急性喉頭蓋炎は、気管の入り口のフタである「喉頭蓋」に細菌感染が生じ、急速に腫脹することで気道閉塞をきたす耳鼻咽喉科・小児科領域の致死的救急疾患。気道確保が何よりも優先される。
激しい咽頭痛・嚥下痛(嚥下障害に伴う流涎)。
吸気性喘鳴(ストライダー:ヒューという音)、呼吸困難。
含み声(muffled voice)、高熱。
起坐呼吸(仰臥位で呼吸困難が悪化するため)。
頸部X線側面像:喉頭蓋の著明な腫大を示す『Thumb sign』。
喉頭内視鏡(ファイバースコープ):チェリーレッド(赤紫色)に腫脹した喉頭蓋を確認(※必ず気管挿管・気管切開の準備を整えた上で行う)。
気道確保(最優先):呼吸困難が強い場合や進行性の場合、直ちに気管挿管または気管切開を行い気道を確保する。
薬物療法:原因菌(インフルエンザ菌、肺炎球菌など)をカバーする広域抗菌薬(第3世代セフェム系など)の静脈内投与。喉頭蓋の浮腫を軽減するためのステロイド投与。
病態
インフルエンザ菌b型(Hib)が代表的な原因菌である(ワクチンの普及により小児では激減したが、成人例は依然として見られる)。喉頭蓋がパンパンに腫れ上がり、物理的に気道を塞ぐ。
試験・臨床での重要ポイント
症状の進行が年単位や月単位ではなく『数時間単位』と極めて速い。強烈な咽頭痛があるが、扁桃は腫れていないのが特徴。痛くて唾液も飲み込めないため『流涎(よだれを垂れ流す)』がみられ、仰向けになるとフタ(喉頭蓋)が気道に落ち込んで息が止まるため、座った姿勢(起坐呼吸)から動きたがらない。
X線頸部側面像での『Thumb sign(親指状の陰影:腫大した喉頭蓋)』が画像問題の超定番。不用意に舌圧子で喉の奥を覗き込もうとすると、刺激で反射的な気道痙攣・完全閉塞を起こすため絶対禁忌である。
覚え方・コツ
「急性喉頭蓋炎は『息の通り道のフタが腫れて、窒息死する超緊急病』!喉が痛くてよだれを垂らし(流涎)、ゼーゼー言いながら前かがみで座っていたらコレ。レントゲンで首に『親指(Thumb sign)』が見える。不用意に口の奥を覗くのはトドメを刺す行為!気管挿管の準備をしてから慎重に診察し、すぐに抗生物質を打て!」
クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスによる、日本で最も報告数の多い性感染症(STI)である。特に女性では「無症状」であることが多く、放置すると骨盤内炎症性疾患(PID)や不妊症、異所性妊娠の原因となるため極めて重要。
COVID-19は、SARS-CoV-2(新型コロナウイルス)による急性呼吸器疾患。無症状から重症のARDS(急性呼吸窮迫症候群)まで多彩な経過をたどる。飛沫・エアロゾル感染が主体であり、ワクチンの普及と抗ウイルス薬の開発により致命率は低下したが、依然として高齢者や基礎疾患保有者では重症化リスクが高い。
壊死性筋膜炎は、皮下組織の深部にある「筋膜」に細菌が感染し、組織を急速に腐らせながら(壊死)広がる致死的な軟部組織感染症。いわゆる「人食いバクテリア」による感染症であり、一刻も早い外科的デブリドマンが救命の鍵となる。
梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の感染によって引き起こされる性感染症(STI)。「偽装の達人」と呼ばれ、多彩な全身症状を呈する。近年、若年層を中心に感染者数が急増しており、母子感染による「先天梅毒」の予防も重要課題となっている。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。