てんかんは、大脳のニューロンが過剰に興奮する(てんかん性放電)ことで、反復性の発作をきたす慢性脳疾患。脳の「一部(局所)」から始まる【焦点性発作】と、最初から脳の「全体」が興奮する【全般性発作】に大別され、発作型によって抗てんかん薬を使い分ける。
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焦点性発作:片側の顔や手足のけいれん・しびれ。意識が曇り(複雑部分発作)、口をモグモグしたり服をまさぐったりする(自動症)。
全般性発作:突然の意識消失と全身のけいれん(強直間代発作)、動作の瞬間的な停止(欠神発作)、手足が一瞬ピクッとする(ミオクロニー)。
発作後のもうろう状態、睡眠。
『脳波検査(必須)』:てんかん性異常波(棘波、鋭波、棘徐波複合など)の証明。※発作間欠期でも異常波を捉えるための賦活法(過呼吸、光刺激、睡眠)を行う。
頭部MRI:てんかんの原因となる器質的病変(海馬硬化症、脳腫瘍、皮質形成異常、陳旧性脳梗塞など)の検索。
病歴聴取:目撃者からの発作時の詳細な状況(スマホ動画などが有用)。
薬物療法(原則単剤から開始):
焦点性発作:『カルバマゼピン』、レベチラセタム、ラモトリギンなど。
全般性発作:『バルプロ酸』。
欠神発作:バルプロ酸、『エトスクシミド』。
てんかん重積状態:第一選択は『ジアゼパム』等のベンゾジアゼピン系静注。続いてホスフェニトインやレベチラセタム静注。
外科的治療:薬物難治例(海馬硬化を伴う側頭葉てんかん等)に対し、焦点切除術(前側頭葉切除術など)を行う。
病態と分類
①焦点性発作(部分発作):側頭葉てんかん等が代表。意識が保たれるものと、意識が曇る(意識減損)ものがある。口をモグモグさせるなどの「自動症」を伴うことが多い。
②全般性発作:脳全体がスパークする。全身を硬直させガクガク震える「強直間代発作」、子供が数秒間フリーズする「欠神発作」、ピクッと筋肉が収縮する「ミオクロニー発作」などがある。
試験・臨床での重要ポイント
『薬の使い分け』が国試の最重要テーマ。
【焦点性発作】の第一選択は『カルバマゼピン』。近年はレベチラセタムやラモトリギンも多用される。
【全般性発作】の第一選択は『バルプロ酸』。
※ただし、小児の「欠神発作(脳波で3Hz棘徐波)」には、バルプロ酸か『エトスクシミド』。
※重積発作(けいれんが5分以上止まらない救急事態)には、まず『ジアゼパム』またはミダゾラムの静注・筋注。
覚え方・コツ
「てんかんの薬は『部分(焦点)にはカルバマゼピン、全部(全般)にはバルプロ酸』の原則!口をモグモグしながら意識が遠のくのは側頭葉の『焦点性』。子供が会話中に数秒間だけ『ボ〜ッとフリーズする』のは欠神発作(全般性)で脳波の『3Hz棘徐波』が有名。けいれんが止まらない超緊急時(てんかん重積)は『ジアゼパム』で強制シャットダウンしろ!」
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脳炎は、ウイルスなどが直接脳実質に感染して急性の炎症を引き起こす疾患。日本脳炎など様々あるが、日常診療と国試で圧倒的に重要なのが「単純ヘルペスウイルス(HSV)脳炎」である。側頭葉や前頭葉下部を好んで破壊し、致死率も高い。
脳膿瘍は、脳実質内に細菌が感染・増殖し、被膜に覆われた膿の塊(膿瘍)を形成する疾患。副鼻腔炎や中耳炎などからの直接波及や、先天性心疾患(右左シャント)による血行性感染が原因となり、頭蓋内圧亢進症状をきたす。
von Hippel-Lindau病(VHL病)は、第3染色体にあるVHLがん抑制遺伝子の変異により、全身の多臓器に血管芽腫や多発性囊胞、悪性腫瘍を合併する常染色体顕性(優性)遺伝疾患。中枢神経・網膜の血管芽腫、腎細胞癌、褐色細胞腫が三大病変として重要である。
脳動静脈奇形(AVM)は、脳の動脈と静脈が正常な毛細血管網を介さずに、ナイダス(nidus)と呼ばれる異常な血管の塊を介して直接つながっている先天性の血管奇形である。若年者の脳出血や、てんかん発作の重要な原因となる。