肺炎球菌による市中肺炎(CAP)の最多かつ最も重要な原因疾患。悪寒戦慄を伴う急激な高熱と、「鉄錆色痰(てつさびいろたん)」が特徴的。肺の一葉がベッタリと白くなる大葉性肺炎を呈する。
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突然の悪寒戦慄、39℃以上の高熱。
湿性咳嗽、膿性痰(鉄錆色痰:出血が混ざり錆びた鉄のような色になる)。
胸膜に波及すると、深呼吸や咳嗽で増悪する胸痛を伴う。
画像診断:胸部X線・CTで、肺葉に一致した均等な浸潤影(大葉性肺炎)、Air bronchogram(気管支透亮像)。
細菌学的検査:喀痰グラム染色で『グラム陽性双球菌(ランセット状)』の確認、喀痰培養。
迅速検査:『尿中肺炎球菌抗原』が陽性となる。
第一選択薬:『ペニシリン系抗菌薬(アンピシリン静注やアモキシシリン内服)』。ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)の場合はセフェム系やカルバペネム系、レスピラトリーキノロンへの変更を考慮する。
予防:65歳以上の高齢者や脾摘患者には肺炎球菌ワクチンの接種が推奨される。
病態
肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)はグラム陽性の双球菌で、分厚い「莢膜(きょうまく)」を持つためマクロファージに貪食されにくい。脾臓がこの莢膜を持つ菌の排除に重要であるため、『脾臓摘出後』の患者では重症化(電撃性紫斑病など)しやすいのが超重要ポイント。
試験・臨床での重要ポイント
典型的(定型的)な細菌性肺炎の代表格。症状は「急激な高熱」「膿性痰(特に鉄錆色痰)」「胸膜炎様胸痛」。画像では気管支透亮像(エアブロンコグラム)を伴う『大葉性肺炎(肺葉全体が真っ白になる)』を認める。尿中肺炎球菌抗原検査が迅速診断に有用。治療はペニシリン系が第一選択。
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MRSA腸炎は、広域抗菌薬の使用により正常な腸内細菌叢が抑制され、耐性を持つメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)が異常増殖して生じる交代現象(菌交代症)の一つである。高齢者の術後などに激しい水様便や緑色便をきたし、急速に脱水・ショックへ進行する重症病態である。
レジオネラ肺炎は、温泉や24時間風呂、空調の冷却塔などの水系設備から発生するエアロゾルを吸入することで感染する、重症化しやすい非定型肺炎である。高熱に不釣り合いな「相対的徐脈」と、消化器・神経症状、および「低ナトリウム血症」を伴うのが特徴である。
マイコプラズマ肺炎は、「若年者(学童〜若年成人)」に好発する非定型肺炎の代表である。頑固な乾いた咳(乾性咳嗽)が特徴で、細胞壁を持たない菌であるためペニシリンなどのβラクタム系抗菌薬が無効であり、マクロライド系が第一選択となる。
ニューモシスチス肺炎は、細胞性免疫低下時(特にAIDS患者)に発症する代表的な日和見感染症である。真菌であるニューモシスチス・イロベチイが原因で、乾性咳嗽と呼吸困難をきたし、CTでの「両側びまん性すりガラス影」と血液検査での「β-D-グルカン上昇」が特徴的。ST合剤が特効薬となる。