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ファロー四徴症(TOF)は、心室中隔欠損(VSD)、肺動脈狭窄(PS)、大動脈騎乗、右室肥大の4つを特徴とする代表的なチアノーゼ性先天性心疾患である。乳幼児期のチアノーゼ発作(anoxic spell)や蹲踞(そんきょ)が特徴的である。CBTや医師国家試験では、4徴の名称、チアノーゼ発作時の対応、胸部X線所見(木靴心)が毎年問われる超頻出疾患である。
チアノーゼ(出生直後〜乳児期に出現)
蹲踞(そんきょ:労作時にしゃがみこむことで末梢血管抵抗を上げ、右→左シャントを抑制して息切れを改善する)
チアノーゼ発作(anoxic spell:泣いた後などに肺動脈漏斗部が攣縮し、右→左シャントが急増して意識消失や痙攣を来す)
ばち状指(慢性的な低酸素による軟部組織の増殖)
収縮期駆出性雑音(胸骨左縁第2〜4肋間。PSによるもの)
初期評価
乳幼児のチアノーゼ、息切れ、蹲踞のエピソードから疑う。診察で酸素飽和度(SpO2)の低下と収縮期雑音を確認する。
検査
胸部X線:「木靴心(心尖部の挙上、肺動脈野の透過性亢進=肺血流減少)」を認める。
心エコー:確定診断に必須。VSD、大動脈騎乗、PS、右室肥大を評価する。
心電図:右軸偏位、右室肥大(V1のR波増高、V5-6の深いS波)。
鑑別
他のチアノーゼ性心疾患(完全大血管転位、三尖弁閉鎖症など)、非チアノーゼ性心疾患(VSD、ASD、PDA)。
初期対応(チアノーゼ発作時)
胸膝位(きょうしつい):大腿動脈を屈曲させ体血管抵抗を上げる。
酸素投与、モルヒネ投与(鎮静と漏斗部攣縮解除)。
β遮断薬(プロプラノロール):右室流出路の心筋収縮を抑え、攣縮を解除する。
昇圧薬(フェニレフリン):体血管抵抗を上げ、相対的に肺への血流を増やす。
外科的治療
姑息術(Blalock-Taussigシャント):鎖骨下動脈と肺動脈を人工血管で吻合し、肺血流量を増やす。
根治術:通常1〜2歳頃に、VSD閉鎖術と右室流出路形成術(PS解除)を行う。
病態
胎生期の漏斗部中隔が前方かつ右側に偏位することで生じる。これにより、①大きな心室中隔欠損(VSD)、②漏斗部狭窄を中心とした肺動脈狭窄(PS)、③VSDにまたがる形での大動脈騎乗、の3つが引き起こされ、これらに対する二次的な圧力負荷の結果として④右室肥大が生じる。PSの程度により右→左シャントが生じ、低酸素血症(チアノーゼ)を来す。
試験での重要ポイント
「4徴」の暗記は必須。胸部X線での「木靴心(boot-shaped heart):右室肥大により心尖部が挙上し、肺動脈幹が陥凹する」は画像問題の定番。心音ではPSによる収縮期駆出性雑音を聴取するが、チアノーゼ発作時には漏斗部の攣縮により肺血流が激減するため、むしろ「雑音が減弱・消失」する点がひっかけ問題として頻出。蹲踞(しゃがむこと)で後負荷(体血管抵抗)を上げ、右→左シャントを減らして肺血流量を増やす機序も最重要である。
覚え方・コツ
「ファロー(Follow)して! 4つの(4徴)木靴(木靴心)で、しゃがみこみ(蹲踞)。発作(anoxic spell)が起きたら膝を胸に(胸膝位)!」と覚える。
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Dressler(ドレスラー)症候群は、急性心筋梗塞の発症から「数週間〜数ヶ月後」に、発熱や胸膜炎様胸痛を伴って発症する自己免疫性の「心膜炎(および胸膜炎)」である。
産褥心筋症は、それまで心疾患の既往がない女性が、妊娠末期から産後(産褥期)数ヶ月の間に突然発症する特発性の心不全。拡張型心筋症(DCM)と同様に左室の拡張と収縮能低下をきたす。母体の生命を脅かす重篤な疾患である。
拘束型心筋症は、心室壁が著しく硬くなり(コンプライアンス低下)、拡張不全(血液が心室に入りにくい)をきたす特発性心筋症。収縮能と壁厚は正常に近いが、著明な心房拡大と右心不全症状を特徴とする。予後は極めて不良である。
急性心筋炎は、主にウイルス感染などを契機として心筋に急性の炎症が生じる疾患。軽症例から、数時間〜数日で致死的な心不全やショックに至る「劇症型心筋炎」まで重症度は様々。若年者の突然の心原性ショックの原因として重要である。