医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
ヘルパンギーナは、主にコクサッキーウイルスA群の感染により、夏期の小児に突然の高熱と口腔内後方(軟口蓋)の水疱・びらんをきたすウイルス性感染症である。激しい咽頭痛により脱水を起こしやすく、CBTや医師国家試験では、手足口病との鑑別(手足に皮疹が出ない)や脱水への対応が頻出の重要疾患である。
突然の高熱(39〜40℃に達することが多く、熱性けいれんを契機に受診することもある)
軟口蓋、口蓋垂、口蓋弓の水疱・びらん・潰瘍
激しい咽頭痛(これに伴う不機嫌、哺乳不良、食欲低下、よだれの増加)
全身倦怠感
初期評価
夏期の乳幼児で突然の高熱がある場合、必ず口腔内を観察し、軟口蓋に特異的な水疱・潰瘍があるかを確認する。同時に手足に皮疹がないかを確認し、脱水所見(皮膚のツルゴール低下、口腔粘膜の乾燥、尿量低下)を評価する。
検査
臨床症状のみで診断可能であり、特別な検査は不要である。高熱があるため、細菌感染症の除外が必要な場合のみ血液検査を行う。
鑑別
最大の鑑別疾患は「手足口病(微熱が多い、水疱は舌や頬粘膜などの前方にも出る、手足に皮疹がある)」である。また、アデノウイルスによる「咽頭結膜熱(プール熱:高熱、咽頭発赤、結膜炎)」や、単純ヘルペスによる「ヘルペス性歯肉口内炎(歯茎が腫れて出血しやすい)」と鑑別する。
初期対応
激しい痛みにより水分摂取が困難となるため、刺激の少ない食事(冷ましたスープ、ゼリー、アイスクリーム、豆腐など)や、こまめな水分摂取を指導する。
根本治療
特異的な抗ウイルス薬はないため「対症療法」が中心となる。高熱や咽頭痛に対してはアセトアミノフェンを使用する。経口摂取が全くできず、尿量減少などの中等度以上の脱水所見を認める場合は、速やかに外来で細胞外液の点滴輸液を行うか、入院管理とする。
病態
エンテロウイルス属のウイルス感染により、突然の高熱とともに口腔粘膜後方に特異的な水疱と潰瘍を形成する。
原因
主にコクサッキーウイルスA群(複数あるため何度もかかることがある)である。夏かぜの代表格であり、1〜4歳の乳幼児に好発する。
分類
小児の夏期感染症(夏かぜ)に分類される。
試験での重要ポイント
「夏期に突然39℃以上の高熱を出し、口の奥(軟口蓋、口蓋垂、口蓋弓)に水疱や潰瘍ができている」という病歴があれば本疾患と診断できる。試験で最も問われるのは『手足には発疹が出ない(手足口病との鑑別)』点と、『口が痛くて飲めないため、脱水症に陥りやすい』点である。不機嫌、哺乳量低下、尿量減少があれば脱水を疑い、早期の輸液等が必要になる場合があることを念頭に置く。
覚え方・コツ
「ヘルパンギーナは、夏の突然の高熱と、口の奥(軟口蓋)だけの水疱。手足はキレイ!口が痛くて飲めないから脱水に注意!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。