Ebstein病は、先天的に三尖弁(右房と右室の間の弁)が右心室側に深く落ち込んで付着し、右心房が著明に拡大する稀な先天性心疾患である。三尖弁閉鎖不全症(TR)や右心不全をきたし、WPW症候群を高率に合併する。
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重症例(新生児期):チアノーゼ(ASD合併による右左シャント)、重篤な右心不全。
軽・中等症:易疲労感、動悸(不整脈による)、右心不全症状。
※不整脈(上室性頻拍など)による突然死のリスクがある。
胸部X線:『著明な心陰影の拡大(箱型:box-shaped heart)』、肺血管陰影の減少。
心電図:右房負荷(巨大なP波)、右脚ブロックパターン。合併していれば『WPW症候群の所見(Δ波、PR短縮)』。
心エコー:三尖弁の右室側への著明な偏位(10mm/m2以上)、右房化右室、三尖弁逆流(TR)の証明。
内科的治療:右心不全に対する利尿薬。不整脈(WPW症候群に伴う頻拍)に対する抗不整脈薬やカテーテルアブレーション。
外科的治療:右心不全やチアノーゼが進行する場合、三尖弁形成術(Danielson法、Carpentier法など)や三尖弁置換術を行う。
病態
三尖弁の付着部が心尖部側(下の方)へずり落ちているため、本来の右心室の一部が「右心房化(右室の右房化)」してしまう。これにより、真の右心室は極端に狭くなりポンプ機能が低下する。また、ずれた三尖弁はうまく閉じないため重度の三尖弁閉鎖不全症(TR)を起こす。
試験・臨床での重要ポイント
画像問題で、胸部X線による『著明な心拡大(箱型心:box-shaped heart)』が出たら一発診断。
合併症として『WPW症候群(副伝導路:ケント束の存在)』を伴いやすく、突然の頻脈発作(PSVT)を起こすのが国試の頻出キーワード。また、心房中隔欠損症(ASD)を合併していると、右房圧の上昇により右左シャントが生じ、チアノーゼを呈する。
覚え方・コツ
「Ebstein病は『三尖弁が右心室にずり落ちた病気』!右心室のスペースが奪われて巨大な右心房(右室の右房化)になるから、レントゲンを撮ると心臓が巨大な四角形(箱型心)に写る!弁がズレているから逆流(TR)して右心不全になる。電気の近道(WPW症候群)ができやすくて、頻脈になりやすいのがテストの重要ポイント!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。