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アジソン病は、副腎皮質が慢性的に破壊され、副腎皮質ホルモン(コルチゾールやアルドステロンなど)が分泌できなくなる指定難病である。全身の倦怠感や体重減少、皮膚の色素沈着を特徴とし、重症化すると致死的な副腎クリーゼを来す。CBTや医師国家試験では、ホルモン欠乏による多彩な症状や検査所見が頻出の重要疾患である。
全身倦怠感・易疲労感(疲れやすい)
体重減少・食欲不振
皮膚や粘膜の色素沈着(歯肉、肘、膝、乳輪などが黒ずむ)
血圧低下(立ちくらみ)
消化器症状(悪心・嘔吐、下痢)
初期評価
問診で体重減少や強い疲労感を確認し、視診で歯肉や関節部、手掌皮線(手のひらのシワ)の色素沈着を確認する。血圧測定で低血圧を確認する。
検査
血液検査でコルチゾール低値、ACTH高値、低Na血症、高K血症、低血糖を確認する。迅速ACTH負荷試験(コルチゾールが無反応)で確定診断する。腹部CTで副腎の萎縮や石灰化(結核性の場合)を確認する。
鑑別
続発性副腎皮質機能低下症(下垂体機能低下症:色素沈着なし、電解質異常は軽度)、神経性やせ症、悪性腫瘍、慢性疲労症候群と鑑別する。
初期対応
感染やストレスを契機に発熱、激しい腹痛、意識障害、ショックを来す「副腎クリーゼ」を疑った場合は、ただちに生理食塩水の大量輸液とヒドロコルチゾン(ステロイド)の大量静注を行う。
根本治療
不足しているホルモンを一生涯補充する。糖質コルチコイド(ヒドロコルチゾン)の内服が基本であり、電解質異常が改善しない場合は鉱質コルチコイド(フルドロコルチゾン)を追加する。発熱などのストレス時にはステロイドの量を通常の2〜3倍に増やす「シックデイ・ルール」の指導が必須である。
病態
結核や自己免疫などによって副腎皮質が破壊され、糖質コルチコイド(コルチゾール)、鉱質コルチコイド(アルドステロン)、副腎アンドロゲンが慢性的に不足する状態である。不足したコルチゾールを補おうと下垂体からACTHが過剰に分泌されるため、MSH(黒色素胞刺激ホルモン)様作用により皮膚が黒ずむ(色素沈着)。
原因
日本では特発性(自己免疫性)が最も多く、次いで結核性が多い。自己免疫性の場合、他の自己免疫疾患を合併することもある(自己免疫性多内分泌腺症候群)。
分類
副腎そのものが原因である「原発性副腎皮質機能低下症」の代表がアジソン病である。下垂体や視床下部が原因の「続発性」とは色素沈着の有無で分類(区別)される。
試験での重要ポイント
「全身倦怠感と皮膚の色素沈着(とくに歯肉や関節部)」があればこの疾患を疑う。血液検査での「低ナトリウム血症・高カリウム血症・低血糖・好酸球増加」の組み合わせは超頻出である。急性増悪である「副腎クリーゼ(急性副腎不全)」はショックを来す致死的病態であり、ただちにステロイドの大量静注が必要な点がよく問われる。鑑別でよく出るのは、色素沈着がなくアルドステロン分泌が保たれる「続発性副腎皮質機能低下症(下垂体性など)」である。
覚え方・コツ
「アジソンは副腎ペラペラ、ホルモン出ない。アルドステロンなしで塩抜けカリウム溜まる(低Na・高K)、コルチゾールなしで血糖下がる(低血糖)、ACTH頑張りすぎて肌黒い(色素沈着)」と覚える。
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中枢性尿崩症は、視床下部・下垂体後葉の障害により、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の合成・分泌が低下し、腎臓での水分再吸収ができなくなることで多尿と多飲をきたす疾患である。
甲状腺乳頭癌は、甲状腺悪性腫瘍の大部分(約90%)を占める癌。進行が極めて緩徐で、10年生存率が90%を超えるなど予後は良好だが、若年女性にも発症しやすく、頸部リンパ節転移を高率にきたす。細胞診での「すりガラス状核」が確定診断の鍵となる。
下垂体腺腫は、下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍。ホルモンを過剰分泌する「機能性腺腫」と、分泌しない「非機能性腺腫」がある。機能性の中で最も頻度が高いのがプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)であり、無月経・乳汁漏出症候群をきたす。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。