裂肛は、硬い便の通過などにより肛門管の皮膚(上皮)が裂けた状態である。排便時の「激しい痛み」と「少量の鮮血」が特徴であり、慢性化すると肛門狭窄をきたす。
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排便時および排便後の激しい痛み(数時間続くこともある)。
排便後の少量の鮮血(紙に付く程度)。
便秘(痛みを恐れて排便を避けるため)。
視診:肛門を広げて裂け目を確認。見張りイボの有無。
指診:括約筋の緊張(トヌス)亢進を確認。※痛みが激しい場合は無理に行わない。
保存的治療(第一選択):緩下剤による便の軟化、座薬・軟膏の使用、入浴(血流改善・括約筋の弛緩)。
外科的治療:
①側方内肛門括約筋切開術(LSIS):括約筋の一部を切り、緊張を解いて治癒を促す。
②皮膚弁移動術(SSG):狭窄が強い場合に、皮膚をずらして肛門を広げる。
病態
便秘による硬い便の排泄や、下痢による粘膜の脆弱化が誘因となる。肛門後方(6時方向)が血流が乏しいため最も裂けやすい。痛みのために排便を我慢すると便がさらに硬くなり、症状が悪化するという悪循環に陥る。
試験・臨床での重要ポイント
慢性化すると、裂け目の外側に『見張りイボ(sentinel pile)』、内側に『肛門ポリープ』を形成し、さらに深い潰瘍(慢性裂肛)となると肛門が狭くなる(肛門狭窄)。治療は便通改善が基本だが、狭窄が強い場合は手術を検討する。
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機能性便秘は、大腸癌や腸閉塞などの器質的疾患(物理的な通過障害)を伴わず、腸管の機能異常や生活習慣によって生じる便秘の総称である。日常診療で極めて頻度が高く、機序により「弛緩性」「痙攣性」「直腸性」に大別される。
内痔核は、歯状線より「口側(上側)」の粘膜下血管叢がうっ滞・肥大し、支持組織が緩んで脱出・出血をきたす状態である。痛みは少ないが、排便時の鮮血便や脱出が主な症状となる。Goligher分類による重症度判定が治療選択の指標となる。
直腸脱は、直腸壁の全層が肛門外に反転・脱出した状態である。高齢女性に多く、骨盤底筋群の脆弱化が背景にある。粘膜のみが脱出する「直腸粘膜脱」との鑑別が重要である。
腸結核は、結核菌が腸管(主に回盲部)に感染・増殖し、慢性的な炎症と潰瘍を形成する疾患である。活動性の肺結核に合併することが多く、内視鏡検査での「輪状潰瘍」と生検での「乾酪壊死を伴う肉芽腫」が特徴的である。