最終更新日: 2026年4月17日
アスクレピアで深掘りする正常圧水頭症(iNPH)は、脳脊髄液の圧が正常範囲内であるにもかかわらず脳室が拡大し、歩行障害、認知機能障害、尿失禁の三徴を呈する疾患である。高齢者に多く、シャント手術により症状が改善する「治療可能な認知症」として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、特徴的なMRI所見(DESHサイン)や髄液タップテストが超頻出である。
Medulava の学習コンテンツとして、理解しやすさと試験実用性を意識して執筆しています。
正常圧水頭症(iNPH)は、脳脊髄液の圧が正常範囲内であるにもかかわらず脳室が拡大し、歩行障害、認知機能障害、尿失禁の三徴を呈する疾患である。高齢者に多く、シャント手術により症状が改善する「治療可能な認知症」として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、特徴的なMRI所見(DESHサイン)や髄液タップテストが超頻出である。
歩行障害(初発症状として最も多い。開脚、小刻み、すり足、すくみ足などのパーキンソン症候群様歩行を呈する)
認知機能障害(自発性の低下、無気力、注意障害、記憶障害。アルツハイマーと比べると見当識は保たれやすい)
尿失禁(切迫性尿失禁、頻尿。歩行障害によりトイレに間に合わない要素も加わる)
初期評価
高齢者の「歩行障害」と「認知症」の訴えから疑う。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病との鑑別が重要。
検査
頭部MRIで脳室拡大(Evans index > 0.3)を確認する。冠状断像で「DESHサイン(高位円蓋部・正中大脳裂の狭小化と、シルビウス裂・脳底槽の拡大)」を証明する。診断を確定し手術適応を判断するため、「髄液タップテスト(腰椎穿刺で髄液を約30mL排除し、前後で歩行速度や認知機能の改善を評価する)」を実施する。
鑑別
アルツハイマー型認知症(脳全体の萎縮により、高位円蓋部の脳溝も広く開大する)、パーキンソン病(安静時振戦、L-dopa著効。すり足歩行は似ているため注意)、腰部脊柱管狭窄症と鑑別する。
外科的治療(根本治療)
タップテストで症状の改善が認められた場合(タップテスト陽性)、脳脊髄液を別の体腔へ持続的に流す「シャント術」の適応となる。
腰椎腹腔シャント(LPシャント):腰椎くも膜下腔から腹腔へチューブを通す。頭蓋骨に穴を開けず脳に直接針を刺さないため、近年iNPHに対して第一選択として広く行われている。
脳室腹腔シャント(VPシャント):脳室から腹皮下を通って腹腔へチューブを通す(従来から行われている標準的な手法)。
病態
加齢などにより脳脊髄液の産生と吸収のバランスが崩れ、脳室内に過剰な髄液が貯留して脳室が拡大する(交通性水頭症の一種)。拡大した脳室が周囲の脳実質(特に前頭葉や運動野へ向かう神経線維)を圧迫・牽引することで症状が出現する。
分類
特発性(iNPH:原因不明、高齢者に多い)と、二次性(くも膜下出血や髄膜炎などの後遺症として発症)がある。国家試験では主に特発性が問われる。
試験での重要ポイント
「認知症+小刻みすり足歩行+尿失禁」のエピソードがあれば本疾患を強く疑う(歩行障害が初発であることが多い)。画像問題では、頭部MRI冠状断での「DESH(デッシュ)サイン」が頻出。アルツハイマー型認知症(全体的な脳萎縮により脳溝が全体的に広がる)との鑑別が鍵となる。診断の確定および手術の有効性を予測するため、腰椎穿刺で髄液を30mL程度排除して歩行などの改善を確認する「髄液タップテスト」が必須。治療では、近年負担の少ない「腰椎腹腔(LP)シャント」が第一選択として広く行われている。
覚え方・コツ
「iNPHの3徴は『ほ・にゃ・にゃ(歩行障害・認知障害・尿失禁)』。アルツハイマーと違って頭のてっぺん(高位円蓋部)はピッチピチ(狭小化:DESHサイン)。髄液を抜く(タップテスト)と歩けるようになる治る認知症!」と覚える。
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
重症筋無力症(MG)は、神経筋接合部(NMJ)のニコチン性アセチルコリン受容体(AChR)などが自己抗体により攻撃され、情報の伝達が阻害されることで筋力低下や易疲労性を来す自己免疫疾患である。午後から夕方にかけて症状が悪化する「日内変動」が特徴。CBTや医師国家試験では、眼瞼下垂などの眼症状、胸腺異常(胸腺腫など)の合併、反復刺激試験でのWaning現象、およびクリーゼへの対応が毎年問われる超頻出疾患である。
視神経脊髄炎(NMO)は、中枢神経系(特に視神経と脊髄)のアストロサイトに存在する水チャネル「アクアポリン4(AQP4)」に対する自己抗体が原因で生じる自己免疫疾患である。多発性硬化症(MS)と似るが、視力障害や対麻痺がより重篤であり、再発を繰り返す。CBTや国試では、MSとの鑑別(3椎体以上の脊髄病変、難治性しゃっくり、抗AQP4抗体陽性)と、治療薬の禁忌が超頻出である。
強直性ジストロフィーは、成人発症の筋ジストロフィーの中で最も頻度が高く、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)を示す。筋強直(ミオトニー)と進行性の筋萎縮に加え、白内障、耐糖能異常、心伝導障害、前頭部脱毛など多彩な全身症状を合併する。CBTや医師国家試験では、斧様顔貌やミオトニー現象、およびトリプレットリピート病としての表現促進現象が頻出である。
一過性脳虚血発作(TIA)は、脳血管の一過性の閉塞により局所神経症状が出現するが、24時間以内(多くは数分〜数十分)に完全に消失する病態である。脳梗塞の極めて重要な前兆(警告発作)であり、発症直後(特に48時間以内)の脳梗塞移行リスクが高い。CBTや医師国家試験では、一過性黒内障のエピソード、ABCD2スコアによるリスク評価、および急性期の抗血小板療法が超頻出である。