最終更新日: 2026年5月31日
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
運動障害:四肢の遠位(手足の先)だけでなく近位(太ももなど)にも生じる、対称性の筋力低下。
感覚障害:四肢遠位の手袋靴下型(グローブ・ストッキング型)のしびれ、感覚低下。
深部腱反射の低下〜消失(末梢神経障害の基本所見)。
※自律神経障害や呼吸筋麻痺はGBSに比べて少ない。
神経伝導検査(必須):運動神経の伝導速度の著明な低下、潜時の延長、伝導ブロック(脱髄の証拠)。
髄液検査:細胞数は正常(10/μL以下)だが、蛋白が上昇(45mg/dL以上)する『蛋白細胞解離』。
神経生検(腓腹神経):脱髄と再髄鞘化の繰り返しによる『オニオンバルブ(onion bulb:タマネギの皮様構造)』。
第一選択:『副腎皮質ステロイド』の内服またはパルス療法(※GBSには無効だがCIDPには著効する)。
免疫修飾療法:ステロイド無効例や副作用回避のため、『経静脈的免疫グロブリン大量療法(IVIg)』や『血液浄化療法(血漿交換)』を行う。
近年、維持療法として皮下注用免疫グロブリン(SCIG)も普及している。
病態
自己抗体やマクロファージが、運動・感覚の末梢神経のミエリン鞘を攻撃して神経伝導を滞らせる。障害と修復(再髄鞘化)を繰り返すため、神経の周囲が玉ねぎの皮のように何層にも厚くなる(オニオンバルブ)。
試験・臨床での重要ポイント
最大のポイントは『ギラン・バレー症候群(GBS)との比較』。
GBSは「感染症(カンピロバクター等)の後に」「4週間以内にピークに達し」「その後改善する」急性の病気。対してCIDPは「先行感染は関係なく」「『2ヶ月以上』かけてダラダラと進行、あるいは再発を繰り返す」慢性の病気である。
髄液検査ではGBSと同様に、細胞数は増えないのに蛋白だけが増える『蛋白細胞解離』を示す。治療での決定的な違いは、GBSには無効な『副腎皮質ステロイド』が、CIDPには非常によく効く(第一選択)ことである。
覚え方・コツ
「CIDPは『ギラン・バレーの慢性・しつこいバージョン』!手足の先から力が入りにくくなり、しびれて、膝の反射(深部腱反射)が消えるのはGBSと同じ。でも、2ヶ月以上ダラダラ悪化したり、治ったと思ったら再発したりするのがCIDP。髄液の『蛋白細胞解離』も同じだけど、CIDPには『ステロイドが効く』のがテストの最重要鑑別ポイント!」
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