脳炎は、ウイルスなどが直接脳実質に感染して急性の炎症を引き起こす疾患。日本脳炎など様々あるが、日常診療と国試で圧倒的に重要なのが「単純ヘルペスウイルス(HSV)脳炎」である。側頭葉や前頭葉下部を好んで破壊し、致死率も高い。
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発熱、頭痛(髄膜炎症状)。
意識障害、けいれん。
精神症状:異常言動、幻覚、性格変化。
局所神経症状:記憶障害(健忘)、失語、片麻痺。
頭部MRI:T2強調画像・FLAIRで『側頭葉内側〜前頭葉眼窩面』にかけての非対称性の高信号(腫脹)。
髄液検査:初圧上昇、単核球(リンパ球)優位の細胞数増加、蛋白上昇、糖は正常。確定診断は『髄液中のHSV-DNA PCR陽性』。
脳波:側頭葉領域の『周期性一側性てんかん型放電(PLEDs)』。
抗ウイルス療法(最優先・即時開始):『アシクロビル静注』。※症状と画像から疑診した段階で直ちに開始する(遅れると重篤な後遺症や死亡に直結する)。
脳浮腫対策:高張グリセロール、ステロイドの投与。
けいれんに対する抗てんかん薬の投与。
病態
口唇ヘルペス等でおなじみのHSV(主に1型)が、三叉神経節等に潜伏していた状態から再活性化し、嗅神経等を通じて脳(辺縁系)に侵入する。
試験・臨床での重要ポイント
「風邪をひいた後」に「幻覚、異常な言動(精神症状)」や「けいれん」を起こして救急搬送されるエピソードが定番。
HSVは『側頭葉〜前頭葉下部』を好んで壊死・出血させるため、側頭葉(海馬)の機能である「記憶障害」や「幻覚(幻嗅など)」が出やすい。
診断と治療のスピードが命。髄液のHSV-DNA PCR検査で確定診断するが、検査結果を待たずに『疑った時点で即座にアシクロビル(抗ウイルス薬)の点滴を開始』するのが臨床上の絶対ルール。
覚え方・コツ
「ヘルペス脳炎は『風邪の後に、変なことを言い出して倒れる(精神症状・けいれん)』超緊急病!ヘルペスウイルスは『側頭葉(こめかみの奥)』が大好物だから、記憶が飛んだり幻覚が見えたりする。MRIを撮ると側頭葉が真っ白に腫れている。確定診断を待つ暇はない!疑わしければ1秒でも早く『アシクロビル』をぶち込め!」
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脳膿瘍は、脳実質内に細菌が感染・増殖し、被膜に覆われた膿の塊(膿瘍)を形成する疾患。副鼻腔炎や中耳炎などからの直接波及や、先天性心疾患(右左シャント)による血行性感染が原因となり、頭蓋内圧亢進症状をきたす。
てんかんは、大脳のニューロンが過剰に興奮する(てんかん性放電)ことで、反復性の発作をきたす慢性脳疾患。脳の「一部(局所)」から始まる【焦点性発作】と、最初から脳の「全体」が興奮する【全般性発作】に大別され、発作型によって抗てんかん薬を使い分ける。
von Hippel-Lindau病(VHL病)は、第3染色体にあるVHLがん抑制遺伝子の変異により、全身の多臓器に血管芽腫や多発性囊胞、悪性腫瘍を合併する常染色体顕性(優性)遺伝疾患。中枢神経・網膜の血管芽腫、腎細胞癌、褐色細胞腫が三大病変として重要である。
脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。