小児科に関連する疾患を160件掲載。概要・科目・更新日を確認しながら、国家試験・臨床実習・復習に使える疾患知識を効率よく整理できます。
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
胎児発育不全(FGR)は、超音波による胎児推定体重が基準値(-1.5 SD以下)を下回り、胎児が正常に発育していない状態。原因により、頭も体も小さい「均衡型」と、体だけが痩せ細る「不均衡型」に大別され、管理方針が異なる。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
急性喉頭蓋炎は、気管の入り口のフタである「喉頭蓋」に細菌感染が生じ、急速に腫脹することで気道閉塞をきたす耳鼻咽喉科・小児科領域の致死的救急疾患。気道確保が何よりも優先される。
急性リンパ性白血病は、リンパ球系の造血幹細胞が分化能を失い、未熟な白血病細胞(リンパ芽球)として骨髄中で自律増殖する血液腫瘍。小児がんで最も頻度が高く、小児では化学療法により高い治癒率を誇るが、成人では予後不良な染色体異常を伴うことが多い。
鎌状赤血球症は、ヘモグロビンの遺伝子変異により、低酸素状態などで赤血球が「鎌状(三日月型)」に変形する遺伝性溶血性貧血。変形した赤血球が微小血管に詰まることで、強烈な疼痛発作や多臓器障害を引き起こす。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
ファイファー症候群は、FGFR1またはFGFR2遺伝子の変異により生じる頭蓋骨縫合早期癒合症(症候群性)。頭蓋骨の変形(尖頭やクローバー葉頭蓋)に加え、特徴的な「幅広で外側に曲がった親指および足の親指」を伴う。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。
ヌーナン症候群は、RAS/MAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異により生じる常染色体優性遺伝疾患。「ターナー症候群に似た外見(翼状頸、低身長)」を呈するが、染色体は正常であり、男女ともに発症する。肺動脈弁狭窄症などの右心系奇形を合併しやすい。
CHARGE症候群は、CHD7遺伝子変異によって生じる多発奇形症候群。特徴的な6つの主要症状(C, H, A, R, G, E)の頭文字をとって名付けられており、特に「後鼻孔閉鎖」と「虹彩欠損」の組み合わせが特徴的である。
チェディアック・東症候群は、LYST遺伝子変異により細胞内の小胞輸送が障害される原発性免疫不全症。部分白皮症(銀髪、色白)、好中球内の巨大顆粒、易感染性を三徴とし、進行すると血球貪食症候群(加速期)に移行して致死的となる。
ターナー症候群は、女性の性染色体(XX)のうち1本が完全にまたは部分的に欠失している(45,Xなど)染色体異常。低身長、原発性無月経、翼状頸を特徴とし、知能は通常正常である。大動脈縮窄症を高率に合併する。
ソトス症候群は、NSD1遺伝子の変異等を原因とする過成長症候群。乳幼児期からの大頭、高身長、特異的顔貌、および知的障害を特徴とする。骨年齢の促進がみられる。
ウィリアムズ症候群は、7番染色体長腕(7q11.23)の微小欠失により生じる疾患。「エルフ(妖精)様顔貌」と「非常に社交的で多弁な性格(カクテルパーティー症候群)」が特徴的で、大動脈弁上狭窄や高カルシウム血症を合併する。
アンジェルマン症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「母親由来」の発現異常による疾患。プラダー・ウィリー症候群と対をなすインプリンティング疾患であり、重度の知的障害、てんかん、および「理由のない笑顔や笑い声」を特徴とする。
アッシャー症候群は、「感音難聴」と目の「網膜色素変性症」を合併する常染色体潜性(劣性)遺伝疾患。視覚と聴覚の両方が徐々に失われる「盲ろう(盲聾)」の最大の原因疾患であり、早期からのコミュニケーション支援が不可欠である。
特定の食物を摂取した後、食物アレルゲン特異的IgE抗体を介して即時型(Type I)アレルギー反応を引き起こす疾患。乳児期に発症する鶏卵、牛乳、小麦アレルギーが代表的であり、成長に伴い耐性を獲得(自然寛解)しやすい。
臍ヘルニアは、へその輪(臍輪)が閉鎖不全や脆弱化により、腹腔内内容物が突出した状態である。小児の先天性と大人の後天性があり、大人では肝硬変による腹水や肥満が原因となることが多い。
羊水は主に「胎児の尿」で作られ、「胎児が嚥下(飲み込む)して消化管から吸収する」ことで一定の量が保たれている。このサイクルの破綻により、羊水インデックス(AFI)が24cm以上を「羊水過多」、5cm以下を「羊水過少」と定義する。
肺動脈弁狭窄症は、右心室から肺動脈へ血液を送り出す肺動脈弁が先天的に狭くなっている疾患。右心室に圧負荷がかかり右室肥大をきたす。第2肋間胸骨左縁の「粗い収縮期駆出性雑音」が特徴で、カテーテルによるバルーン拡大術が著効する。
多指症(たししょう)は、手や足の指の数が正常(5本)よりも多い先天性の形態異常。生まれつきの四肢異常の中で最も頻度が高い。単独で発生することもあれば、他の遺伝性疾患(パトー症候群など)の部分症として現れることもある。
若年性特発性関節炎は、16歳未満で発症し、6週間以上持続する原因不明の慢性関節炎の総称。大きく「全身型(Still病)」「多関節型」「少関節型」に分類され、それぞれ特徴的な症状と合併症を持つ。
遺伝性球状赤血球症は、赤血球の膜タンパク質(スペクトリンやアンキリンなど)の異常により、赤血球が球状になり、脾臓で過剰に破壊される(血管外溶血)先天性溶血性貧血である。日本人で最も多い遺伝性溶血性貧血である。
マルファン症候群は、結合組織の主成分であるフィブリリン1の異常により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。高身長やクモ状指などの骨格異常、大動脈解離などの重篤な心血管病変、および水晶体の上方脱臼を三徴とする。
ベックウィズ・ヴィーデマン症候群は、11番染色体短腕(11p15)のインプリンティング異常により、身体の過成長(巨大発育)をきたす症候群。巨大舌、臍帯ヘルニア、およびWilms腫瘍や肝芽腫などの「胎児性腫瘍の発生リスクが高い」ことが最大の特徴である。
パトー症候群は、13番染色体が3本存在する染色体異常症。顔面および中枢神経系の「正中部」の重篤な形成異常(口唇口蓋裂、単眼症、全前脳胞症など)を特徴とし、生後1年以内に死亡することが多い致死的疾患である。
てんかんは、大脳のニューロンが過剰に興奮する(てんかん性放電)ことで、反復性の発作をきたす慢性脳疾患。脳の「一部(局所)」から始まる【焦点性発作】と、最初から脳の「全体」が興奮する【全般性発作】に大別され、発作型によって抗てんかん薬を使い分ける。
ダウン症候群は、21番染色体が3本(トリソミー)存在することで生じる最も頻度の高い染色体異常症。特異的顔貌、精神発達遅滞、および先天性心疾患や消化管奇形などの多彩な合併症を特徴とする。
コルネリア・デ・ランゲ症候群は、コヒーシン複合体に関連する遺伝子(NIPBLなど)の変異によって生じる多発奇形症候群。濃く繋がった眉毛や長い睫毛などの「極めて特徴的な顔貌」と、上肢の形成異常、重度の成長障害・知的障害を呈する。
エドワーズ症候群は、18番染色体が3本存在する重篤な染色体異常症。出生頻度は21トリソミーに次いで多いが、特有の指の拘縮(手指の重なり)や先天性心疾患を伴い、生命予後が極めて不良である。
アイカルディ症候群は、「脳梁欠損」「網脈絡膜ラクナ(眼底の虫食い状病変)」「点頭てんかん(乳児スパスム)」の三徴を特徴とする重篤な先天性神経疾患。X連鎖優性遺伝形式をとり、男児は原則として胎生期に致死となるため、患者はほぼ全て女児である。
TORCH症候群は、母体が妊娠中に感染することで胎盤を介して胎児に感染し、先天奇形や重篤な障害を引き起こす病原体の頭文字をとった総称。トキソプラズマ(T)、その他(O)、風疹(R)、サイトメガロウイルス(C)、単純ヘルペス(H)を指す。
Fanconi症候群は、腎臓の「近位尿細管」の機能が全体的に障害され、ブドウ糖、アミノ酸、尿酸、リン、重炭酸イオンなど、本来再吸収されるべき物質がすべて尿中に漏れ出てしまう症候群である。
5p欠失症候群は、5番染色体短腕(5p)の部分欠失による疾患。乳児期に喉頭の形成不全から「猫のような甲高い泣き声(cri du chat)」を呈し、丸顔(満月様顔貌)と小頭症、知的障害を伴う。
4p欠失症候群(ウォルフ・ヒルシュホーン症候群)は、4番染色体短腕(4p16.3)の欠失により生じる疾患。ギリシャ戦士の兜(Greek warrior helmet)様と表現される特異的顔貌、重度の成長障害、難治性てんかんを特徴とする。
22q11.2欠失症候群は、22番染色体長腕の微小欠失により、第3・第4咽頭嚢の発生異常をきたす疾患。DiGeorge(ディジョージ)症候群とも呼ばれ、胸腺欠損(免疫不全)、副甲状腺欠損(低カルシウム血症)、円錐動脈幹の心奇形(ファロー四徴症など)を特徴とする。
1p36欠失症候群は、1番染色体短腕の末端部(1p36領域)の微小欠失により生じる疾患。染色体末端欠失症候群の中で最も頻度が高く、特異的顔貌、重度の知的障害、てんかん、先天性心疾患などを伴う。
心房中隔欠損症は、右心房と左心房を隔てる中隔に欠損孔(穴)が開いている先天性心疾患。圧の高い左房から右房へ血液が流れる「左右シャント」により右心負荷をきたす。小児期は無症状で、学校検診の心雑音や心電図異常(不完全右脚ブロック)で発見されることが多い。
メッケル憩室は、胚生期の卵黄管が退化せずに残存した真性憩室(全層性)であり、回盲部から約数10cm(約2フィート)口側の回腸に存在する。異位性胃粘膜を伴う場合、無痛性の下血(血便)の原因となり、小児の下血症例では重要疾患である。
Eisenmenger症候群は、左右シャントを伴う先天性心疾患(VSD、ASD、PDAなど)を放置した結果、長期間の肺血流量増加により肺血管抵抗が著明に上昇し(不可逆的な肺高血圧症)、シャントの血流が「右から左(右左シャント)」へ逆転した重篤な状態。根治手術(欠損孔閉鎖)は禁忌となる。
Ebstein病は、先天的に三尖弁(右房と右室の間の弁)が右心室側に深く落ち込んで付着し、右心房が著明に拡大する稀な先天性心疾患である。三尖弁閉鎖不全症(TR)や右心不全をきたし、WPW症候群を高率に合併する。
脳性麻痺は、受胎から新生児期(生後4週以内)までの間に生じた非進行性の脳の病変に基づく、永続的な運動および姿勢の異常である。原因疾患と麻痺の型の組み合わせ(早産のPVLによる痙直型など)が頻出である。
もやもや病は、内頸動脈の終末部が進行性に狭窄・閉塞し、それを代償するために脳底辺部に細い異常血管網(もやもや血管)が形成される原因不明の疾患である。小児期には過呼吸を契機とする脳虚血発作、成人期にはもやもや血管の破綻による脳出血で発症する。
嚢胞性線維症(CF)は、CFTR遺伝子の異常により全身の外分泌腺の分泌液が異常に粘稠となる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。白人に多く日本人には極めて稀。気道感染の反復による呼吸不全と、膵外分泌不全による消化・吸収不良が二大症状となる。
胎便イレウスは、新生児期に通常より粘稠度(ネバネバ)の高い胎便が回腸末端部に詰まることで生じる腸閉塞である。欧米では「嚢胞性線維症(CF)」の初発症状として有名であるが、日本人では稀である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。
急性扁桃炎は、口蓋扁桃にウイルスや細菌が感染し、発赤・腫脹や白苔(膿栓)を伴う急性炎症である。激しい咽頭痛と高熱をきたす。A群β溶血性連鎖球菌(溶連菌)が原因の場合は、合併症予防のためペニシリン系抗菌薬の投与が必要となる。
急性細気管支炎は、2歳未満の乳幼児に好発する下気道感染症であり、RSウイルス感染が主な原因である。細気管支の炎症による狭窄から、喘息様の呼気性喘鳴(ヒューヒュー、ゼーゼー)と多呼吸、陥没呼吸などの強い呼吸困難をきたす。
ALPSは、リンパ球のアポトーシス(細胞死)障害により、慢性的な非悪性リンパ増殖(リンパ節腫脹、肝脾腫)と自己免疫疾患(主に血球減少症)をきたす稀な遺伝性免疫疾患である。ダブルネガティブT細胞(DNT)の増加が特徴的。
自己炎症性症候群は、自己抗体などを伴わず、インフラマソームなどの「自然免疫系」の遺伝子変異により過剰な炎症が周期的に繰り返される疾患群である。代表的な家族性地中海熱(FMF)のほか、長期間の発熱と重症ざ瘡様皮疹をきたすPAANDなどが近年注目されている。
NCLは、ライソゾーム酵素などの欠損により、自家蛍光を持つ脂質色素(セロイドリポフスチン)が神経細胞内に蓄積するライソゾーム病の一群である。進行性ミオクローヌスてんかん(PME)や視力障害、急速な知的退行を呈し、電顕での「指紋状構造」が特徴。
HLHは、マクロファージやT細胞が異常活性化してサイトカインストームを引き起こし、自己の血球を貪食してしまう致死的な過剰免疫症候群である。高熱、肝脾腫、血球減少、著明な高フェリチン血症が特徴。
ラズムッセン脳炎は、主に小児期に発症し、一側の大脳半球に進行性の炎症・萎縮をきたす原因不明の疾患である。難治性の部分てんかん(特に持続性部分てんかん:EPC)と、対側の進行性片麻痺、認知機能障害を特徴とし、最終手段として大脳半球離断術が行われる。
マッカードル病は、筋肉特異的なグリコーゲンホスホリルアーゼ(筋ホスホリルアーゼ)の欠損により、運動のエネルギー源であるグリコーゲンを分解できなくなる疾患である。強度の運動時の筋痛、痙攣、およびミオグロビン尿(褐色尿)を特徴とする。
ポンペ病は、ライソゾーム内の酸性α-グルコシダーゼ(GAA)の欠損により、全身の細胞(特に心筋・骨格筋)のライソゾーム内にグリコーゲンが蓄積する疾患である。乳児型では著明な心肥大と筋緊張低下(フロッピーインファント)を呈し、致死的となる。
フリードライヒ運動失調症は、フラタキシン(FXN)遺伝子の異常(GAAリピート異常伸長)により生じる常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の脊髄小脳変性症である。運動失調に加えて、深部感覚障害、肥大型心筋症、糖尿病、凹足(pes cavus)などの非神経症状を合併するのが特徴である。
ハース病は、肝ホスホリルアーゼの欠損により肝臓のグリコーゲン分解が阻害される疾患である。I型(フォン・ギルケ病)の軽症版のような臨床像を呈し、小児期の肝腫大と軽度の低血糖を主徴とするが、成人期には症状が消失することが多い予後良好な疾患である。
サンドホフ病は、ヘキソサミニダーゼAおよびBの両酵素が欠損することで、脳や内臓にGM2ガングリオシドなどが蓄積するライソゾーム病である。テイ・サックス病と症状が酷似する(チェリーレッドスポット、驚愕反応など)が、本疾患は肝脾腫を伴う点が鑑別の鍵となる。
グルタル酸血症Ⅰ型は、リジンやトリプトファンの代謝酵素の欠損により、神経毒性を持つグルタル酸が蓄積する有機酸代謝異常症である。乳児期の急性脳症(クリーゼ)による大脳基底核の不可逆的損傷と、大頭症、硬膜下血腫の合併が特徴である。
クラッベ病は、ガラクトセレブロシダーゼの欠損により有毒なサイコシンが蓄積し、中枢および末梢神経の広範な脱髄をきたすライソゾーム病(常染色体潜性遺伝)。極度の過敏性、筋緊張亢進、末梢神経障害を特徴とし、脳内にグロボイド細胞が出現する。
ALDは、極長鎖脂肪酸(VLCFA)のトランスポーター異常により、大脳白質や副腎皮質にVLCFAが蓄積するX連鎖遺伝の代謝異常症。小児大脳型では学童期に急激な知的退行と視力・聴力障害をきたし、副腎不全(色素沈着など)を合併する。
MERRF(Myoclonus Epilepsy associated with Ragged-Red Fibers)は、ミトコンドリアDNAの変異により生じるミトコンドリア脳筋症の一型である。「進行性ミオクローヌスてんかん(PME)」の代表疾患であり、ミトコンドリア病特有の母系遺伝、筋生検での赤色ぼろ線維(RRF)が特徴。
コーリ病は、グリコーゲン脱枝酵素の欠損により、異常な構造のグリコーゲン(リミットデキストリン)が肝臓や筋肉に蓄積する疾患である。I型(フォン・ギルケ病)に似た肝腫大や低血糖を呈するが、より軽症であり、筋症状(筋力低下)を伴うのが特徴である。
アンデルセン病は、グリコーゲン枝作り酵素の欠損により、枝分かれの極めて少ない異常なグリコーゲンが肝臓等に蓄積する疾患である。この異常グリコーゲンが異物として認識され、若年期から進行性の肝硬変・肝不全をきたす予後不良の病型である。
NBIA(脳内鉄沈着を伴う神経変性症:Neurodegeneration with brain iron accumulation)は、大脳基底核(特に淡蒼球や黒質)への異常な鉄沈着を特徴とする遺伝性神経疾患の総称である。代表疾患であるPKAN(パントテン酸キナーゼ関連神経変性症)は、MRIでの「Eye of the tiger sign」が特徴的である。
メチルマロン酸血症は、分岐鎖アミノ酸(バリン、イソロイシンなど)の代謝酵素や補酵素(ビタミンB12)の異常により、体内にメチルマロン酸が蓄積する有機酸代謝異常症である。新生児期から重篤なケトアシドーシスと高アンモニア血症をきたす。
OTC欠損症は、尿素サイクル異常症の中で最も頻度が高く、唯一のX連鎖遺伝(X染色体連鎖潜性遺伝)をとる疾患である。アンモニアを代謝できずに高アンモニア血症をきたし、重篤な脳症を引き起こす。尿中へのオロト酸排泄増加が特徴である。
オプソクローヌス・ミオクローヌス症候群(OMS)は、眼球が不規則に乱舞する「オプソクローヌス」と、四肢・体幹の「ミオクローヌス」を主徴とする稀な神経疾患である。小児では神経芽腫(Neuroblastoma)に合併する傍腫瘍性神経症候群として超重要であり、早期の腫瘍検索が必須となる。
イソ吉草酸血症は、分岐鎖アミノ酸のうち「ロイシン」単独の代謝異常により、イソ吉草酸が体内に蓄積する有機酸代謝異常症である。尿や汗からの「足の裏の臭い(またはムレた靴下、チーズのような臭い)」が特徴的である。
アレキサンダー病は、GFAP遺伝子の変異によりアストロサイトに異常タンパク質(ローゼンタール線維)が蓄積する稀な白質形成不全症(大脳白質変性症)である。乳幼児期発症型では巨頭症、けいれん、精神運動発達遅滞を呈し、前頭葉優位の白質病変が特徴的である。
Zellweger症候群は、細胞小器官であるペルオキシソームが全く形成されないことによる致死的な常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)疾患である。特異顔貌、重度の筋緊張低下、肝腫大、点状軟骨異形成を特徴とする最重症のペルオキシソーム病である。
PFAPA症候群は、5歳未満の乳幼児期に発症し、規則正しい周期的な発熱、アフタ性口内炎、咽頭炎、頸部リンパ節炎を繰り返す自己炎症性疾患である。成長とともに自然寛解することが多く、発作時のステロイド頓服が劇的に効くのが特徴。
低フォスファターゼ症は、ALPL遺伝子の変異により組織非特異的アルカリフォスファターゼ(TNSALP)の活性が低下し、骨や歯の石灰化障害をきたす先天性代謝異常症である。血液検査での「ALP低値」と、乳歯の早期脱落が特徴的である。
高IgE症候群(Job症候群)は、STAT3遺伝子などの変異によりTh17細胞が分化不全に陥り、重度のアトピー様湿疹、反復するブドウ球菌感染(冷膿瘍)、著明な高IgE血症を三徴とする原発性免疫不全症である。
麻疹は、麻疹ウイルスの空気感染によって発症する極めて感染力の強い全身性感染症である。カタル期、発疹期、回復期と経過し、CBTや国試では、カタル期のコプリク斑、二峰性発熱、空気感染(陰圧室隔離)、および数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)への注意が超頻出である。
どちらも小児の代表的な下肢の整形外科疾患である。股関節形成不全(旧 先天性股関節脱臼:DDH)は女児に多く、開排制限やクリックサイン、リーメンビューゲル装具による治療が重要。先天性内反足は男児に多く、生後早期からのギプス矯正とアキレス腱切腱術が頻出である。
外鼠径ヘルニアは、腸管が腹壁下動脈の「外側」にある内鼠径輪(深鼠径輪)から鼠径管を通って外鼠径輪(浅鼠径輪)へ脱出するヘルニア。小児のヘルニアはほぼ全例がこれであり、成人でも鼠径ヘルニアの中で最も頻度が高い。
ニーマン・ピック病は、スフィンゴミエリン等の脂質が全身の網内系細胞に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。CBTや国試では、著明な「肝脾腫」と「チェリーレッドスポット」の合併、および骨髄での「ニーマン・ピック細胞(泡沫細胞)」が超頻出である。
Tay-Sachs病は、リソソーム酵素であるヘキソサミニダーゼAの欠損により、脳の神経細胞にGM2ガングリオシドが蓄積する常染色体潜性遺伝疾患(スフィンゴリピドーシス)である。CBTや国試では、眼底の「チェリーレッドスポット」と「肝脾腫を伴わない」点がニーマン・ピック病との鑑別として超頻出である。
伝染性紅斑(リンゴ病)は、ヒトパルボウイルスB19の感染により、両頬のリンゴ様の紅斑と四肢のレース状紅斑を呈する小児の感染症である。CBTや国試では、皮疹出現時にはすでに感染力がない点や、妊婦感染時の胎児水腫、溶血性貧血患者における無形成発作の誘発が超頻出である。
風疹は、風疹ウイルスの飛沫感染によって発症する急性のウイルス性発疹症である。発熱、発疹、リンパ節腫脹を三主徴とする。CBTや国試では、妊婦が初期に感染することで胎児に難聴・白内障・先天性心疾患を引き起こす「先天性風疹症候群(CRS)」と、それを防ぐためのMRワクチン(生ワクチンであり妊婦禁忌)が超頻出である。
大理石骨病は、破骨細胞の機能不全により古い骨が吸収されず、骨密度が異常に高くなる遺伝性疾患である。骨は硬く(X線で白く)見えるが、内部の構造が破綻しているため非常に脆く骨折しやすい。造血障害や脳神経圧迫が問題となる。
乳児期から左右交互に片麻痺発作を繰り返す希少な神経疾患。かつては原因不明とされたが、現在はATP1A3遺伝子の変異が主な原因であることが判明している。
異食症(ピカ)は、土、紙、髪の毛、氷など、栄養価のない非食料物質を1ヶ月以上強迫的に食べ続ける摂食障害の一つである。小児や妊婦、鉄欠乏性貧血の患者に多くみられる。
シスチン症は、リソソーム膜のシスチントランスポーター(シスチノシン)の欠損により、全身の細胞(特に腎臓や眼)のリソソーム内にシスチン結晶が蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。小児期のファンコニ症候群(近位尿細管機能障害)の代表的原因である。
CLOVES症候群は、PIK3CA遺伝子の体細胞変異によって引き起こされる過成長症候群(PROS)の一つである。脂肪組織の過形成、血管奇形、表皮母斑、骨格異常を特徴とする複雑な先天性疾患である。
カナバン病は、脳の白質がスポンジ状に変性する希少な遺伝性疾患(白質ジストロフィー)である。乳児期からの頭囲拡大や頭部定頸(首すわり)の遅延を特徴とする。
アデノイド顔貌は、小児期のアデノイド(咽頭扁桃)の病的肥大により鼻呼吸が障害され、長期間の慢性的な「口呼吸」を余儀なくされた結果生じる、特異な顔面・顎顔面の骨格・軟部組織の発育異常である。
アルカプトン尿症は、ホモゲンチジン酸酸化酵素の欠損により、チロシン・フェニルアラニンの代謝産物であるホモゲンチジン酸が体内に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。尿の黒変と、加齢に伴う軟骨の黒変(組織黒変症:オクロノーシス)や関節炎が特徴である。
Reye症候群は、小児のウイルス感染症(インフルエンザや水痘など)の罹患中に、解熱剤としてアスピリンを投与されたことを契機に発症する、急性脳症と肝臓の微小脂肪滴沈着(脂肪変性)を特徴とする致死的疾患である。
ロイス・ディーツ症候群は、TGF-β受容体などの遺伝子変異による結合組織疾患である。マルファン症候群に似た骨格症状を呈するが、動脈瘤がより広範囲に多発し、若年・より小さな径で破裂しやすいという極めて重篤な血管病変を特徴とする。
メナケス病(メンケス病)は、腸管からの銅吸収障害により全身の銅欠乏をきたすX連鎖潜性遺伝疾患である。中枢神経の退行変性、特異な縮れ毛(kinky hair)、および結合組織の異常(血管蛇行など)を特徴とし、ヒスチジン銅の皮下注が治療となる。
中枢神経の髄鞘形成(マイエリン化)が不全となる、X連鎖潜性(劣性)遺伝の白質ジストロフィー。乳児期早期からの眼振や、痙性麻痺、精神運動発達遅滞が特徴である。
プロピオン酸血症は、分枝鎖アミノ酸などの代謝に必須なプロピオニルCoAカルボキシラーゼの欠損により、プロピオン酸などの有機酸が体内に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。新生児期からの重篤なケトアシドーシス発作を繰り返す。
プロテウス症候群は、AKT1遺伝子の体細胞モザイク変異により、身体の組織(骨、皮膚、脂肪など)が非対称かつ不均衡に過成長(巨大化)する極めて稀な疾患である。映画『エレファント・マン』のモデルとして有名である。
プロジェリア症候群は、通常の約10倍の速度で老化が進行する極めて稀な早老症である。LMNA遺伝子の変異により異常タンパク質(プロジェリン)が蓄積し、重篤な動脈硬化により平均14〜15歳で死亡する。
大脳基底核(特に淡蒼球や黒質)への鉄沈着を伴う神経変性疾患(NBIA)の一種。PANK2遺伝子異常によるPKANが代表的であり、MRIでの「虎の目(Eye of the tiger)」サインが特異的である。
バーデ・ビードル症候群は、全身の細胞にある一次繊毛の機能異常(繊毛病:ciliopathy)を背景とする常染色体潜性遺伝疾患である。網膜色素変性症、肥満、多指(趾)症、知的障害、性腺機能不全を伴う。
ネザートン症候群は、SPINK5遺伝子の変異による常染色体潜性遺伝疾患であり、「重症の魚鱗癬」「竹節状毛(結節性裂毛症)」「アトピー素因」を三徴とする稀な遺伝性皮膚疾患である。
乳児期に熱性けいれん(重積・複雑型)を契機に発症し、その後難治性のミオクロニー発作などを繰り返す、重症の難治性てんかん症候群。SCN1A遺伝子変異が主な原因である。
スタージ・ウェーバー症候群は、顔面の三叉神経領域(特に第1・2枝)の単純性血管腫(ポートワイン斑)と、同側の脳軟膜血管腫を特徴とする母斑症である。てんかん、緑内障、知的障害を合併し、頭部画像の「脳回状石灰化」が超頻出である。
サンフィリッポ症候群は、リソソーム酵素の欠損により、ヘパラン硫酸が中枢神経系に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患(ムコ多糖症III型)である。他のムコ多糖症と異なり身体的特徴は軽度だが、極めて重篤な中枢神経の退行と多動・攻撃性などの行動異常を特徴とする。
クルーゾン症候群は、FGFR2(またはFGFR3)遺伝子の変異による頭蓋縫合早期癒合症の一つである。顔面中部の発育不全と著明な眼球突出を呈するが、アペール症候群とは異なり「四肢の異常(合指症など)を伴わない」のが特徴である。
カムラティ・エンゲルマン病は、TGFB1遺伝子の変異による常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。長管骨の骨幹部が対称性に肥厚・硬化し、四肢の激しい痛みや筋力低下(アヒル歩行)を呈する進行性の骨系統疾患である。
カサバッハ・メリット症候群は、乳幼児の巨大な血管性腫瘍の内部で血小板や凝固因子が大量に消費され、重篤な血小板減少と消費性凝固障害(DIC様病態)をきたす致死的な疾患である。
ウォルマン病は、リソソーム酸性リパーゼ(LAL)の完全欠損により、コレステロールエステルやトリグリセリドが全身の臓器に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。乳児期早期に発症し、著明な肝脾腫、消化管障害、および「両側副腎の石灰化」が特徴である。
アラン・ハーンデン症候群は、甲状腺ホルモンを脳内へ運ぶトランスポーター(MCT8)の遺伝子変異によるX連鎖潜性遺伝疾患である。男児に発症し、重度の精神運動発達遅滞と筋緊張異常、末梢の甲状腺中毒症状を呈する。
アペール症候群は、FGFR2遺伝子の変異による頭蓋縫合早期癒合症の一つである。尖頭・顔面中部低形成に加えて、手足の全指趾が癒合する重度の「複雑合指症(ミトン手)」を伴うことが最大の特徴である。
Wiskott-Aldrich症候群(WAS)は、WASタンパクの異常によるX連鎖潜性遺伝の原発性免疫不全症である。男児における「湿疹」「易感染性」「血小板減少(微小血小板)」の三徴がCBTや国試で超頻出である。
Bartter症候群は、ヘンレの太い上行脚におけるイオン輸送体の遺伝的機能不全により、低カリウム血症と代謝性アルカローシスをきたす疾患である。ループ利尿薬を大量に飲んでいるのと同じ状態になり、高カルシウム尿症を呈する点がGitelman症候群との鑑別で重要である。
流行性耳下腺炎は、ムンプスウイルスの飛沫感染により、耳下腺などの唾液腺の非化膿性腫脹をきたす感染症である。CBTや国試では、酸味のある食物での疼痛増悪や、合併症としての無菌性髄膜炎、一側性のムンプス難聴、および思春期以降の感染における精巣炎・卵巣炎が頻出の重要疾患である。
網膜芽細胞腫は、乳幼児期に発症する最も頻度の高い眼内の原発悪性腫瘍である。RB1遺伝子(がん抑制遺伝子)の変異により発症する。CBTや国試では、白色瞳孔や斜視による発見、画像検査での石灰化、および早期治療による良好な生命予後が頻出の重要疾患である。
熱性けいれんは、生後6ヶ月から5歳頃の小児が発熱(通常38℃以上)に伴って起こすけいれん発作である。CBTや医師国家試験では、予後良好な「単純型」と、てんかん移行リスクがある「複雑型」の鑑別、および発作時の初期対応や予防目的でのダイアップ(ジアゼパム)坐薬の使用が超頻出の重要疾患である。
肥厚性幽門狭窄症は、生後2〜3週頃から、哺乳後に「噴水状の嘔吐(非胆汁性)」をきたす疾患である。胃の出口である幽門の輪状筋が肥厚し、胃内容物が通過できなくなる。CBTや国試では、右上腹部のオリーブ様腫瘤の触知や、胃酸喪失に伴う「低Cl性低K血症性代謝性アルカローシス」が超頻出の重要疾患である。
未熟児網膜症は、早産児(低出生体重児)において、網膜血管の発育不全と異常な新生血管の発生により網膜剥離や失明に至る疾患である。CBTや国試では、救命のための高濃度酸素投与がリスク因子となることや、レーザー光凝固術による進行予防が頻出である。
動脈管開存症(PDA)は、胎生期に大動脈と肺動脈を繋いでいた動脈管(ボタロー管)が、出生後も閉鎖せずに残る先天性心疾患である。大動脈から肺動脈への左右シャントが生じ、肺血流量増加による心不全や肺高血圧の原因となる。CBTや医師国家試験では、特徴的な「連続性雑音」や「インドメタシンによる治療」が毎年問われる超頻出疾患である。
伝染性膿痂疹(とびひ)は、主に小児の夏期に好発する皮膚の細菌感染症である。虫刺されや湿疹の掻き壊しから細菌が侵入し、水疱や痂皮を形成して全身に拡大する。CBTや医師国家試験では、原因菌(黄色ブドウ球菌とA群溶連菌)による病型の違いや、溶連菌感染後の急性糸球体腎炎への注意、ステロイド外用の禁忌が頻出の重要疾患である。
腸重積症は、腸管の一部が肛門側の腸管内に嵌入(入り込む)し、腸閉塞と血流障害をきたす小児の救急疾患である。生後6ヶ月〜2歳頃に好発し、間欠的な激しい腹痛と「イチゴゼリー状便」が特徴である。CBTや国試では、超音波でのターゲットサインや、発症24時間以内に行う高圧浣腸(経肛門的整復術)が頻出の重要疾患である。
注意欠如・多動症(ADHD)は、不注意(集中力がない、ミスが多い)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(思いつくとすぐ行動する)を特徴とする神経発達症である。前頭前野を中心としたドパミンやノルアドレナリンの機能不全が関与している。CBTや医師国家試験では、DSM-5の診断基準(12歳以前の発症)、合併症(ASD、LD)、および薬物療法の作用機序の使い分けが頻出である。
胎便吸引症候群(MAS)は、胎児が低酸素ストレス等により子宮内で胎便を排泄し、それを含む羊水を出生前後に気道へ吸引することで、気道閉塞や化学性肺炎をきたす疾患である。CBTや国試では、過熟児に多い点や、チェックバルブ機序による「気胸」の合併、および遷延性肺高血圧症(PPHN)の併発が頻出の重要疾患である。
進行性家族性肝内胆汁うっ滞症(PFIC)は、胆汁の分泌・輸送に関わる遺伝子異常により、小児期から重篤な肝内胆汁うっ滞をきたす常染色体潜性遺伝疾患である。激しいそう痒(かゆみ)が特徴で、PFIC1型および2型は「γ-GTPが正常〜低値」である点が臨床的に重要である。
色素性乾皮症は、紫外線によって生じたDNA損傷を修復する機能(ヌクレオチド除去修復など)が先天的に欠損している常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、極度の光線過敏、若年での皮膚がん多発、およびA群などでの進行性神経障害が超頻出である。
ハラーホルデン・スパッツ病(現在は主にPKANと呼ばれる)は、大脳基底核への鉄沈着を伴う稀な神経変性疾患(NBIA)の一種である。PANK2遺伝子変異により、小児期からジストニアなどの錐体外路症状をきたす。MRIにおける「Eye-of-the-tiger sign(トラの目サイン)」が極めて特徴的である。
メープルシロップ尿症は、分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝酵素の先天的な欠損により、体内に有害な代謝産物が蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。CBTや国試では、尿の甘い匂いや、新生児マススクリーニングでの発見、およびBCAA制限ミルクによる治療が頻出である。
ファブリー病は、リソソーム酵素であるα-ガラクトシダーゼAの遺伝的欠損により、糖脂質(GL-3)が全身の細胞に蓄積するX連鎖潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、小児期からの四肢末端の疼痛や無汗症、および進行性の腎障害・心機能障害が頻出の重要疾患である。
スミス・マゲニス症候群は、17番染色体短腕の微細欠失によって生じる先天異常症候群である。特異な顔貌、精神運動発達遅滞に加えて、激しい自傷行為やパニック、および昼夜逆転を伴う重度の睡眠障害が臨床的に極めて特徴的な疾患である。
シトリン欠損症は、尿素サイクルと解糖系に関連する輸送タンパク質「シトリン」の異常により生じる常染色体潜性遺伝疾患である。※ご提示のメモに誤りがあり、正しくは「お菓子(糖質)を嫌い、豆類(タンパク質・脂質)を好む」という特異な偏食が最大の特徴である。
ゴーシェ病は、リソソーム酵素であるグルコセレブロシダーゼの欠損により、マクロファージに糖脂質が蓄積する常染色体潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、著明な肝脾腫と骨痛・骨変形、および骨髄中のゴーシェ細胞が頻出である。
川崎病は、乳幼児に好発する原因不明の全身性中小型血管炎である。CBTや医師国家試験では、診断基準となる「主要症状6つ」と、突然死の原因となる「冠動脈瘤」の合併、およびそれを防ぐための「免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)+アスピリン内服」が超頻出の最重要疾患である。
先天性胆道閉鎖症は、肝外胆管が炎症性に閉塞・索状化し、胆汁が腸管に排泄されず肝臓にうっ滞する難治性疾患である。新生児期からの遷延性黄疸と白色便が特徴。CBTや国試では、直接ビリルビンの上昇や、生後60日(2ヶ月)以内の葛西手術(肝門部腸吻合術)による胆道ドレナージが不可欠である点が超頻出の重要疾患である。
先天性代謝異常症は、遺伝子の変異により特定の酵素や輸送タンパク質が欠損し、有害な代謝産物の蓄積や必要な物質の欠乏により中枢神経障害などをきたす疾患群である。新生児マススクリーニングで早期発見・治療を行うことが極めて重要であり、フェニルケトン尿症やガラクトース血症の食事療法が国試で頻出である。
水痘は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の初感染によって引き起こされる全身性の発疹症である。極めて感染力が強い空気感染であり、CBTや国試では、紅斑・水疱・痂皮など「すべてのステージの皮疹が混在する」点と、頭皮にも皮疹が出現する点、および抗ウイルス薬(アシクロビル)による治療が頻出である。
クループ症候群(急性声門下喉頭炎)は、ウイルス感染によって声帯の下(声門下)に浮腫が生じ、上気道狭窄をきたす疾患である。CBTや国試では、犬吠様咳嗽(ケンケンという咳)、吸気性喘鳴、X線でのタワーサイン(steeple sign)、およびアドレナリン吸入とステロイド投与による治療が頻出の重要疾患である。
ウエスト症候群(点頭てんかん)は、生後1年以内(特に生後4〜7ヶ月)の乳児に発症する難治性のてんかん症候群である。CBTや医師国家試験では、シリーズ形成性の点頭発作、脳波でのヒプスアリスミア、精神運動発達遅滞の「三主徴」と、ACTH(副腎皮質刺激ホルモン)療法やビタミンB6の大量投与が頻出の重要疾患である。
RSウイルス感染症は、冬季に乳幼児に流行し、重症の細気管支炎や肺炎を引き起こす呼吸器感染症である。1歳未満の乳児が初感染すると重症化しやすく、CBTや国試では、呼気性喘鳴(ゼイゼイ)、陥没呼吸、および早産児や先天性心疾患等のハイリスク児に対するパリビズマブ(抗RSVモノクローナル抗体)の予防投与が頻出である。
新生児呼吸窮迫症候群(RDS)は、早産児において肺表面活性物質(サーファクタント)が欠乏することにより、肺胞が虚脱し進行性の呼吸不全をきたす疾患である。CBTや医師国家試験では、胸部X線での網状顆粒状影やエアブロンコグラム、および人工サーファクタント補充療法が頻出の重要疾患である。
新生児一過性多呼吸(TTN)は、胎児期の肺液の吸収遅延により、出生直後から一過性の多呼吸などの呼吸障害をきたす良性の疾患である。正期産児や予定帝王切開児に多い。CBTや医師国家試験では、RDSとの鑑別や、数日で自然軽快するため酸素投与による「経過観察」が正解となる点が頻出である。
新生児黄疸は、ビリルビン代謝の未熟性などにより生じる新生児期の黄疸である。大半は良性の生理的黄疸だが、重症化すると非抱合型(間接)ビリルビンが脳に沈着し、不可逆的な神経障害(核黄疸:ビリルビン脳症)をきたす。CBTや国試では、病的黄疸の基準や、光線療法・交換輸血の適応が超頻出である。
血管腫は、血管内皮細胞の増殖または血管の形成異常によって生じる良性病変である。CBTや国試では、生後まもなく発症し数年で自然退縮する「乳児血管腫(イチゴ状血管腫)」と、自然退縮せず一生残存し、Sturge-Weber症候群などの合併に注意が必要な「ポートワイン斑(単純性血管腫)」の鑑別、および各々の治療選択が頻出である。
壊死性腸炎(NEC)は、早産・極低出生体重児において、未熟な腸管への血流不全や感染を契機に腸管壁の広範な壊死をきたす重篤な疾患である。人工乳による経腸栄養の開始後に発症しやすい。CBTや国試では、腹部X線における腸管壁内ガス像や門脈内ガス像、および腸管穿孔に対する外科的治療の適応が頻出である。
手足口病は、主にコクサッキーウイルスA16型やエンテロウイルス71型(EV71)の感染により、夏期の小児に手・足・口腔内の水疱性発疹をきたすウイルス性感染症である。CBTや医師国家試験では、ヘルパンギーナとの皮疹部位の鑑別や、EV71型による中枢神経合併症(髄膜炎など)への注意が頻出の重要疾患である。
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーウイルスA群の感染により、夏期の小児に突然の高熱と口腔内後方(軟口蓋)の水疱・びらんをきたすウイルス性感染症である。激しい咽頭痛により脱水を起こしやすく、CBTや医師国家試験では、手足口病との鑑別(手足に皮疹が出ない)や脱水への対応が頻出の重要疾患である。
自閉スペクトラム症(ASD)は、社会的コミュニケーションおよび対人相互反応の持続的な欠陥と、行動・興味・活動の限定された反復的な様式を特徴とする神経発達症である。かつての自閉症、アスペルガー症候群などが統合された概念である。CBTや医師国家試験では、DSM-5の診断基準(2つの主要領域)、感覚過敏、ADHDとの合併、および療育や環境調整の重要性が毎年問われる超頻出疾患である。
家族性地中海熱(FMF)は、MEFV遺伝子の変異により生じる自己炎症性疾患である。1〜3日程度で自然軽快する周期的な高熱と、無菌性の漿膜炎(腹痛、胸痛)を繰り返す。CBTや医師国家試験では、コルヒチンの著効や、致死的な合併症である二次性AAアミロイドーシスの予防が頻出の重要疾患である。
IgA血管炎(旧ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)は、小児に好発する全身性の小型血管炎である。先行する上気道感染を契機にIgA免疫複合体が血管壁に沈着し、下肢の触知可能な紫斑、腹痛、関節痛、腎障害をきたす。CBTや医師国家試験では、血小板数が正常である点や、第XIII因子低下による激しい腹痛が極めて頻出の重要疾患である。
フォン・ギールケ病(糖原病I型)は、グルコース-6-ホスファターゼ(G6Pase)の先天的欠損により、肝臓や腎臓にグリコーゲンが蓄積する常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の代謝疾患である。空腹時の重篤な低血糖と著明な肝腫大を特徴とする。CBTや医師国家試験では、特徴的な検査所見(乳酸・尿酸・トリグリセリドの上昇)や、グルカゴン負荷試験の結果が毎年問われる超頻出疾患である。
微小変化型ネフローゼ症候群(MCNS)は、小児の原発性ネフローゼ症候群の大部分を占める疾患である。急激に発症する高度の蛋白尿と全身性浮腫を特徴とする。光学顕微鏡では糸球体に異常を認めないが、電子顕微鏡でポドサイト(上皮細胞足突起)の癒合・消失を認める。ステロイドが著効するが再発しやすく、CBTや医師国家試験の小児科・腎臓分野において毎年問われる超頻出疾患である。
心室中隔欠損症(VSD)は、左右の心室を隔てる壁(心室中隔)に欠損孔がある先天性心疾患である。全先天性心疾患の中で最も頻度が高く、左室から右室への左右シャントにより肺血流量が増加し、心不全や肺高血圧の原因となる。CBTや医師国家試験では、特徴的な心雑音やアイゼンメンジャー症候群への移行、部位別の合併症(ARなど)が毎年問われる超頻出疾患である。
溶血性尿毒症症候群(HUS)は、腸管出血性大腸菌(O157など)の感染に引き続いて発症し、微小血管での血栓形成により赤血球破壊と腎不全を来す重篤な疾患である。血便を伴う下痢の後に、出血斑や乏尿、意識障害などを生じる。小児に好発し、CBTや医師国家試験の小児科・腎臓分野において毎年問われる超頻出疾患である。
ホモシスチン尿症は、アミノ酸であるメチオニンの代謝異常により、体内にホモシステインが蓄積する先天性代謝異常症である。知的障害、下方への水晶体脱臼、マルファン症候群に似た骨格異常(高身長やクモ状指)、血栓症を特徴とする。新生児マススクリーニング対象疾患であり、小児科領域のCBTや医師国家試験で頻出の重要疾患である。
フェニルケトン尿症(PKU)は、必須アミノ酸であるフェニルアラニンをチロシンに変換する酵素が先天的に欠損し、体内にフェニルアラニンが蓄積する代謝異常症である。放置すると重度の知的障害やメラニン欠乏による赤毛・色白をきたす。新生児マススクリーニングの代表的疾患であり、小児科領域のCBTや医師国家試験で毎年問われる超頻出疾患である。
ファロー四徴症(TOF)は、心室中隔欠損(VSD)、肺動脈狭窄(PS)、大動脈騎乗、右室肥大の4つを特徴とする代表的なチアノーゼ性先天性心疾患である。乳幼児期のチアノーゼ発作(anoxic spell)や蹲踞(そんきょ)が特徴的である。CBTや医師国家試験では、4徴の名称、チアノーゼ発作時の対応、胸部X線所見(木靴心)が毎年問われる超頻出疾患である。
デュシェンヌ型筋ジストロフィーは、筋肉の細胞を保護するジストロフィン蛋白の欠損により、進行性の筋力低下を来す遺伝性筋疾患である。男児にのみ発症し、幼児期の転びやすさや登攀性起立(Gowers徴候)、腓腹筋仮性肥大を特徴とする。CBTや医師国家試験の小児科・神経分野において、遺伝形式や特徴的所見が毎年問われる超頻出疾患である。
クリグラー・ナジャー症候群は、肝臓のビリルビン抱合酵素(UGT1A1)の先天的な欠損により、重度の間接型(非抱合型)高ビリルビン血症を来す常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の疾患である。新生児期から重篤な黄疸を呈し、核黄疸による脳障害の危険性が高い。CBTや医師国家試験では、1型と2型の鑑別(フェノバルビタール試験)や、ジルベール症候群などの他の体質性黄疸との鑑別が頻出である。
ガラクトース血症は、乳糖の成分であるガラクトースを代謝する酵素が先天的に欠損し、体内に有害な代謝産物が蓄積する先天性代謝異常症である。哺乳開始直後の嘔吐、下痢、黄疸、肝不全、白内障などを特徴とする。新生児マススクリーニング対象疾患であり、CBTや医師国家試験では、検査値の解釈(還元糖)や致死的な合併症(大腸菌敗血症)が頻出の重要疾患である。
アルポート症候群は、IV型コラーゲンの遺伝子変異により、腎臓、内耳、眼の基底膜に異常を来す遺伝性疾患である。幼児期からの血尿で発症し、進行性の腎機能障害、感音難聴、眼合併症(円錐水晶体など)を特徴とする。大部分がX連鎖遺伝であり、CBTや医師国家試験では、電子顕微鏡での基底膜の「網目状(basket-weave)変化」や、男児の難聴・血尿の家族歴が頻出である。