梅毒は、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)の感染によって引き起こされる性感染症(STI)。「偽装の達人」と呼ばれ、多彩な全身症状を呈する。近年、若年層を中心に感染者数が急増しており、母子感染による「先天梅毒」の予防も重要課題となっている。
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第1期:初期硬結、硬性下疳、無痛性横痃。
第2期:梅毒性ばら疹、丘疹性梅毒疹、扁平コンジローマ、梅毒性脱毛。
晩期(第3・4期):結節性梅毒疹、ゴム腫、心血管梅毒(大動脈瘤など)、神経梅毒(認知機能低下、歩行障害)。
先天梅毒:Hutchinson三徴(実質性角膜炎、内耳性難聴、Hutchinson歯)。
血清学的検査(必須):
STS(非トレポネーマ抗原試験:RPR):早期から陽性となり、治療効果判定に用いる。
TP抗原試験(TPHA、FTA-ABS):特異度が高く、生涯陽性が持続する(感染の証明)。
※STSが陽性・TP抗原が陰性の場合は「生物学的偽陽性(膠原病、妊娠、マイコプラズマ感染等)」を疑う。
薬物療法(第一選択):『ペニシリン系抗菌薬』(アモキシシリン経口、またはベンジルペニシリン持続性筋注)。アレルギーがある場合はミノサイクリンやマクロライド系。
Jarisch-Herxheimer(ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー)反応:治療開始後数時間で、菌の急激な破壊により発熱や発疹の増悪をきたす反応。一時的なものであり治療は継続する。
病態
性行為によって皮膚・粘膜の微小な傷から侵入し、血流に乗って全身に広がる。症状が出る期間と無症状の期間を繰り返しながら、何年もかけて進行する。
試験・臨床での重要ポイント
各病期の症状が超頻出。
①第1期(約3週間後):感染部位の『硬性下疳(痛みのない硬いしこり・潰瘍)』と、無痛性の『無痛性横痃(そけい部リンパ節腫脹)』。痛くないため見逃されやすい。
②第2期(数ヶ月後):ウイルスが全身に回り、手のひらや足の裏を含む全身に『バラ疹(赤い斑点)』や『扁平コンジローマ』が出る。脱毛もみられる。
③第3期・第4期:ゴム腫、大動脈炎、神経梅毒(脊髄癆、進行麻痺)。
診断は『STS(RPR:現在の活動性を反映)』と『TPHA(過去の感染歴を反映)』を組み合わせて判断する。
覚え方・コツ
「梅毒は『多彩な顔を持つ、痛くない性病』!1期のしこり(硬性下疳)は痛くないから放置されがち。2期になると手のひら・足の裏まで赤いブツブツ(バラ疹)ができる!薬の特効薬は昔から変わらず『ペニシリン』!治療開始直後に、死んだ菌の毒素で高熱が出る『ヤーリッシュ・ヘルクスハイマー反応』は絶対に知っておけ!」
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蜂窩織炎は、皮膚の深い部分(真皮深層から皮下脂肪組織)に細菌が感染し、化膿性の炎症を引き起こす疾患。下腿に好発し、患部の境界が不明瞭な「発赤・腫脹・熱感・疼痛」を特徴とする。
シャーガス病は、クルーズトリパノソーマ(Trypanosoma cruzi)という原虫の感染によって引き起こされる熱帯感染症。中南米を中心に生息する「サシガメ(吸血昆虫)」の糞を介して感染し、数十年後に心筋症や消化管の「巨大化」をきたす致死的な疾患である。
MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。