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フリードライヒ運動失調症は、フラタキシン(FXN)遺伝子の異常(GAAリピート異常伸長)により生じる常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)の脊髄小脳変性症である。運動失調に加えて、深部感覚障害、肥大型心筋症、糖尿病、凹足(pes cavus)などの非神経症状を合併するのが特徴である。
神経症状:進行性の小脳・感覚性運動失調、深部感覚障害(位置覚・振動覚低下)、深部腱反射消失、病的反射陽性(バンスキー徴候など)、構音障害。
非神経症状:肥大型心筋症、糖尿病、骨格変形(凹足、脊柱側弯症)。
初期評価
小児期〜青年期発症の運動失調と深部腱反射消失、心筋症の合併から疑う。
検査
心エコーで肥大型心筋症、血液検査で耐糖能異常(HbA1c上昇)を確認。神経伝導検査で感覚神経活動電位(SNAP)の著明な低下〜消失。確定診断は遺伝子検査(FXN遺伝子のGAAリピート伸長の証明)による。
治療方針
根治的治療法は確立されておらず、対症療法が中心となる。心筋症に対する心不全治療や不整脈管理(予後を決定するため最重要)、糖尿病に対するインスリンや血糖降下薬の投与、骨格変形や運動失調に対するリハビリテーション・装具療法を行う。近年、米国でNrf2活性化薬(オマベロキソロン)が承認された。
病態
第9染色体にあるFXN遺伝子のGAAトリプレットリピートが異常伸長し、ミトコンドリア蛋白であるフラタキシンが欠乏することで、鉄代謝異常や酸化ストレスが生じ、脊髄後索、脊髄小脳路、錐体路、末梢神経が変性する。
試験・臨床での重要ポイント
脊髄小脳変性症(SCD)の多くは優性遺伝(SCA群など)だが、本疾患は『常染色体潜性遺伝(AR)』である点が重要。脊髄の『後索(深部感覚)』と『側索(錐体路)』が強く障害される。腱反射は『消失』する。致死的な合併症である『肥大型心筋症』と、『糖尿病』、『骨格異常(凹足、側弯)』の合併が超頻出キーワードである。
覚え方・コツ
「フリードライヒは『AR(劣性)』の脊髄小脳変性症!神経のダメージでフラフラ(運動失調)になり、足の裏の感覚がなくなる(後索障害)。神経以外のおまけが超重要で、『心臓(心筋症)』『血糖値(糖尿病)』『足の形(凹足)』がやられる!特に心筋症は死因になるから絶対チェック!」
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CIDPは、自己免疫学的機序により、末梢神経のミエリン鞘(髄鞘)が慢性的に破壊(脱髄)される疾患。ギラン・バレー症候群(GBS)と類似の病態だが、2ヶ月以上かけて進行、または再発と寛解を繰り返す点で異なる。ステロイドが第一選択となる。
神経線維腫症1型(von Recklinghausen病:レックリングハウゼン病)は、第17染色体にあるがん抑制遺伝子(NF1遺伝子)の変異によって生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患。カフェ・オ・レ斑と多発する神経線維腫を特徴とし、全身の多彩な合併症を伴う。
三叉神経痛は、顔面の感覚を司る三叉神経(第V脳神経)が、脳幹からの出口付近で血管(主に上小脳動脈)に圧迫されることで、顔面に突発的で激しい「電撃痛」を繰り返す疾患。抗てんかん薬であるカルバマゼピンが特効薬となる。
ビタミンB1(チアミン)の欠乏により、糖代謝が障害されてATPが産生できなくなり、末梢神経障害や心不全、中枢神経障害をきたす疾患。心不全を伴う「湿性脚気」、末梢神経障害主体の「乾性脚気」、そしてアルコール依存症等に合併する中枢神経障害「Wernicke(ウェルニッケ)脳症」が有名。