血管腫は、血管内皮細胞の増殖または血管の形成異常によって生じる良性病変である。CBTや国試では、生後まもなく発症し数年で自然退縮する「乳児血管腫(イチゴ状血管腫)」と、自然退縮せず一生残存し、Sturge-Weber症候群などの合併に注意が必要な「ポートワイン斑(単純性血管腫)」の鑑別、および各々の治療選択が頻出である。
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【乳児血管腫】:鮮紅色でイチゴの表面のように隆起した軟らかい腫瘤。生後間もなく出現し急速に増大する。
【ポートワイン斑】:境界明瞭な平坦な暗紅色斑(赤ワイン色)。生来存在し、加齢とともに色が濃くなったり隆起したりする。
【Sturge-Weber症候群合併例】:顔面片側(額〜上眼瞼領域)の血管腫、てんかん発作、対側片麻痺、緑内障による視力障害。
初期評価
発症時期(生来存在か、生後出現か)と病変の隆起の有無で、乳児血管腫とポートワイン斑を鑑別する。ポートワイン斑が顔面上部(三叉神経第1枝領域)にある場合や、四肢の肥大を伴う場合(Klippel-Trenaunay-Weber症候群)は合併症を強く疑う。
検査
通常は視診で診断可能。深部への広がりや血流を評価するために超音波(エコー)検査やMRI検査を行う。Sturge-Weber症候群が疑われる場合は、頭部MRI(脳軟膜血管腫)、頭部CT(脳回に沿った石灰化)、脳波検査、眼圧測定(緑内障チェック)が必須となる。
鑑別
化膿性肉芽腫(外傷などを契機に生じる出血しやすい後天性の血管腫)、海綿状血管腫(静脈奇形:青紫色で圧迫により退色し、離すと元に戻る腫瘤)。
治療・対応
【乳児血管腫】機能障害や整容的問題がなければ「経過観察(数年で自然退縮を待つ)」が基本。しかし、眼瞼(弱視のリスク)、気道(呼吸障害)、顔面(瘢痕のリスク)などに生じた急速増大例に対しては、『プロプラノロール(βブロッカー)の内服』が現在の第一選択であり、劇的な増殖抑制・退縮効果を示す(低血糖や徐脈などの副作用に注意する)。色素レーザーを照射することもある。
【ポートワイン斑】自然退縮しないため、整容的改善を目的として早期(乳幼児期)から『色素レーザー(パルスダイレーザー:Vbeamなど)』を繰り返し照射する。合併する緑内障やてんかんに対しては、それぞれ眼科・小児神経科での専門的治療を並行して行う。
病態・分類(試験で重要な2大疾患)
①【乳児血管腫(旧称:イチゴ状血管腫)】:血管内皮細胞の『真の腫瘍性増殖』。生後数日〜数週で出現し、1歳頃まで急速に増大(増殖期)、その後数年かけて『自然に退縮(退縮期)』する。
②【ポートワイン斑(単純性血管腫)】:毛細血管の『奇形(拡張)』であり、腫瘍ではない。生まれた時から存在し、『自然退縮しない』。体の成長とともに面積が拡大し、成人になると隆起・結節化することがある。
試験での重要ポイント
「自然に消えるか、消えないか」の鑑別が超頻出。乳児血管腫は自然に消えるが、眼瞼にあって視力障害(弱視)の原因になる場合や巨大な場合は治療介入が必要で、第一選択薬は『プロプラノロール(βブロッカー)内服』である。一方、顔面の三叉神経第1枝(眼神経)領域にあるポートワイン斑は、『Sturge-Weber症候群(緑内障やてんかん、脳軟膜血管腫を合併)』のサインであるため、眼科・小児神経科的精査が必須となる。ポートワイン斑の治療は『色素レーザー(パルスダイレーザー)』が著効する。
覚え方・コツ
「イチゴ(乳児血管腫)は1歳でMAX、小学生で自然に消える(ヤバい場所ならプロプラノロール内服)。ポートワイン斑は生まれつきの毛細血管奇形、一生消えないから色素レーザー!顔の上半分(三叉神経第1枝)のワイン斑はSturge-Weber(緑内障・てんかん)の警告サイン!」
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