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鎌状赤血球症は、ヘモグロビンの遺伝子変異により、低酸素状態などで赤血球が「鎌状(三日月型)」に変形する遺伝性溶血性貧血。変形した赤血球が微小血管に詰まることで、強烈な疼痛発作や多臓器障害を引き起こす。
疼痛発作(血管閉塞クリーゼ):骨、関節、胸部、腹部の突発的な激痛。
急性胸部症候群(Acute chest syndrome):発熱、胸痛、呼吸困難(肺の微小血管閉塞による致死的な合併症)。
溶血性貧血症状:黄疸、胆石(ビリルビン結石)。
感染症:肺炎球菌等による重篤な敗血症・髄膜炎。
小児初期症状:手足の甲がパンパンに腫れる手足症候群(指趾炎:dactylitis)。
末梢血塗抹標本:『鎌状赤血球(sickle cell)』の確認。脾機能低下のサインであるHowell-Jolly(ハウエル・ジョリー)小体。
ヘモグロビン電気泳動:異常ヘモグロビン(HbS)の証明(確定診断)。
急性期(疼痛発作時):十分な輸液(脱水の改善)、酸素投与、強力な鎮痛薬(オピオイドなど)。重症例(急性胸部症候群など)には交換輸血。
予防・維持療法:『ヒドロキシウレア』(HbFの割合を増やし、HbSの重合と赤血球の鎌状化を防ぐ特効薬)。
感染予防:『肺炎球菌ワクチン』等の定期接種、ペニシリンの予防内服。
根治治療:同種造血幹細胞移植。
病態
βグロビン遺伝子の点突然変異(グルタミン酸がバリンに置換)により、異常なヘモグロビンS(HbS)が作られる常染色体潜性(劣性)遺伝疾患。酸素が少ない環境(低酸素、アシドーシス、脱水、感染など)になると、HbSが結晶化(重合)して赤血球が硬い鎌状に変形する。これが細い血管を塞ぎ(血管閉塞)、また壊れやすいため溶血を起こす。
試験・臨床での重要ポイント
『アフリカ系(黒人)に多い』ことが最大の疫学キーワード。※ヘテロ接合体(保因者)はマラリア感染に対して抵抗性を持つため、マラリア流行地域で遺伝子が淘汰されず生き残ったという進化の背景がある。
血管が詰まることによる『血管閉塞クリーゼ(強烈な骨・関節・胸部の疼痛発作)』と、脾臓の血管が繰り返し詰まって脾臓が萎縮・機能不全になる『自己脾摘(autosplenectomy)』が超頻出。
脾臓が機能しないため、肺炎球菌やインフルエンザ桿菌などの「莢膜を持つ細菌」に対する重症感染症(敗血症)のリスクが極めて高く、小児期の死因トップとなる。
覚え方・コツ
「鎌状赤血球症は『酸素が減ると赤血球が鎌(三日月)の形に固まって、細い血管に詰まる病気』!アフリカ系に多く、マラリアに強いのが特徴だ。血管に詰まると死ぬほど痛い(疼痛クリーゼ)。脾臓も詰まってミイラ化(自己脾摘)するから、免疫が落ちて肺炎球菌に弱くなる(ワクチン必須)!治療は痛み止めと点滴、そして胎児型ヘモグロビン(HbF)を増やして鎌化を防ぐ薬『ヒドロキシウレア』を使う!」
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多発性骨髄腫は、骨髄中の形質細胞(抗体を産生する細胞)が腫瘍化し、単クローン性の異常な免疫グロブリン(M蛋白)を過剰産生する疾患。骨破壊による高カルシウム血症や病的骨折、および腎障害を特徴とする血液がんである。
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)の感染によって生じる極めて予後不良な末梢性T細胞腫瘍。日本(特に九州・沖縄地方)に多く、母乳を介した垂直感染から数十年の潜伏期間を経て発症する。
原発性ALアミロイドーシスは、異常な形質細胞が産生したモノクローナルな免疫グロブリンの「軽鎖(L鎖)」が、アミロイド線維として全身の臓器に沈着し、重篤な機能障害を引き起こす致死的な疾患。多発性骨髄腫(MM)に合併することもある。
巨赤芽球性貧血は、ビタミンB12または葉酸の欠乏によりDNA合成が障害され、赤芽球の細胞分裂が遅延することで生じる大球性貧血。赤血球が巨大化するだけでなく、白血球や血小板も減少する汎血球減少をきたすことがある。