最終更新日: 2026年4月24日
Brown-Séquard症候群は、外傷や腫瘍などにより脊髄の半側(右半分または左半分)が障害されることで生じる症候群である。障害側の運動麻痺・深部感覚障害と、対側の温痛覚障害を呈する「解離性感覚障害」が特徴であり、神経内科・整形外科領域で超頻出である。
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障害病巣側の症状:運動麻痺(病変レベル以下で痙性麻痺)、深部感覚障害(位置覚・振動覚の消失)、※病変レベルの分節における全感覚脱失・弛緩性麻痺。
障害病巣の対側(反対側)の症状:温痛覚障害(痛覚と温度覚の消失。通常、病変より1〜2髄節下から障害される)。
※触覚は後索と脊髄視床路の両方を通るため、完全には消失しにくい(軽度低下に留まることが多い)。
初期評価
神経学的診察により「同側の運動・深部感覚障害」と「対側の温痛覚障害」を確認し、障害部位の高位(レベル)と左右を特定する。
検査
脊髄MRI検査(頸椎、胸椎など)を行い、脊髄半側を障害している原因病変(髄外・髄内腫瘍、椎間板ヘルニア、外傷、多発性硬化症の脱髄斑、梗塞など)を直接証明する。
治療方針
ブラウン・セカール症候群そのものに対する特異的治療はなく、『原因疾患を取り除くこと』がすべてである。腫瘍や血腫、ヘルニアなどによる物理的圧迫であれば、緊急の外科的減圧術・腫瘍摘出術を行う。多発性硬化症や視神経脊髄炎などの自己免疫性・炎症性疾患であれば、ステロイドパルス療法を行う。機能回復のためのリハビリテーションを並行する。
病態
脊髄の右側または左側のみが障害される。神経伝導路の「交叉する場所」の違いにより、左右で異なる症状(解離性感覚障害)が出現する。
試験・臨床での重要ポイント
各神経路の走行と交叉部位が問われる絶対暗記項目。
①錐体路(運動神経):延髄(ピラミッド交叉)で交叉した後、脊髄をそのまま下りてくるため、障害部位より下の『同側』に運動麻痺(痙性麻痺)が起こる。
②後索(深部感覚:位置覚・振動覚):脊髄に入ってそのまま同側を上り、延髄で交叉するため、障害部位より下の『同側』の深部感覚が障害される。
③脊髄視床路(温痛覚):脊髄に入ってすぐ(1〜2髄節上)で交叉し、反対側を上っていくため、障害部位より下の『対側(反対側)』の温痛覚(熱い・痛い)が障害される。
覚え方・コツ
「ブラウン・セカールは脊髄の『縦半分切り』!力(運動)と深部感覚(位置・振動)はやられた側(同側)がダメになる。でも『温痛覚(熱い・痛い)』だけは反対側がダメになる!『痛いのは反対』と絶対覚えろ!」
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。