローヌス、全般てんかん、急速な認知機能低下をきたす。
オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)は、眼球が不規則に乱舞する「オプソクローヌス」と、四肢・体幹の「ミオクローヌス」を主徴とする稀な神経疾患である。小児では神経芽腫(Neuroblastoma)に合併する傍腫瘍性神経症候群として超重要であり、早期の腫瘍検索が必須となる。
アレキサンダー病は、GFAP遺伝子の変異によりアストロサイトに異常タンパク質(ローゼンタール線維)が蓄積する稀な白質形成不全症(大脳白質変性症)である。乳幼児期発症型では巨頭症、けいれん、精神運動発達遅滞を呈し、前頭葉優位の白質病変が特徴的である。
Zellweger症候群は、細胞小器官であるペルオキシソームが全く形成されないことによる致死的な常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患である。特異顔貌、重度の筋緊張低下、肝腫大、点状軟骨異形成を特徴とする最重症のペルオキシソーム病である。
コルサコフ症候群は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏によるウェルニッケ脳症が慢性化し、不可逆的な器質的記憶障害を残した状態である。「記銘力障害」と、失われた記憶を無意識の作り話で埋める「作話」が特徴的な認知症症候群である。
馬尾症候群は、脊髄下端(脊髄円錐)より下位の腰仙髄神経根の束(馬尾)が圧迫されることによって生じる神経症状の総称である。腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などが原因となり、サドル状感覚障害、膀胱直腸障害(尿閉など)、両下肢の弛緩性麻痺などを呈する。不可逆的な神経障害を防ぐため、一刻も早い緊急外科的減圧術が必要となる「Red Flag(見逃してはならない危険なサイン)」である。
脳血管性認知症は、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害によって脳組織が障害されることで発症する認知症である。アルツハイマー型に次いで頻度が高く、男性に多い。「階段状の進行」や「まだら認知症」、「感情失禁」が特徴である。
前脊髄動脈症候群は、前脊髄動脈の血流障害により脊髄の前方2/3が虚血となる疾患である。大動脈解離や大動脈瘤手術に合併することが多く、深部感覚は保たれる一方で、運動麻痺と温痛覚障害をきたす「解離性感覚障害」が特徴である。
ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏により発症する急性の脳症。眼球運動障害、運動失調、意識障害の三徴が特徴であり、アルコール依存症や低栄養患者に好発する。不可逆的なコルサコフ症候群への移行を防ぐため、糖液投与前のビタミンB1補充が絶対原則である。
皮膚筋炎は、多発性筋炎のような近位筋の筋力低下に加え、特異的な皮膚症状(ヘリオトロープ疹、ゴットロン丘疹など)を伴う自己免疫疾患。悪性腫瘍の合併率が高く、また抗MDA5抗体陽性例での「急速進行性間質性肺炎」が超重要である。
多発性筋炎は、主に体幹に近い骨格筋(近位筋)に炎症が生じ、対称性の筋力低下と筋痛をきたす自己免疫疾患である。皮膚症状を伴わない。間質性肺炎や悪性腫瘍の合併に注意が必要である。
MLF症候群(内側縦束症候群)は、脳幹の内側縦束(MLF)の障害により、側方注視時に患側の眼球が内転できず、健側の外転眼に解離性眼振が生じる眼球運動障害である。輻輳(寄り目)は保たれるのが特徴である。
多発性硬化症は、中枢神経系(脳、脊髄、視神経)の白質に多発性の脱髄斑が生じる自己免疫疾患である。「空間的・時間的多発(様々な部位の症状が再発と寛解を繰り返す)」を特徴とし、ウートフ徴候や髄液のオリゴクローナルバンド陽性が国試で頻出である。
脳ヘルニアは、頭蓋内圧亢進により、脳組織が本来の区画から別の区画へ押し出される致死的な病態である。テント切痕ヘルニア(鉤ヘルニアなど)や大後頭孔ヘルニア(小脳扁桃ヘルニア)が代表的で、瞳孔異常や呼吸停止をきたす。
アルツハイマー型認知症は、脳内にアミロイドβやタウタンパク質が蓄積し、大脳皮質や海馬の神経細胞が脱落・萎縮することで進行性の認知機能障害をきたす疾患である。認知症の中で最も頻度が高く、近時記憶障害(物忘れ)から発症し、見当識障害や実行機能障害が進行する。
パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞が変性・脱落し、線条体におけるドパミン不足により多彩な運動症状(4大症状:安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害)をきたす神経変性疾患である。非運動症状(嗅覚障害、便秘、REM睡眠行動異常症)も重要である。
ラムゼイ・ハント症候群は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により、顔面神経と内耳神経が障害される疾患。「耳介の帯状疱疹(水疱)」「顔面神経麻痺」「内耳神経症状(難聴・めまい)」の三徴が特徴である。
Brown-Séquard症候群は、外傷や腫瘍などにより脊髄の半側(右半分または左半分)が障害されることで生じる症候群である。障害側の運動麻痺・深部感覚障害と、対側の温痛覚障害を呈する「解離性感覚障害」が特徴であり、神経内科・整形外科領域で超頻出である。
手根管症候群は、手関節の手根管内で正中神経が絞扼される、最も頻度の高い末梢神経障害である。母指〜環指橈側のしびれ、夜間痛、Tinel様サイン、Phalenテスト陽性、進行例での猿手(母指球筋萎縮)が国試で超頻出の重要疾患である。
ホルネル症候群は、交感神経路(視床下部から眼球に至る経路)の障害により、片側の縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥凹、無汗症をきたす神経症候群である。ワレンベルグ症候群やパンコースト腫瘍の合併症として、画像や病歴から原因部位を推測させる問題が国試で超頻出である。
円回内筋症候群は、正中神経が前腕近位の円回内筋部で絞扼(圧迫)されることによって生じる末梢神経障害である。手根管症候群と似たしびれを呈するが、手掌の感覚障害の範囲や誘発テストの違いで鑑別することが重要である。
EGPAは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎が先行し、その後末梢血の著明な好酸球増多とともに多発性単神経炎などの小型血管炎を発症するANCA関連血管炎である。
GSSは、PRNP遺伝子の変異による常染色体顕性(優性)遺伝のプリオン病である。孤発性のクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)と異なり、小脳失調が主症状で、数年かけて緩徐に進行する。
Trousseau症候群は、悪性腫瘍(特にムチン産生腺癌)に伴う血液凝固能亢進により、全身の静脈・動脈に血栓症をきたす腫瘍随伴症候群である。原因不明の多発性脳梗塞や深部静脈血栓症(DVT)で発症し、ヘパリン持続点滴が治療の主体となる。
遺伝性プリオン病の一種。視床の変性により一切の睡眠が取れなくなり(頑固な不眠)、幻覚や自律神経異常を経て約1年程度で死に至る極めて過酷で致死的な疾患である。
レフサム病は、分枝脂肪酸であるフィタン酸のα酸化酵素の欠損により、体内にフィタン酸が蓄積するペルオキシソーム病(常染色体潜性遺伝疾患)である。網膜色素変性(夜盲症)、多発性ニューロパチー、小脳失調、および魚鱗癬をきたす。
モルバン症候群は、電位依存性カリウムチャネル(VGKC)複合体に対する自己抗体が関与する稀な自己免疫性脳症。激しい不眠、幻覚、筋肉の持続的なピクつき(ミオキミア)が特徴である。
大脳基底核(特に淡蒼球や黒質)への鉄沈着を伴う神経変性疾患(NBIA)の一種。PANK2遺伝子異常によるPKANが代表的であり、MRIでの「虎の目(Eye of the tiger)」サインが特異的である。
スタージ・ウェーバー症候群は、顔面の三叉神経領域(特に第1・2枝)の単純性血管腫(ポートワイン斑)と、同側の脳軟膜血管腫を特徴とする母斑症である。てんかん、緑内障、知的障害を合併し、頭部画像の「脳回状石灰化」が超頻出である。
アラン・ハーンデン症候群は、甲状腺ホルモンを脳内へ運ぶトランスポーター(MCT8)の遺伝子変異によるX連鎖潜性遺伝疾患である。男児に発症し、重度の精神運動発達遅滞と筋緊張異常、末梢の甲状腺中毒症状を呈する。
原田病は、メラノサイトに対する自己免疫応答により、眼、耳、髄膜、皮膚に炎症をきたす全身性疾患。両眼のぶどう膜炎、感音難聴、無菌性髄膜炎、夕焼け眼底、および慢性期の白髪・白斑が超頻出である。
脊髄空洞症は、脊髄中心部に液体が貯留し空洞(syrinx)を形成する疾患である。キアリ奇形(I型)に合併することが多く、CBTや医師国家試験では、温痛覚のみが障害され触覚や深部感覚が保たれる「温痛覚解離」や、上肢の「宙吊り型」感覚障害、およびMRIの矢状断像が超頻出である。
ハラーホルデン・スパッツ病(現在は主にPKANと呼ばれる)は、大脳基底核への鉄沈着を伴う稀な神経変性疾患(NBIA)の一種である。PANK2遺伝子変異により、小児期からジストニアなどの錐体外路症状をきたす。MRIにおける「Eye-of-the-tiger sign(トラの目サイン)」が極めて特徴的である。
悪性症候群は、抗精神病薬などのドパミン受容体遮断薬の投与中や減量・中止時に急激に発症する、致死的な副作用である。CBTや国試では、38℃以上の高熱、著明な筋強剛、自律神経症状、CK(CPK)の著増と、原因薬の直ちの中止およびダントロレン投与が超頻出の重要疾患である。
ナルコレプシーは、オレキシン(ヒポクレチン)の欠乏により、日中の耐えがたい睡眠過多と、REM睡眠の異常(情動脱力発作など)をきたす過眠症である。CBTや国試では、情動脱力発作(カタプレキシー)、睡眠麻痺、入眠時幻覚の四徴や、反復睡眠潜時検査(MSLT)、中枢神経刺激薬による治療が頻出の重要疾患である。
アイザックス症候群は、末梢神経の電位依存性カリウムチャネル(VGKC)複合体に対する自己抗体によって生じる、稀な自己免疫性末梢神経興奮性亢進症である。筋肉のピクつき(ミオキミア)や持続的なこわばりが特徴である。
スティッフパーソン症候群は、体幹や四肢の筋肉が板のように硬くこわばり、突然の音や接触で激しい痛みを伴う筋痙攣を起こす進行性の自己免疫性神経疾患である。抗GAD抗体が陽性となることが多く、1型糖尿病などを合併しやすい。
前頭側頭型認知症(FTD)は、大脳の前頭葉および側頭葉の限局性萎縮を特徴とする神経変性疾患群(前頭側頭葉変性症:FTLD)の代表的疾患である。ピック病(Pick病)はその古典的な亜型である。初期から記憶障害よりも人格変化、社会性の欠如、常同行動、言語障害が目立つ。CBTや医師国家試験では、特異な異常行動のエピソードと画像所見(ナイフの刃状萎縮)の組み合わせが超頻出である。
重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部(NMJ)のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)などが自己抗体により攻撃され、情報の伝達が阻害されることで筋力低下や易疲労性を来す自己免疫疾患である。午後から夕方にかけて症状が悪化する「日内変動」が特徴。CBTや医師国家試験では、眼瞼下垂などの眼症状、胸腺異常(胸腺腫など)の合併、反復刺激試験でのWaning現象、およびクリーゼへの対応が毎年問われる超頻出疾患である。
正常圧水頭症(iNPH)は、脳脊髄液の圧が正常範囲内であるにもかかわらず脳室が拡大し、歩行障害、認知機能障害、尿失禁の三徴を呈する疾患である。高齢者に多く、シャント手術により症状が改善する「治療可能な認知症」として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、特徴的なMRI所見(DESHサイン)や髄液タップテストが超頻出である。
視神経脊髄炎(NMO)は、中枢神経系(特に視神経と脊髄)のアストロサイトに存在する水チャネル「アクアポリン4(AQP4)」に対する自己抗体が原因で生じる自己免疫疾患である。多発性硬化症(MS)と似るが、視力障害や対麻痺がより重篤であり、再発を繰り返す。CBTや国試では、MSとの鑑別(3椎体以上の脊髄病変、難治性しゃっくり、抗AQP4抗体陽性)と、治療薬の禁忌が超頻出である。
強直性ジストロフィーは、成人発症の筋ジストロフィーの中で最も頻度が高く、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示す。筋強直(ミオトニー)と進行性の筋萎縮に加え、白内障、耐糖能異常、心伝導障害、前頭部脱毛など多彩な全身症状を合併する。CBTや医師国家試験では、斧様顔貌やミオトニー現象、およびトリプレットリピート病としての表現促進現象が頻出である。
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳血管の一過性の閉塞により局所神経症状が出現するが、24時間以内(多くは数分〜数十分)に完全に消失する病態である。脳梗塞の極めて重要な前兆(警告発作)であり、発症直後(特に48時間以内)の脳梗塞移行リスクが高い。CBTや医師国家試験では、一過性黒内障のエピソード、ABCD2スコアによるリスク評価、および急性期の抗血小板療法が超頻出である。
レビー小体型認知症(DLB)は、アルツハイマー型認知症(AD)に次いで多い変性性認知症である。大脳皮質や脳幹に「レビー小体(α-シヌクレインの凝集体)」が広範に出現する。CBTや医師国家試験では、中核症状である「幻視」「認知機能の変動」「パーキンソニズム」「REM睡眠行動異常症(RBD)」に加え、特有の画像所見(MIBG心筋シンチでの取り込み低下など)や、抗精神病薬への著しい過敏性が毎年必ず問われる超頻出疾患である。
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は、感染性を持つ異常プリオン蛋白が脳内に蓄積し、急速に進行する認知症やミオクローヌスを引き起こす致死性の神経変性疾患(プリオン病)である。孤発性が大半を占める。発症から数ヶ月で無動無言状態に至る。CBTや医師国家試験では、脳波でのPSD(周期性同期性放電)、MRI拡散強調画像(DWI)での大脳皮質・基底核の高信号、髄液の14-3-3蛋白、および通常の滅菌法が無効である点(感染対策)が超頻出である。