Bartter症候群は、ヘンレの太い上行脚におけるイオン輸送体の遺伝的機能不全により、低カリウム血症と代謝性アルカローシスをきたす疾患である。ループ利尿薬を大量に飲んでいるのと同じ状態になり、高カルシウム尿症を呈する点がGitelman症候群との鑑別で重要である。
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多尿、多飲、脱水(羊水過多による早産で発症することもある)
成長障害、体重増加不良
筋力低下、四肢の脱力、テタニー(低カリウム血症による)
腎結石、腎石灰化
初期評価
乳幼児の多尿、成長障害、および低カリウム血症から疑う。
検査
血液・尿検査で「低カリウム血症」「代謝性アルカローシス」「高レニン・高アルドステロン血症(二次性)」「尿中カルシウム排泄増加(高カルシウム尿症)」を確認する。血清マグネシウムは正常なことが多い(Gitelmanは低値)。
治療
根本的治療はない。失われるカリウムの経口補充が基本。カリウム保持性利尿薬(スピロノラクトンなど)を使用する。プロスタグランジン産生が異常亢進しているため、NSAIDs(インドメタシンなど)の投与が多尿・低カリウム血症の改善に極めて有効である。
病態
ヘンレの太い上行脚にあるNa-K-2Cl共輸送体(NKCC2)などの変異により、NaとClの再吸収が障害される。代償的に遠位尿細管でのNa再吸収が亢進し、KとHが大量に尿中に排泄されるため「低K血症・代謝性アルカローシス」となる。また、カルシウムの再吸収も障害されるため尿中に大量のCaが漏れ出る。
試験での重要ポイント
Gitelman(ギテルマン)症候群との鑑別が国試の定番。
①発症時期:Bartterは『乳幼児期』に発症し、成長障害を伴う重症例が多い(Gitelmanは学童期以降で軽症)。
②カルシウム尿:Bartterは『高カルシウム尿症(腎結石・石灰化の原因になる)』だが、Gitelmanは『低カルシウム尿症』である。
③血圧は『正常〜低血圧』であり、レニンとアルドステロンは代償性に上昇する(二次性アルドステロン症)。
覚え方・コツ
「Bartterは『生まれつきループ利尿薬(フロセミド)が効きっぱなし』の病気!赤ちゃんの頃からおしっこが出すぎてKが抜け、Caもジャダ漏れ(高カルシウム尿症・腎結石)。血圧は上がらない!」
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Liddle症候群は、腎臓の遠位尿細管〜集合管にある上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)の遺伝的な機能亢進により、若年で重症の高血圧と低カリウム血症をきたす常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。偽性原発性アルドステロン症の代表例。
Gitelman症候群は、遠位尿細管のナトリウム・クロール共輸送体(NCC)の遺伝的機能不全により、低カリウム血症、代謝性アルカローシス、低マグネシウム血症をきたす常染色体潜性遺伝疾患である。サイアザイド系利尿薬の長期服用と同じ病態となる。
精巣上体炎は、精巣上体(副睾丸)に細菌が感染して起こる炎症である。若年者では性行為感染症(クラミジアや淋菌)、中高年者では前立腺肥大症などに伴う尿路感染症(大腸菌など)が原因となることが多い。陰嚢の激しい疼痛と腫脹、発熱を来す。CBTや医師国家試験では、泌尿器科の緊急疾患である「精巣捻転症」との鑑別が極めて重要であり、超音波検査での血流評価やプレン(Prehn)徴候が頻出である。
顕微鏡的多発血管炎(MPA)は、毛細血管などの小型血管を主座とする壊死性血管炎であり、MPO-ANCAが陽性となる自己免疫疾患である。急速進行性糸球体腎炎(RPGN)や間質性肺炎、肺胞出血をきたしやすく、CBTや医師国家試験ではPAN(結節性多発動脈炎)との鑑別が超頻出である。