肺動脈弁狭窄症は、右心室から肺動脈へ血液を送り出す肺動脈弁が先天的に狭くなっている疾患。右心室に圧負荷がかかり右室肥大をきたす。第2肋間胸骨左縁の「粗い収縮期駆出性雑音」が特徴で、カテーテルによるバルーン拡大術が著効する。
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軽症例:無症状(学校検診の心雑音で発見されることが多い)。
中等症〜重症例:労作時の息切れ、易疲労感、右心不全症状(浮腫、肝腫大)、失神。※卵円孔開存などを伴うと、右房圧上昇により右左シャントが生じチアノーゼをきたす。
聴診:胸骨左縁第2肋間の収縮期駆出性雑音、肺動脈駆出音(クリック音)、II音の分裂。
心電図:右室肥大(V1の高いR波、右軸偏位)、右房負荷。
胸部X線:肺動脈本幹の突出(狭窄後拡張)、右室拡大による心尖部の挙上。
心エコー:ドーム状に癒合した肺動脈弁、ドプラ法による肺動脈弁通過血流速の上昇(圧較差の測定)、右室壁肥厚。
軽症(右室-肺動脈圧較差が小さい):経過観察。
中等症〜重症(圧較差≧40-50mmHg):『経皮的バルーン肺動脈弁拡大術(PTPV)』が第一選択。カテーテルでバルーンを膨らませて癒合した弁を引き裂く。
カテーテル治療が困難な場合や弁下狭窄などを伴う場合は、外科的に交連切開術等を行う。
病態
弁尖が癒合してドーム状になり狭窄するものが大半。血液を肺に押し出すため右心室の筋肉が分厚くなる。単独での発症のほか、ファロー四徴症(TOF)の構成要素として、あるいはNoonan(ヌーナン)症候群の合併症として重要である。
試験・臨床での重要ポイント
聴診所見が全て。『胸骨左縁第2肋間』における『粗い収縮期駆出性雑音』を聴取し、重症であるほど雑音のピークが遅くなる。また、右室の駆出に時間がかかるため、大動脈弁が閉じた後に肺動脈弁が遅れて閉じる『II音の分裂』を認める。
胸部X線では、狭くなった弁を勢いよく通過した血液が肺動脈本幹にぶつかって拡張する『狭窄後拡張(post-stenotic dilatation)』を認める。
覚え方・コツ
「肺動脈弁狭窄症は『右心室の出口が狭い病気』!血液が狭い隙間をムリヤリ通るから、左胸の上の方(第2肋間)で『ザーッ』という激しい雑音がする。ターナー症候群に似た『ヌーナン症候群』の男の子に多いのが試験のポイント。治療はメスを使わず、カテーテルの風船(バルーン)で狭い弁をパチンと押し広げれば綺麗に治る!」
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