ウォルマン病は、リソソーム酸性リパーゼ(LAL)の完全欠損により、コレステロールエステルやトリグリセリドが全身の臓器に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。乳児期早期に発症し、著明な肝脾腫、消化管障害、および「両側副腎の石灰化」が特徴である。
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腹部膨満、著明な肝脾腫
重度の消化器症状(脂肪便、嘔吐、難治性下痢)
成長障害、体重増加不良、るいそう
副腎皮質機能低下症(副腎の石灰化・破壊による)
初期評価
乳児期の肝脾腫と成長障害、腹部画像での両側副腎石灰化から強く疑う。
検査
血液(白血球や乾燥ろ紙血)中の『リソソーム酸性リパーゼ(LAL)活性の著明な低下』を証明する。確定診断はLIPA遺伝子の変異解析。血液検査で肝機能障害、脂質異常を認める。
治療方針
長らく致死的な疾患であったが、現在は『酵素補充療法(セベリパーゼ アルファの静脈内投与)』が承認されており、早期に開始することで劇的な生命予後の改善と肝脾腫の縮小が得られる。重度の肝不全に至った場合は肝移植、あるいは造血幹細胞移植が考慮されることもある。
病態
LIPA遺伝子の変異によりLALが欠損し、マクロファージ等に脂質が蓄積する。重症の乳児型がウォルマン病、遅発の軽症型がコレステリルエステル蓄積病(CESD)と呼ばれる。
試験・臨床での重要ポイント
生後数週間からの嘔吐・下痢(脂肪吸収不良)と、腹部が膨隆するほどの著明な『肝脾腫』がみられる。腹部X線やエコー・CTで『両側副腎の対称性かつびまん性の石灰化(および腫大)』を認めるのが絶対的な特徴であり、画像問題のキーワードとなる。未治療では生後数ヶ月〜1年以内で致死的となる。
覚え方・コツ
「ウォルマン病は、細胞のゴミ箱(リソソーム)で油(脂質)が分解できずパンパンに溜まる病気!肝臓・脾臓が腫れ上がり、特徴として『副腎が石灰化(真っ白になる)』する。特効薬の酵素補充療法(セベリパーゼ アルファ)で命を繋ぐ!」
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メナケス病(メンケス病)は、腸管からの銅吸収障害により全身の銅欠乏をきたすX連鎖潜性遺伝疾患である。中枢神経の退行変性、特異な縮れ毛(kinky hair)、および結合組織の異常(血管蛇行など)を特徴とし、ヒスチジン銅の皮下注が治療となる。
中枢神経の髄鞘形成(マイエリン化)が不全となる、X連鎖潜性(劣性)遺伝の白質ジストロフィー。乳児期早期からの眼振や、痙性麻痺、精神運動発達遅滞が特徴である。
プロピオン酸血症は、分枝鎖アミノ酸などの代謝に必須なプロピオニルCoAカルボキシラーゼの欠損により、プロピオン酸などの有機酸が体内に蓄積する常染色体潜性遺伝疾患である。新生児期からの重篤なケトアシドーシス発作を繰り返す。
プロテウス症候群は、AKT1遺伝子の体細胞モザイク変異により、身体の組織(骨、皮膚、脂肪など)が非対称かつ不均衡に過成長(巨大化)する極めて稀な疾患である。映画『エレファント・マン』のモデルとして有名である。