医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
麻疹は、麻疹ウイルスの空気感染によって発症する極めて感染力の強い全身性感染症である。カタル期、発疹期、回復期と経過し、CBTや国試では、カタル期のコプリク斑、二峰性発熱、空気感染(陰圧室隔離)、および数年後に発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE)への注意が超頻出である。
発熱(二峰性発熱:カタル期に38℃台、発疹期に39℃以上)
上気道炎症状(強い咳嗽、鼻汁、くしゃみ)
眼症状(結膜充血、眼脂、羞明)
コプリク斑(Koplik spots:第2大臼歯対面の頬粘膜にみられる1mm大の白色小斑点)
暗赤色の斑丘疹(顔面・頸部から始まり、体幹・四肢へ広がり融合する)
色素沈着(治癒期に網目状の色素沈着を残す。風疹との鑑別点)
初期評価
高熱、カタル症状、発疹の組み合わせと、ワクチン接種歴(MRワクチン)を確認する。頬粘膜のコプリク斑を確認すれば臨床診断が可能。
検査
血液検査で白血球減少、リンパ球減少を確認する。確定診断のために、血清麻疹IgM抗体価の測定や、咽頭ぬぐい液・尿からのPCR検査(ウイルス遺伝子検出)を行う。
鑑別
風疹(発熱と発疹が同時、色素沈着なし、リンパ節腫脹)、突発性発疹(解熱と同時に発疹、乳児)、川崎病、伝染性紅斑。
初期対応・感染対策
『空気感染』するため、直ちに『陰圧室(個室)』に隔離し、医療者はN95マスクを着用する。
根本治療
特異的な抗ウイルス薬はなく「対症療法」となる。二次性の細菌性肺炎や中耳炎を合併した場合は抗菌薬を投与する。予防として、1歳と就学前の『MRワクチン(麻疹風疹混合の生ワクチン)の2回接種』が極めて重要である。
病態
麻疹ウイルスが気道粘膜から侵入し、全身のリンパ組織・単核球に感染して全身に広がる。細胞性免疫が著しく低下するため、二次性の細菌感染を合併しやすい。
原因と感染経路
麻疹ウイルスによる『空気感染(飛沫核感染)』。感染力(基本再生産数R0)が極めて高い。
試験での重要ポイント
病期に沿った症状の進行が問われる。
【カタル期(約3日)】:38℃台の発熱、強い咳、鼻水、結膜充血。この期の終盤に頬粘膜に白い『コプリク斑(Koplik spots)』が出現する(これが確定診断の決め手)。感染力が最も強い。
【発疹期(約4日)】:熱が一旦下がりかけた直後、再び『39℃以上の高熱(二峰性発熱)』が出現し、耳後部や顔面から全身へ向かって『暗赤色の融合する斑丘疹』が広がる。
【回復期】:解熱し、発疹は『色素沈着(網目状の黒ずみ)』と落屑を残して治癒する。
最大の合併症は肺炎と脳炎。国試的には、感染から数年〜十数年後に知能障害やミオクローヌスで発症する致死的な遅発性脳炎『亜急性硬化性全脳炎(SSPE)』が絶対暗記キーワードである。
覚え方・コツ
「麻疹(はしか)は、空気感染で広がるヤバい熱。最初は風邪(カタル期)、口の中にコプリク斑(白いツブツブ)が出たら要注意!熱が一旦下がってまた上がり(二峰性発熱)、ブツブツが全身に広がる。治った後は黒ずみ(色素沈着)が残り、数年後に脳を壊すSSPEの時限爆弾!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。