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ナルコレプシーは、オレキシン(ヒポクレチン)の欠乏により、日中の耐えがたい睡眠過多と、REM睡眠の異常(情動脱力発作など)をきたす過眠症である。CBTや国試では、情動脱力発作(カタプレキシー)、睡眠麻痺、入眠時幻覚の四徴や、反復睡眠潜時検査(MSLT)、中枢神経刺激薬による治療が頻出の重要疾患である。
日中の過度の眠気(睡眠発作:場所や状況によらず、突然抗いがたい眠気に襲われ数十分眠り込んでしまう。目覚めは比較的すっきりしている)
情動脱力発作(カタプレキシー:大笑い、怒りなどの強い感情を契機に、意識は保たれたまま抗重力筋の緊張が突然消失し、膝カックンや転倒をきたす。数秒〜数分で回復する)
睡眠麻痺(金縛り。起床時や入眠時に体が動かせなくなる)
入眠時幻覚(寝入りばなの鮮明で恐ろしい幻覚)
※情動脱力発作、睡眠麻痺、入眠時幻覚は、REM睡眠が覚醒時に直接侵入することによって生じる。
初期評価
Epworth眠気尺度(ESS)などで日中の過度の眠気を評価し、カタプレキシーの有無を問診する。
検査
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの他の睡眠障害を除外した後、翌日に『反復睡眠潜時検査(MSLT)』を行う。MSLTで「平均睡眠潜時が8分以下」かつ「入眠時REM睡眠期(SOREMPs:入眠後15分以内のREM睡眠)が2回以上」であれば確定診断となる。髄液中のオレキシン濃度測定(著明な低値)も確定診断に有用である。
鑑別
特発性過眠症(日中の眠気が持続的で目覚めが悪い、カタプレキシーなし)、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、うつ病。
治療
薬物療法と生活指導(規則正しい睡眠、計画的な昼寝)を併用する。
①日中の眠気(睡眠発作)に対して:中枢神経刺激薬(モダフィニル、メチルフェニデートなど)を投与して覚醒を促す。
②情動脱力発作(カタプレキシー)に対して:REM睡眠を抑制する作用を持つ三環系抗うつ薬(クロミプラミンなど)やSNRI、SSRIなどを投与する。
病態
視床下部外側野のオレキシン産生ニューロンが自己免疫的機序等により脱落し、覚醒の維持とREM睡眠の抑制ができなくなる状態。白血球の血液型であるHLA-DQB1*06:02と極めて強く相関する。
試験での重要ポイント
「日中の耐えがたい眠気(睡眠発作)」に加え、「笑ったり驚いたりした時に突然全身の力が抜ける『情動脱力発作(カタプレキシー)』」が特徴的。さらに、金縛りである『睡眠麻痺』や、寝入りばなに怖い夢・幻覚を見る『入眠時幻覚』を合わせた「ナルコレプシーの四徴」が超頻出。診断には反復睡眠潜時検査(MSLT)が行われ、入眠潜時の短縮と早期のREM睡眠出現(SOREMPs)を確認する。
覚え方・コツ
「ナルコレプシーはオレキシン不足で起きる睡眠のバグ!急に眠る(睡眠発作)、大笑いすると膝から崩れ落ちる(情動脱力発作)、金縛り(睡眠麻痺)、寝入りばなの怖い夢(入眠時幻覚)の4点セット。診断はMSLT。治療は眠気覚ましの薬(モダフィニル)と、脱力発作を抑える抗うつ薬!」
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