Reye症候群は、小児のウイルス感染症(インフルエンザや水痘など)の罹患中に、解熱剤としてアスピリンを投与されたことを契機に発症する、急性脳症と肝臓の微小脂肪滴沈着(脂肪変性)を特徴とする致死的疾患である。
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先行感染:インフルエンザ(特にB型)、水痘などによる発熱。
消化器症状:感染回復期(数日後)に突然始まる激しく持続的な嘔吐。
中枢神経症状:嘔吐に続いて急速に進行する意識障害(せん妄、傾眠、昏睡)、けいれん、除皮質硬直、呼吸停止(脳浮腫による頭蓋内圧亢進)。
※肝炎は起こるが、黄疸はみられないことが多い。
初期評価
小児のウイルス感染後の激しい嘔吐と意識障害、アスピリン服用歴から直ちに疑う。
検査
血液検査でAST・ALTの著明な上昇、『高アンモニア血症』、PT延長、低血糖を確認する(ビリルビンは正常〜軽度上昇)。髄液検査で細胞数増加はない。確定診断(病理)では肝臓の微小脂肪滴沈着を認める。
治療方針
特異的治療法はなく、脳浮腫と高アンモニア血症に対する強力な集中治療(支持療法)が必須となる。頭蓋内圧亢進に対してマニトールやグリセオール静注、過換気療法。高アンモニアに対してラクツロースや分岐鎖アミノ酸投与。低血糖の補正。予防として、小児の発熱性疾患に対するサリチル酸系薬剤の使用を避けることが何よりも重要である。
病態
明確な機序は完全には解明されていないが、ウイルス感染とサリチル酸系薬剤(アスピリン)の相互作用により、全身のミトコンドリア機能障害が生じるとされる。これにより肝臓でアンモニアが処理できず(高アンモニア血症)、脳浮腫・急性脳症を引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
「小児」が「インフルエンザ(または水痘)」にかかった際、市販の風邪薬などで『アスピリン(サリチル酸)』を内服し、その数日後に『激しい嘔吐』と『意識障害、けいれん』をきたすエピソードが超定番。黄疸はないが、AST/ALTの著増と『高アンモニア血症』を伴う。この病態があるため、『小児のウイルス性発熱に対してアスピリン(サリチル酸系)やジクロフェナクの使用は原則禁忌』であり、解熱には『アセトアミノフェン』を使用することが小児科・救急領域の絶対的鉄則である。
覚え方・コツ
「ライ症候群はアスピリンの罠!子供のインフルや水疱瘡にアスピリンを飲ませると、ミトコンドリアが壊れて肝臓と脳がポンコツになる。激しく吐いて意識を失う(急性脳症)。子供の熱には絶対に『アセトアミノフェン』を使え!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。