医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
ネザートン症候群は、SPINK5遺伝子の変異による常染色体潜性遺伝疾患であり、「重症の魚鱗癬」「竹節状毛(結節性裂毛症)」「アトピー素因」を三徴とする稀な遺伝性皮膚疾患である。
皮膚症状:先天性魚鱗癬様紅斑、回旋状線状魚鱗癬(二重の辺縁を持つ環状紅斑)。
毛髪異常:竹節状毛髪(髪がもろく短く折れる)、乏毛。
アトピー素因:高IgE血症、食物アレルギー、喘息の合併、著明な成長障害・体重増加不良。
初期評価
乳児期の重篤な紅斑・落屑と、毛髪の異常から疑う。
検査
毛髪の顕微鏡検査で「竹節状毛(結節性裂毛)」を確認する。皮膚生検の免疫染色でLEKTIタンパクの消失を確認し、確定診断はSPINK5遺伝子解析。
治療
根治治療はない。皮膚の保湿(エモリエント)によるスキンケアが基本。皮膚の炎症に対してステロイド外用薬やタクロリムス軟膏を使用するが、経皮吸収が著しく亢進しているため、全身的副作用(副腎不全や免疫不全)を防ぐために『低ランクのものを少量・慎重に使用する』ことが絶対の鉄則である。感染症のコントロールも重要。
病態
セリンプロテアーゼ阻害タンパク(LEKTI)をコードするSPINK5遺伝子の変異により、皮膚の角質層を分解する酵素が過剰に働き、皮膚バリア機能が著しく障害される。
試験・臨床での重要ポイント
出生直後から全身が赤く皮がむける(先天性魚鱗癬様紅斑)か、特徴的な環状の鱗屑を持つ紅斑(回旋状線状魚鱗癬)を呈する。髪の毛の異常が特徴的で、顕微鏡で見ると髪の毛の節が竹のように膨らんで折れやすくなっている『竹節状毛髪(Trichorrhexis invaginata)』が最大の診断キーワードである。皮膚バリアがザル状態のため、外用薬(ステロイドやタクロリムス)が過剰に血中に吸収されて全身性の副作用(クッシング症候群など)を起こしやすい点が臨床的に極めて重要。
覚え方・コツ
「ネザートン症候群は、皮膚のバリアがボロボロになる病気!全身の皮がむけ(魚鱗癬)、重度のアレルギーになり、髪の毛が竹の節のようにボキボキ折れる(竹節状毛髪)。薬が効きすぎる(過剰吸収される)から、強いステロイドを塗りすぎると危ない!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
晩発性皮膚ポルフィリン症は、ヘム生合成経路の酵素異常により、光過敏性物質であるポルフィリンが体内に蓄積する代謝疾患。C型肝炎や多量飲酒を背景に中高年で発症し、日光露光部(手背や顔面)の水疱・びらんや、尿の赤色化を特徴とする。
アトピー性皮膚炎は、増悪と軽快を繰り返す瘙痒(かゆみ)のある湿疹を主病変とする疾患。皮膚のバリア機能異常と、アトピー素因(IgE抗体を産生しやすい体質やアレルギー疾患の家族歴)が背景にある。
帯状疱疹後神経痛は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)による帯状疱疹の皮疹が治癒した後も、3ヶ月以上にわたって持続する難治性の神経痛。高齢者に多く、焼けるような痛みや電撃痛を特徴とする。
ダリエー病は、ATP2A2遺伝子変異により、表皮細胞間の結合が弱まる(棘融解)とともに異常な角化(ジスケラトーシス)を生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。脂漏部位(胸・背中・頭皮)に多発する悪臭を伴う角化性丘疹が特徴。