Gilbert症候群は、肝細胞におけるビリルビン抱合酵素の遺伝的活性低下により、軽度の間接(非抱合型)ビリルビン優位の高ビリルビン血症をきたす体質性黄疸である。健常人の数%に見られる良性疾患であり、治療は不要である。
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通常は無症状(健診などで偶然発見される)
軽度の黄疸(眼球結膜の黄染など)
全身倦怠感(ただしこれは黄疸によるものではなく、併発した疲労やストレスによるものが多い)
黄疸の増悪因子:絶食(飢餓)、睡眠不足、過労、ストレス、感染症、月経。
初期評価
溶血性貧血の所見(網赤血球増加、LDH上昇、ハプトグロビン低下)や肝実質障害(AST/ALT上昇)がないことを確認する。
検査
血液検査で「間接ビリルビン優位の高ビリルビン血症」を確認する。腹部エコーで肝臓・胆道系に異常がないことを確認。低カロリー食(絶食)試験によるビリルビン上昇の確認が行われることもある。確定診断はUGT1A1遺伝子の多型解析だが、臨床的に必須ではない。
治療方針
『治療は全く不要である(無治療で経過観察)』。患者に「病気というより体質であり、寿命や健康に悪影響はなく、肝硬変などには進行しない」ことを説明し、安心させることが最大の対応となる。※ただし、抗がん剤のイリノテカン使用時は、重篤な副作用(好中球減少など)が出やすいため注意が必要。
病態
UGT1A1遺伝子のプロモーター領域などの多型により、ビリルビンUDP-グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の活性が健常人の約30%程度に低下している。そのため、間接ビリルビンを直接ビリルビンに変換(抱合)する処理が遅れ、血中に間接ビリルビンが軽度滞留する。
試験での重要ポイント
「10〜20代」の若年者が、健診等で「肝機能(AST、ALT)は正常」だが「間接ビリルビンのみ軽度上昇(通常2〜3mg/dL程度)」していることを指摘されるエピソードが定番。さらに、『飢餓(絶食)、疲労、ストレス、感染』などを契機に黄疸が顕性化・増悪するという病歴がキーワード。予後は完全に良好であり『治療は不要(経過観察)』であることが正解となる。
覚え方・コツ
「Gilbert(ジルベール)は、肝臓の処理工場がちょっとだけサボり気味な体質(体質性黄疸)!疲れたり腹ペコになった時だけ、間接ビリルビンが溜まって少し黄色くなる(黄疸)。肝臓自体は元気(AST/ALT正常)だから、全く心配ないし治療もいらない!」
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Menetrier病は、原因不明(一部TGF-αなどの過剰発現)により胃底腺の粘液細胞が過形成を起こし、胃のひだ(巨大皺襞)が異常に肥厚する疾患である。大量の粘液分泌に伴いタンパク質が胃内へ漏出し、低タンパク血症(浮腫)をきたす。
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