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逆流性食道炎(GERD)は、胃酸や胃内容物が食道に逆流し、食道粘膜に炎症を引き起こす疾患である。胸やけや呑酸(酸っぱい水が上がる感覚)を主症状とし、慢性化すると食道癌のリスクとなる。生活習慣の欧米化により患者が増加しており、CBTや医師国家試験でも頻出の重要疾患である。
胸やけ(食後や前屈姿勢で悪化しやすい)
呑酸(すっぱい液体がこみ上げてくる感覚)
胸部痛(狭心症に似た非心胸痛)
慢性咳嗽(胃酸がのどを刺激するため)
咽喉頭異常感(のどの違和感・かすれ声)
初期評価
問診で胸やけや呑酸の症状、悪化するタイミング(食後や就寝時)を確認する。FSSGなどの問診票も有用である。
検査
上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)が第一選択であり、食道粘膜の障害(ロサンゼルス分類)や食道裂孔ヘルニアの有無を確認する。内視鏡で異常がない場合は24時間食道pHモニタリングを行う。
鑑別
狭心症(胸痛)、胃・十二指腸潰瘍、食道アカラシア、好酸球性食道炎、食道カンジダ症と鑑別する。
初期対応
生活習慣の改善(脂肪食の制限、食後すぐに横にならない、減量、禁煙、就寝時に頭を高くするなど)を指導する。
根本治療
胃酸の分泌を強力に抑えるプロトンポンプ阻害薬(PPI)やカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)の内服を行う。重症例や薬物治療が無効な場合は、外科的治療(腹腔鏡下ニッセン噴門形成術など)を検討する。
病態
胃と食道の境界にある下部食道括約筋(LES)の機能低下などにより、強い酸性である胃液が食道へ逆流して粘膜を傷害する状態。
原因
加齢、肥満、高脂肪食、食べすぎ、食後すぐに横になる習慣、前かがみの姿勢、食道裂孔ヘルニアなどが原因となる。
分類
内視鏡検査で粘膜のただれ(びらん)がある「びらん性GERD(狭義の逆流性食道炎)」と、ただれがない「非びらん性GERD(NERD)」に分類される。
試験での重要ポイント
「食後の胸やけ」や「呑酸」があればこの疾患を疑う。プロトンポンプ阻害薬(PPI)によるPPIテストが診断的治療として頻出である。長期間の炎症によって食道下部が円柱上皮に置き換わる「バレット食道」は、食道腺癌のリスクファクターとなることが最重要。鑑別でよく出るのは「狭心症」や「食道カンジダ症」である。
覚え方・コツ
「GERDは、食後の胸やけ、PPIで診断・治療、放置でバレット(腺癌)」と覚える。
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下部消化管出血は、トライツ靱帯より肛門側(主に大腸)からの出血である。大腸憩室出血、虚血性腸炎、大腸癌、痔核などが主な原因となり、胃酸の影響を受けないため鮮血や暗赤色便を呈する。
上部消化管出血は、トライツ靱帯(十二指腸空腸曲)より口側の消化管(食道、胃、十二指腸)からの出血である。胃・十二指腸潰瘍、胃癌、食道・胃静脈瘤、マロリー・ワイス症候群などが主な原因となる。
消化管穿孔は、胃や十二指腸、大腸などの消化管壁に全層性の穴が開き、胃酸、腸液、便などが無菌状態の腹腔内に漏れ出す超緊急疾患。急激な汎発性腹膜炎を引き起こし、敗血症性ショックに至るため、原則として緊急手術の適応となる。
虚血性腸炎は、大腸粘膜の微小血管の血流が一時的に低下し、腸管粘膜が虚血・炎症・潰瘍を起こす疾患。便秘傾向のある高齢女性に多く、「突然の左下腹部痛」に続く「下痢・鮮血便」が典型的な三徴である。多くは一過性で、保存的治療で自然軽快する。