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モルバン症候群は、電位依存性カリウムチャネル(VGKC)複合体に対する自己抗体が関与する稀な自己免疫性脳症。激しい不眠、幻覚、筋肉の持続的なピクつき(ミオキミア)が特徴である。
不眠(Agrypnia excitata:幻覚や興奮を伴う持続的な重症不眠)
ミオキミア、線維束性攣縮
自律神経亢進(著明な多汗、頻脈、血圧変動)
精神症状(幻覚、錯乱)
初期評価
ミオキミアと激しい不眠・多汗から本疾患を疑う。
検査
血液・髄液検査で『抗VGKC複合体抗体(抗CASPR2抗体など)』が陽性となる。胸部CTで胸腺腫などの基礎疾患を検索する。
治療
胸腺腫があれば切除する。自己免疫疾患であるため、ステロイドパルス療法、血漿交換、免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)などの強力な免疫抑制療法が行われる。
病態
VGKC複合体タンパク(特にCASPR2)に対する自己抗体が産生され、中枢神経、末梢神経、自律神経のすべてが過剰興奮状態に陥る。
試験・臨床での重要ポイント
末梢神経の興奮による『ミオキミア(筋肉の波打つようなピクつき)』と、中枢神経の興奮による『著しい不眠(幻覚を伴い数日間一睡もできない状態)』、および『多汗・頻脈(自律神経症状)』の組み合わせが臨床的に極めて特徴的である。胸腺腫に合併(傍腫瘍性症候群)することがある。
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。