医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
ファブリー病は、リソソーム酵素であるα-ガラクトシダーゼAの遺伝的欠損により、糖脂質(GL-3)が全身の細胞に蓄積するX連鎖潜性(劣性)遺伝疾患である。CBTや国試では、小児期からの四肢末端の疼痛や無汗症、および進行性の腎障害・心機能障害が頻出の重要疾患である。
四肢末端痛(手足の先が焼けるように痛む)
低汗症、無汗症(うつ熱、発熱を伴う)
被角血管腫(赤紫色の細かい発疹)
角膜混濁(視力障害は伴わないことが多い)
腎障害(タンパク尿、慢性腎不全)、心障害(肥大型心筋症様)、脳血管障害
初期評価
小児期の原因不明の四肢痛と発汗低下のエピソードから疑う。心肥大やタンパク尿の原因検索で見つかることもある。
検査
男性では血液(白血球や血漿)中の『α-ガラクトシダーゼA活性の低下』を証明する。女性の場合は酵素活性が正常なことがあるため、GLA遺伝子検査が必須となる。
根本治療
欠損している酵素を定期的に点滴補充する『酵素補充療法(ERT)』が第一選択である。また、一部の遺伝子変異型に対しては、自分の酵素の形を整えて働きを助ける経口薬『シャペロン療法(ミガーラスタット)』が適応となる。腎不全に対する透析や心不全の対症療法も並行する。
病態
X染色体上のGLA遺伝子変異により酵素が欠損し、全身の血管内皮細胞や平滑筋、神経細胞に糖脂質が蓄積する。X連鎖遺伝であるが、女性ヘテロ接合体でも症状が出現することがある。
試験での重要ポイント
学童期頃からの『四肢末端の激しい痛み(発作性疼痛)』と『汗が出ない(低汗・無汗症:そのため夏にうつ熱を起こしやすい)』というエピソードが超定番である。また、下腹部や大腿に見られる赤紫色の発疹『被角血管腫』や、眼科検査での『渦巻き状角膜混濁』も特徴。進行するとタンパク尿(ファブリー腎)や心肥大(ファブリー心)をきたす。
覚え方・コツ
「ファブリー病はX連鎖。手足の先がジンジン激痛なのに、汗が出ないから夏に弱い!皮膚には赤いポツポツ(被角血管腫)。放っておくと大人になってから腎臓と心臓がポンコツになる。治療は足りない酵素を点滴で補充!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。