医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
グルタル酸血症Ⅰ型は、リジンやトリプトファンの代謝酵素の欠損により、神経毒性を持つグルタル酸が蓄積する有機酸代謝異常症である。乳児期の急性脳症(クリーゼ)による大脳基底核の不可逆的損傷と、大頭症、硬膜下血腫の合併が特徴である。
乳児期の大頭症(頭囲拡大)。
感染や発熱に伴う急性脳症(嘔吐、けいれん、意識障害:クリーゼ)。
クリーゼ発症後に残存する進行性の錐体外路症状(ジストニア、反弓緊張、舞踏アテトーゼ)。
尿有機酸分析でグルタル酸、3-ヒドロキシグルタル酸の排泄増加。
頭部MRI:シルビウス裂の開大(bat-wing appearance)、大脳基底核(線条体)の萎縮やT2高信号病変、硬膜下水腫・血腫。
予防と慢性期治療:リジン・トリプトファン除去ミルクの投与。有毒物質排泄のためのL-カルニチン大量補充。
急性期治療(最重要):発熱や胃腸炎などにより異化が亢進しそうな時は、症状がなくても先制して『徹底したブドウ糖大量輸液(解熱薬併用)』を行い、異化を強力に抑え込んで不可逆的な脳損傷(クリーゼ)を未然に防ぐことが最大の鍵となる。
病態
グルタリルCoAデヒドロゲナーゼの欠損により、リジンなどの代謝産物(グルタル酸、3-ヒドロキシグルタル酸)が蓄積する。これらが大脳基底核(特に被殻や尾状核)に強い毒性を示す。
試験での重要ポイント
普段は『頭が大きい(大頭症)』こと以外は無症状で発達するが、風邪などの発熱・感染を契機に急激に異化が亢進し、『急性脳炎様クリーゼ』を起こす。これを機に大脳基底核が破壊され、その後一生残る『ジストニア・舞踏アテトーゼ(重度の運動障害)』をきたすのが最重要ポイント。また、頭蓋内のスペースバランスの異常から『硬膜下血腫・水腫』を起こしやすく、被虐待児症候群(揺さぶられっ子症候群)と誤認されることがあるため注意が必要。
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。