医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
新生児呼吸窮迫症候群(RDS)は、早産児において肺表面活性物質(サーファクタント)が欠乏することにより、肺胞が虚脱し進行性の呼吸不全をきたす疾患である。CBTや医師国家試験では、胸部X線での網状顆粒状影やエアブロンコグラム、および人工サーファクタント補充療法が頻出の重要疾患である。
出生直後〜数時間以内に発症する多呼吸(60回/分以上)
陥没呼吸(胸骨上窩、剣状突起下、肋間などの陥没)
呼気性呻吟(うなり声:声門を狭めて呼気終末陽圧を保ち、肺胞虚脱を防ぐための代償機構)
チアノーゼ
初期評価
早産児に出生直後から多呼吸、陥没呼吸、呻吟などの呼吸障害がみられた場合に疑う。
検査
血液ガス分析で低酸素血症と呼吸性・代謝性アシドーシスを認める。胸部X線で「網状顆粒状影(スリガラス様)」「エアブロンコグラム」「肺容量の低下」を確認する。胃液マイクロバブルテストで陰性(気泡が少ない=サーファクタント欠乏)となる。
鑑別
新生児一過性多呼吸(TTN:正期産、X線で肺容量正常〜過膨張)、B群溶連菌(GBS)などによる新生児肺炎・敗血症(X線所見がRDSと酷似することがあるため慎重に鑑別)、先天性心疾患。
初期対応・根本治療
NICUでの厳重な呼吸管理が必要である。持続気道陽圧(CPAP)や人工呼吸管理を行いながら、早期に「人工サーファクタント補充療法(気管内注入)」を実施する。早産が避けられない場合は、予防として出生前に母体へ「副腎皮質ステロイド(リン酸ベタメタゾンなど)」を投与し、胎児の肺成熟を促進する。
病態
肺胞の表面張力を低下させるサーファクタント(主にⅡ型肺胞上皮細胞から分泌される)が不足するため、呼気終末に肺胞が虚脱(無気肺)し、換気血流不均等が生じて重篤な低酸素血症と呼吸性アシドーシスをきたす。
原因
早産(在胎34週未満)が最大の原因である。その他、母体糖尿病(インスリンがサーファクタント合成を抑制するため)などもリスクとなる。
試験での重要ポイント
X線画像所見が極めて重要であり、「スリガラス様陰影(網状顆粒状影:reticulogranular pattern)」と、気管支が黒く浮き彫りになる「エアブロンコグラム(air bronchogram)」、および進行した「白肺(white out)」が絶対暗記キーワードである。治療には「人工サーファクタントの気管内注入」が著効する。予防として、早産が予測される妊婦への「副腎皮質ステロイド(母体)投与」も頻出。
覚え方・コツ
「RDSは早産児の肺ペチャンコ病。サーファクタント(石鹸水のようなもの)がないから膨らまない。レントゲンはスリガラス(網状顆粒状影)に黒い木の枝(エアブロンコグラム)。治療は人工サーファクタントを肺に直接注入!」
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大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。
ファイファー症候群は、FGFR1またはFGFR2遺伝子の変異により生じる頭蓋骨縫合早期癒合症(症候群性)。頭蓋骨の変形(尖頭やクローバー葉頭蓋)に加え、特徴的な「幅広で外側に曲がった親指および足の親指」を伴う。
ヌーナン症候群は、RAS/MAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異により生じる常染色体優性遺伝疾患。「ターナー症候群に似た外見(翼状頸、低身長)」を呈するが、染色体は正常であり、男女ともに発症する。肺動脈弁狭窄症などの右心系奇形を合併しやすい。