パーキンソン病は、中脳黒質のドパミン神経細胞が変性・脱落し、線条体におけるドパミン不足により多彩な運動症状(4大症状:安静時振戦、筋強剛、無動、姿勢反射障害)をきたす神経変性疾患である。非運動症状(嗅覚障害、便秘、REM睡眠行動異常症)も重要である。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
運動症状(4大症状):安静時振戦(4〜6Hz)、筋強剛(歯車様・鉛管様固縮)、無動・寡動(仮面様顔貌、小声、書字小字症、小刻み・すくみ足歩行)、姿勢反射障害(突進現象、後方へ倒れやすい)。
非運動症状:自律神経障害(便秘、起立性低血圧、頻尿、発汗異常)、嗅覚障害、睡眠障害(REM睡眠行動異常症:RBD)、精神症状(うつ、幻視)、認知機能低下(進行例)。
初期評価
片側性の安静時振戦や、動作緩慢、歩行障害の病歴から疑う。
検査
①脳MRI:明らかな萎縮や特異的所見はなく、他の疾患(進行性核上性麻痺や多系統萎縮症、脳血管障害など)を除外するために用いる。
②MIBG心筋シンチグラフィ:心臓交感神経の脱神経を反映し、『取り込み低下(H/M比低下)』を示す(Lewy小体病に特異度が高い)。
③DATスキャン(ドパミントランスポーターSPECT):線条体での『ドパミン取り込み低下』を確認する。
④L-dopa試験:L-dopaを投与して運動症状が改善すれば診断を裏付ける。
治療方針
不足したドパミンを補う『薬物療法』が基本となるが、病気の進行そのものを止める根治的治療ではない。
①薬物療法:『L-dopa(レボドパ)』が最も強力で第一選択となることが多い。他に『ドパミンアゴニスト』、MAO-B阻害薬、COMT阻害薬などを組み合わせる。長期投与により、薬の効き目が切れる『ウェアリング・オフ現象』や、勝手に体が動いてしまう『ジスキネジア』といった運動合併症が生じることが大きな課題となる。
②デバイス補助療法・外科治療:薬物療法でのコントロールが困難な進行期には、『脳深部刺激療法(DBS)』や『L-dopa持続経腸療法(LCIG)』が検討される。
病態
中脳黒質緻密部のドパミン産生ニューロン内にα-シヌクレインという異常タンパク質が凝集し(Lewy小体)、神経細胞が死滅する。これにより大脳基底核(線条体)へのドパミン供給が減少し、円滑な運動の制御ができなくなる。
試験・臨床での重要ポイント
『4大運動症状』が国試・CBTの超定番である。①安静時振戦(丸薬丸め様、片側から発症しやすい)、②筋強剛(固縮:他動的に関節を動かすと歯車様にガクガクする)、③無動・寡動(仮面様顔貌、小刻み歩行、すくみ足)、④姿勢反射障害(突進現象、方向転換時の不安定さ)。また、運動症状が現れる数年前から『嗅覚障害、便秘、REM睡眠行動異常症(RBD)、うつ』などの非運動症状が先行することが多く、これらも頻出である。
覚え方・コツ
「パーキンソンは『ドパミン不足で体が動かない(ブレーキがかかりっぱなし)』病気!症状は『片側』から始まることが多い。安静にしていると手が震え(丸薬丸め)、関節はガクガク(歯車様固縮)、顔は無表情(仮面様顔貌)でチョコチョコ歩く(小刻み歩行)。心臓の交感神経もやられるから『MIBG心筋シンチで取り込み低下』になるのが決定打!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
ウェルニッケ脳症は、ビタミンB1(チアミン)の欠乏により発症する急性の脳症。眼球運動障害、運動失調、意識障害の三徴が特徴であり、アルコール依存症や低栄養患者に好発する。不可逆的なコルサコフ症候群への移行を防ぐため、糖液投与前のビタミンB1補充が絶対原則である。
MLF症候群(内側縦束症候群)は、脳幹の内側縦束(MLF)の障害により、側方注視時に患側の眼球が内転できず、健側の外転眼に解離性眼振が生じる眼球運動障害である。輻輳(寄り目)は保たれるのが特徴である。
多発性硬化症は、中枢神経系(脳、脊髄、視神経)の白質に多発性の脱髄斑が生じる自己免疫疾患である。「空間的・時間的多発(様々な部位の症状が再発と寛解を繰り返す)」を特徴とし、ウートフ徴候や髄液のオリゴクローナルバンド陽性が国試で頻出である。
脳ヘルニアは、頭蓋内圧亢進により、脳組織が本来の区画から別の区画へ押し出される致死的な病態である。テント切痕ヘルニア(鉤ヘルニアなど)や大後頭孔ヘルニア(小脳扁桃ヘルニア)が代表的で、瞳孔異常や呼吸停止をきたす。