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SIADH(抗利尿ホルモン不適合分泌症候群)は、血漿浸透圧が低下しているにもかかわらず、抗利尿ホルモン(ADH)が過剰に分泌され、体内に水分が貯留して低ナトリウム血症をきたす疾患である。食欲不振や全身倦怠感、重症化すると意識障害を特徴とし、CBTや医師国家試験の内分泌分野で毎年問われる超頻出疾患である。
食欲不振・悪心(軽度の低Na血症による初期症状)
全身倦怠感・脱力感
頭痛
意識障害・痙攣(血清Na値が急激に低下した重症時)
※浮腫や脱水所見はみられない(試験で重要)
初期評価
問診で薬剤歴(抗うつ薬など)や呼吸器・中枢神経症状の有無を確認する。診察で浮腫(心不全など)や脱水所見(皮膚のツルゴール低下や頻脈など)がないことを確認する。
検査
血液・尿検査で血清Na低下(135mEq/L未満)、血漿浸透圧低下、尿中Na排泄増加、尿浸透圧上昇を確認する。血漿が希釈されるため血清尿酸値やBUNの低下も特徴的である。原因検索として胸部X線やCT、頭部MRIを必ず行う。
鑑別
アジソン病・嘔吐・下痢(脱水を伴う低Na血症)、心不全・肝硬変・ネフローゼ症候群(浮腫を伴う低Na血症)、心因性多飲症(尿浸透圧が極端に低い)と鑑別する。
初期対応
水中毒の状態であるため、第一選択は「水分制限(1日500〜1000mL程度)」である。重症の意識障害や痙攣がある場合は、3%高張食塩水をゆっくりと点滴投与する(急激なNa補正は中心髄鞘崩壊症:CPMを招くため禁忌であることは超頻出)。
根本治療
肺小細胞癌や中枢神経疾患などの基礎疾患がある場合は、その治療を最優先で行う。水分制限で改善が乏しい場合は、バソプレシンV2受容体拮抗薬(トルバプタン)の投与を行う。
病態
ADH(バソプレシン)の過剰分泌により、腎臓の集合管での水再吸収が亢進する。その結果、体液量が拡大して希釈性の低ナトリウム血症をきたす。
原因
肺小細胞癌(異所性ADH産生)や、中枢神経疾患(髄膜炎や脳出血など)、薬剤(抗うつ薬、カルバマゼピンなど)が主な原因となる。
分類
原因により、腫瘍性(肺小細胞癌など)、中枢神経性、肺疾患性、薬剤性に分類される。
試験での重要ポイント
「低ナトリウム血症があるのに脱水や浮腫がなく、尿浸透圧が高い(尿が濃い)」があればこの疾患を疑う。検査での「血清ナトリウム低値、血漿浸透圧低下、尿中ナトリウム排泄増加」の組み合わせは頻出である。肺小細胞癌の合併を確認するための胸部画像検査も最重要。鑑別でよく出るのは、脱水を伴う低ナトリウム血症である「アジソン病」や、浮腫を伴う「心不全」である。
覚え方・コツ
「SIADHは水浸し。脱水・浮腫なし(体液正常)、Na低くて尿は濃い、肺小細胞癌を必ずチェック」と覚える。
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中枢性尿崩症は、視床下部・下垂体後葉の障害により、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の合成・分泌が低下し、腎臓での水分再吸収ができなくなることで多尿と多飲をきたす疾患である。
甲状腺乳頭癌は、甲状腺悪性腫瘍の大部分(約90%)を占める癌。進行が極めて緩徐で、10年生存率が90%を超えるなど予後は良好だが、若年女性にも発症しやすく、頸部リンパ節転移を高率にきたす。細胞診での「すりガラス状核」が確定診断の鍵となる。
下垂体腺腫は、下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍。ホルモンを過剰分泌する「機能性腺腫」と、分泌しない「非機能性腺腫」がある。機能性の中で最も頻度が高いのがプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)であり、無月経・乳汁漏出症候群をきたす。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。