チェディアック・東症候群は、LYST遺伝子変異により細胞内の小胞輸送が障害される原発性免疫不全症。部分白皮症(銀髪、色白)、好中球内の巨大顆粒、易感染性を三徴とし、進行すると血球貪食症候群(加速期)に移行して致死的となる。
最終更新日: 2026年5月31日
チェディアック・東症候群は、LYST遺伝子変異により細胞内の小胞輸送が障害される原発性免疫不全症。部分白皮症(銀髪、色白)、好中球内の巨大顆粒、易感染性を三徴とし、進行すると血球貪食症候群(加速期)に移行して致死的となる。
皮膚症状:部分白皮症(銀色・灰色の頭髪、色白の皮膚、眼の羞明)。
免疫異常:化膿性細菌に対する重篤な反復性感染症。
血液異常:軽度の出血傾向(鼻出血、紫斑)。
加速期(HLH):発熱、リンパ節腫脹、肝脾腫、黄疸、出血症状の悪化。
末梢血塗抹検査:好中球やリンパ球の細胞質内に『巨大顆粒(アズール顆粒の異常癒合)』を証明する。
血液検査:好中球減少、血小板機能異常。
遺伝子検査:LYST(CHS1)遺伝子の変異。
感染予防および抗菌薬の予防投与。
根治治療:加速期に移行する前の『造血幹細胞移植(骨髄移植)』が唯一の根本治療。
加速期への対応:ステロイドやエトポシドなどの免疫抑制化学療法(HLHに対する治療)で状態を落ち着かせた後、移植を行う。
病態
リソソームやメラノソームなどの細胞内小胞の融合・輸送がうまくいかず、異常な「巨大顆粒」が形成される。好中球に巨大顆粒ができると殺菌能が落ちて免疫不全になり、メラノサイトでメラニン顆粒が正常に運ばれないと白皮症になる。
試験・臨床での重要ポイント
見た目の特徴である『銀色の頭髪(部分白皮症)』と、血液塗抹標本での『好中球内の巨大ペルオキシダーゼ陽性顆粒』が絶対的な国試キーワード。
血小板の顆粒異常により出血傾向(鼻血など)も伴う。
数年以内に、ウイルス感染などを契機として『加速期(血球貪食性リンパ組織球症:HLH)』に移行し、高熱、汎血球減少、肝脾腫をきたして多臓器不全に至るため、早期の骨髄移植が必須である。
覚え方・コツ
「チェディアック・東症候群は『銀色の髪の赤ちゃんが、巨大顆粒のせいでバイキンに負ける病気』!白血球の中にデカすぎる無能な爆弾(巨大顆粒)ができてしまい、バイキンをうまく殺せない。メラニン色素もうまく運べないから色白・銀髪になる。放置すると自分自身の血を食べる暴走状態(加速期:HLH)になるから、急いで骨髄移植だ!」
TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。