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正常圧水頭症(iNPH)は、脳脊髄液の圧が正常範囲内であるにもかかわらず脳室が拡大し、歩行障害、認知機能障害、尿失禁の三徴を呈する疾患である。高齢者に多く、シャント手術により症状が改善する「治療可能な認知症」として極めて重要である。CBTや医師国家試験では、特徴的なMRI所見(DESHサイン)や髄液タップテストが超頻出である。
歩行障害(初発症状として最も多い。開脚、小刻み、すり足、すくみ足などのパーキンソン症候群様歩行を呈する)
認知機能障害(自発性の低下、無気力、注意障害、記憶障害。アルツハイマーと比べると見当識は保たれやすい)
尿失禁(切迫性尿失禁、頻尿。歩行障害によりトイレに間に合わない要素も加わる)
初期評価
高齢者の「歩行障害」と「認知症」の訴えから疑う。アルツハイマー型認知症やパーキンソン病との鑑別が重要。
検査
頭部MRIで脳室拡大(Evans index > 0.3)を確認する。冠状断像で「DESHサイン(高位円蓋部・正中大脳裂の狭小化と、シルビウス裂・脳底槽の拡大)」を証明する。診断を確定し手術適応を判断するため、「髄液タップテスト(腰椎穿刺で髄液を約30mL排除し、前後で歩行速度や認知機能の改善を評価する)」を実施する。
鑑別
アルツハイマー型認知症(脳全体の萎縮により、高位円蓋部の脳溝も広く開大する)、パーキンソン病(安静時振戦、L-dopa著効。すり足歩行は似ているため注意)、腰部脊柱管狭窄症と鑑別する。
外科的治療(根本治療)
タップテストで症状の改善が認められた場合(タップテスト陽性)、脳脊髄液を別の体腔へ持続的に流す「シャント術」の適応となる。
腰椎腹腔シャント(LPシャント):腰椎くも膜下腔から腹腔へチューブを通す。頭蓋骨に穴を開けず脳に直接針を刺さないため、近年iNPHに対して第一選択として広く行われている。
脳室腹腔シャント(VPシャント):脳室から腹皮下を通って腹腔へチューブを通す(従来から行われている標準的な手法)。
病態
加齢などにより脳脊髄液の産生と吸収のバランスが崩れ、脳室内に過剰な髄液が貯留して脳室が拡大する(交通性水頭症の一種)。拡大した脳室が周囲の脳実質(特に前頭葉や運動野へ向かう神経線維)を圧迫・牽引することで症状が出現する。
分類
特発性(iNPH:原因不明、高齢者に多い)と、二次性(くも膜下出血や髄膜炎などの後遺症として発症)がある。国家試験では主に特発性が問われる。
試験での重要ポイント
「認知症+小刻みすり足歩行+尿失禁」のエピソードがあれば本疾患を強く疑う(歩行障害が初発であることが多い)。画像問題では、頭部MRI冠状断での「DESH(デッシュ)サイン」が頻出。アルツハイマー型認知症(全体的な脳萎縮により脳溝が全体的に広がる)との鑑別が鍵となる。診断の確定および手術の有効性を予測するため、腰椎穿刺で髄液を30mL程度排除して歩行などの改善を確認する「髄液タップテスト」が必須。治療では、近年負担の少ない「腰椎腹腔(LP)シャント」が第一選択として広く行われている。
覚え方・コツ
「iNPHの3徴は『ほ・にゃ・にゃ(歩行障害・認知障害・尿失禁)』。アルツハイマーと違って頭のてっぺん(高位円蓋部)はピッチピチ(狭小化:DESHサイン)。髄液を抜く(タップテスト)と歩けるようになる治る認知症!」と覚える。
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。