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Dressler(ドレスラー)症候群は、急性心筋梗塞の発症から「数週間〜数ヶ月後」に、発熱や胸膜炎様胸痛を伴って発症する自己免疫性の「心膜炎(および胸膜炎)」である。
発熱。
胸膜炎様胸痛(深呼吸、咳嗽、仰臥位で増悪し、前かがみで軽減する)。
全身倦怠感、関節痛を伴うこともある。
問診:数週間〜数ヶ月前の急性心筋梗塞(または心臓手術)の既往。
聴診:胸骨左縁での『心膜摩擦音(Pericardial friction rub)』、胸膜摩擦音。
血液検査:白血球増多、CRP上昇、赤沈亢進。
心エコー:心嚢液の貯留、胸水貯留。
第一選択:安静と『NSAIDs(アスピリン、イブプロフェンなど)』の高用量投与。※抗凝固薬を使用している場合は心嚢内出血・心タンポナーデに注意。
難治例・再発例:『副腎皮質ステロイド』の投与。
病態
心筋梗塞によって壊死した心筋組織のタンパク質が抗原となり、それに対する自己抗体が産生され、遅発性に心膜や胸膜にアレルギー的(自己免疫的)な炎症を引き起こす。
試験・臨床での重要ポイント
『心筋梗塞の数週間〜数ヶ月後』という「時間差」が最大のキーワード。梗塞後数日以内に起こる急性心外膜炎(梗塞性心外膜炎)とは機序が異なる。
症状は急性心膜炎と同様に「発熱」と「深呼吸や仰向けで悪化する胸痛」であり、聴診で『心膜摩擦音』を認める。
治療にはアスピリンやNSAIDsを用いるが、難治性の場合は副腎皮質ステロイドを使用する。
覚え方・コツ
「Dressler症候群は『心筋梗塞の1ヶ月後にやってくる、自己免疫の遅延攻撃』!心筋梗塞はとっくに治ったはずなのに、熱が出て胸が痛くなる。理由は、壊れた心臓のゴミを免疫が敵と勘違いして攻撃するから。聴診器で胸の擦れる音(摩擦音)がしたらコレだ。痛み止め(NSAIDs)かステロイドで炎症を抑えろ!」
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産褥心筋症は、それまで心疾患の既往がない女性が、妊娠末期から産後(産褥期)数ヶ月の間に突然発症する特発性の心不全。拡張型心筋症(DCM)と同様に左室の拡張と収縮能低下をきたす。母体の生命を脅かす重篤な疾患である。
拘束型心筋症は、心室壁が著しく硬くなり(コンプライアンス低下)、拡張不全(血液が心室に入りにくい)をきたす特発性心筋症。収縮能と壁厚は正常に近いが、著明な心房拡大と右心不全症状を特徴とする。予後は極めて不良である。
急性心筋炎は、主にウイルス感染などを契機として心筋に急性の炎症が生じる疾患。軽症例から、数時間〜数日で致死的な心不全やショックに至る「劇症型心筋炎」まで重症度は様々。若年者の突然の心原性ショックの原因として重要である。
完全房室ブロックは、心房からの電気信号が心室に全く伝わらなくなった状態である。心房と心室がそれぞれ独自のペースで収縮(房室解離)し、心室の補充調律による高度な徐脈をきたすため、失神(アダムス・ストークス発作)や心不全の原因となる。