ネフローゼ症候群は、糸球体の透過性亢進により大量のタンパク質が尿中に漏出し、低タンパク血症や著明な浮腫をきたす症候群である。CBTや国試では、診断基準(尿タンパク3.5g/日以上、血清アルブミン3.0g/dL以下)や、血栓症・易感染性などの合併症、原疾患ごとの特徴(MCNS、MN、FSGSなど)が超頻出である。
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全身の圧痕性浮腫(下肢、顔面、眼瞼など)、著明な体重増加
胸水、腹水(呼吸困難や腹部膨満感を伴う)
尿の泡立ち(タンパク尿による)
合併症による症状:発熱(感染症)、胸痛・片側下肢腫脹(血栓症)
初期評価
著明な浮腫と尿の泡立ちから疑う。
検査
血液検査で『血清アルブミン3.0g/dL以下』、総タンパク6.0g/dL以下、高コレステロール血症を確認。尿検査で『尿タンパク3.5g/日以上(随時尿の尿タンパク/尿クレアチニン比≧3.5g/gCr)』を確認すれば診断確定。原疾患の特定および治療方針決定のために『腎生検』が原則として必要(※小児の典型的なMCNS疑い等では初診時には省略されることもある)。
一般療法
安静、厳格な『塩分制限(6g/日未満)』。タンパク制限は過度に行わず、適正カロリーを維持する。
薬物療法(原疾患に対する治療)
『副腎皮質ステロイド』の全身投与が基本。抵抗性の場合や再発を繰り返す場合は、免疫抑制薬(シクロスポリン、タクロリムス、シクロホスファミドなど)を併用する。
対症療法
浮腫に対して『ループ利尿薬』。血栓症リスクが高い場合(血清アルブミン2.0g/dL未満など)は抗凝固療法を検討する。脂質異常症に対してスタチンなどを投与する。
病態
糸球体基底膜やポドサイト(足細胞)の障害により、本来は濾過されないタンパク質(主にアルブミン)が大量に尿中へ漏れ出る。血中のアルブミンが減少することで血管内の膠質浸透圧が低下し、水分が血管内から間質へ移動して全身の浮腫をきたす。
試験・臨床での重要ポイント
成人の診断基準の必須項目である『尿タンパク3.5g/日以上』かつ『血清アルブミン3.0g/dL以下』が絶対暗記。これに加え『浮腫』と『脂質異常症(高LDLコレステロール血症など)』がみられる。合併症として、免疫グロブリンの尿中喪失による『易感染性(肺炎球菌など)』と、抗トロンビンIIIなどの抗凝固因子の尿中喪失・凝固因子産生亢進による『血栓症(特に深部静脈血栓症や肺塞栓症、腎静脈血栓症)』が極めて重要。
代表的な原発性疾患として、小児に多くステロイドが著効する『微小変化型(MCNS)』、成人に最多で悪性腫瘍を合併しやすい『膜性腎症(MN)』、難治性でステロイド抵抗性の『巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)』がある。
覚え方・コツ
「ネフローゼの基準は『サンゴ(3.5)の尿タンパク、サンマル(3.0)の血中アルブミン』!血のタンパクが減って水が漏れ、全身パンパンにむくむ(浮腫)。バイキンと戦う抗体も、血をサラサラにする成分も尿に漏れるから、『感染症』と『血栓症(エコノミークラス症候群など)』が命取りになる!」
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1型糖尿病は、膵β細胞が破壊されてインスリン分泌が不足(枯渇)し、高血糖になる疾患である。(自己免疫性が多い) 小児〜若年に多いが、成人発症や緩徐進行(SPIDDM)もある。 重要なのは、口渇・多飲・多尿・体重減少などの高血糖症状と、糖尿病性ケトアシドーシス(DKA:意識障害・Kussmaul呼吸など)の赤旗を見逃さないこと。 対応はまず血糖・ケトン・酸塩基(pH/HCO3−)を評価し、DKAなら輸液+電解質補正+速効型インスリン持続静注を優先する。
原発性硬化性胆管炎(PSC)は、肝内および肝外の太い胆管に線維性の狭窄が多発し、慢性的な胆汁うっ滞から肝硬変へと進行する原因不明の指定難病である。若年〜中年の男性に好発し、潰瘍性大腸炎(UC)を高率に合併する。CBTや医師国家試験では、PBCとの鑑別、特徴的な胆管造影所見、および胆管癌の合併リスクが毎年問われる超頻出疾患である。
膜性腎症(MN)は、成人の原発性ネフローゼ症候群の原因として最も頻度が高い疾患である。糸球体基底膜の上皮側に免疫複合体が沈着し、基底膜が肥厚することで大量の蛋白尿を来す。中高年に好発し、悪性腫瘍などを背景とする二次性のものが含まれるため全身検索が必須である。CBTや医師国家試験では、特徴的な病理所見(スパイク形成など)や、微小変化型(MCNS)との鑑別が毎年問われる超頻出疾患である。
Liddle症候群は、腎臓の遠位尿細管〜集合管にある上皮性ナトリウムチャネル(ENaC)の遺伝的な機能亢進により、若年で重症の高血圧と低カリウム血症をきたす常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。偽性原発性アルドステロン症の代表例。