最終更新日: 2026年4月16日
アスクレピアで深掘りするクリグラー・ナジャー症候群は、肝臓のビリルビン抱合酵素(UGT1A1)の先天的な欠損により、重度の間接型(非抱合型)高ビリルビン血症を来す常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の疾患である。新生児期から重篤な黄疸を呈し、核黄疸による脳障害の危険性が高い。CBTや医師国家試験では、1型と2型の鑑別(フェノバルビタール試験)や、ジルベール症候群などの他の体質性黄疸との鑑別が頻出である。
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クリグラー・ナジャー症候群は、肝臓のビリルビン抱合酵素(UGT1A1)の先天的な欠損により、重度の間接型(非抱合型)高ビリルビン血症を来す常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の疾患である。新生児期から重篤な黄疸を呈し、核黄疸による脳障害の危険性が高い。CBTや医師国家試験では、1型と2型の鑑別(フェノバルビタール試験)や、ジルベール症候群などの他の体質性黄疸との鑑別が頻出である。
重度の黄疸(新生児期早期から発症し、持続する)
核黄疸の症状(初期:哺乳不良、傾眠、筋緊張低下、高音の泣き声。進行期:後弓反張、落陽現象。後遺症:アテトーゼ型脳性麻痺、難聴、知的障害)
※肝疾患そのものではないため、全身倦怠感や肝機能障害(AST・ALT上昇)は伴わない。
初期評価
新生児期の異常な黄疸遷延から疑う。溶血性貧血(母児間血液型不適合など)による間接ビリルビン上昇を除外することが重要である。
検査
血液検査で「間接ビリルビンの著明な上昇」を確認する(1型は20mg/dL以上、2型は20mg/dL未満で推移することが多い)。AST、ALT、ALP、γ-GTPなどの肝胆道系酵素は正常である。フェノバルビタール負荷試験(1型は無効、2型は有効)で型を鑑別し、最終的には遺伝子検査で確定診断とする。
鑑別
ジルベール症候群(間接ビリルビン上昇だが軽症、絶食で悪化)、デュビン・ジョンソン症候群(直接ビリルビン上昇、肝臓が黒色)、ローター症候群(直接ビリルビン上昇)、母児間血液型不適合などの溶血性黄疸、母乳性黄疸と鑑別する。
初期対応
核黄疸を防ぐため、血中ビリルビン値を低下させる「光線療法」を連日(1型では1日10時間以上)行う。急性増悪期で核黄疸の危険が迫っている場合は、交換輸血や血漿交換を緊急で実施する。
根本治療
1型の根本治療は「同種肝移植」のみであり、不可逆的な脳障害(核黄疸)が進行する前に通常は小児期に行われる。2型に対しては、酵素誘導作用を持つ「フェノバルビタール」の内服が有効であり、光線療法なしでもコントロール可能な場合が多い。
病態
肝臓におけるウリジン二リン酸グルクロン酸転移酵素(UGT1A1)の活性が欠損または著しく低下しているため、間接ビリルビンを水溶性の直接ビリルビンに抱合(処理)できず、血中に間接ビリルビンが蓄積する。
原因
UGT1A1遺伝子の変異による常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)である。
分類
酵素活性が完全に欠損している重症の「1型」と、活性がわずかに残存している「2型」に大別される。
試験での重要ポイント
「AST・ALTは正常だが、間接ビリルビンのみが著明に上昇」していれば体質性黄疸を疑う。1型と2型の鑑別には「フェノバルビタール試験」が行われ、血清ビリルビン値が低下しなければ1型、低下すれば2型と診断される点は超頻出。1型の根本治療は「肝移植」であることも重要。鑑別でよく出るのは、同じく間接ビリルビンが上昇するが比較的軽症の「ジルベール症候群」や、直接ビリルビンが上昇する「デュビン・ジョンソン症候群」「ローター症候群」である。
覚え方・コツ
「間接ビリルビン上昇の体質性黄疸:クリグラー・ナジャー(重症)とジルベール(軽症)。クリグラー1型はフェノバ効かない、2型はニッコリ(効く)」と覚える。
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