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フェニルケトン尿症(PKU)は、必須アミノ酸であるフェニルアラニンをチロシンに変換する酵素が先天的に欠損し、体内にフェニルアラニンが蓄積する代謝異常症である。放置すると重度の知的障害やメラニン欠乏による赤毛・色白をきたす。新生児マススクリーニングの代表的疾患であり、小児科領域のCBTや医師国家試験で毎年問われる超頻出疾患である。
知的障害・発達遅滞(生後数ヶ月から進行する)
メラニン色素欠乏(赤毛、金髪、色白の皮膚)
特異な尿臭(ネズミ尿臭、カビ臭、汗臭さ)
痙攣・脳波異常
湿疹
初期評価
新生児マススクリーニング(タンデムマス法)で血中フェニルアラニン高値として生後早期に発見される。発見が遅れた場合は、赤毛や発達遅滞から疑う。
検査
血液検査でフェニルアラニン高値、チロシン低〜正常値を確認する。尿への10%塩化第二鉄溶液滴下で緑色を呈する。確定診断と病型分類(古典か非定型か)のために、BH4負荷試験や遺伝子検査、尿中プテリン分析を行う。
鑑別
非定型PKU(BH4欠損症:L-dopaなどの補充が必要)、一過性高フェニルアラニン血症(治療不要なことが多い)、チロシン血症と鑑別する。
初期対応
発見次第、速やかにフェニルアラニンを制限した特殊ミルク(治療乳)を開始し、脳障害の進行を防ぐ。
根本治療
古典型PKUの基本は「低フェニルアラニン食事療法(特殊ミルクと食事制限)」であり、生涯にわたる厳格なコントロールが必要である。妊娠時には胎児への影響(母体PKU)を防ぐため、さらに厳格な管理が求められる。非定型(BH4欠損症)の場合は、BH4製剤の補充に加えて、L-dopaや5-HTP(神経伝達物質の前駆体)の補充療法を行う。
病態
フェニルアラニン水酸化酵素(PAH)、またはその補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)の異常により、フェニルアラニンが代謝されず蓄積し、脳神経の発達障害を引き起こす。また、下流のチロシンが不足するためメラニン合成が低下する。
原因
常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)による先天的な遺伝子変異が原因である。
分類
酵素(PAH)自体の異常による「古典型PKU」と、補酵素(BH4)の異常による「非定型PKU(悪性高フェニルアラニン血症)」に大別される。
試験での重要ポイント
「赤毛、色白、ネズミ尿臭(カビ臭)、知的障害」のキーワードがあればこの疾患を疑う。検査における「フェニルアラニン高値、チロシン低値」と、尿への塩化第二鉄滴下による「緑色反応」は頻出。非定型(BH4欠損症)では、ドパミンやセロトニンの合成も障害されるため、L-dopaなどの神経伝達物質の補充が必要となることが最重要。鑑別でよく出るのは「ホモシスチン尿症」などの他のアミノ酸代謝異常症である。
覚え方・コツ
「PKUはフェニルアラニン蓄積、チロシン(メラニン)不足で赤毛・色白。ネズミ臭の尿は鉄で緑になる」と覚える。
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