医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
川崎病は、乳幼児に好発する原因不明の全身性中小型血管炎である。CBTや医師国家試験では、診断基準となる「主要症状6つ」と、突然死の原因となる「冠動脈瘤」の合併、およびそれを防ぐための「免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)+アスピリン内服」が超頻出の最重要疾患である。
5日以上続く発熱(抗生剤が無効)
両側眼球結膜の充血(目やにを伴わない)
口唇の紅潮、イチゴ舌
不定形発疹
四肢末端の硬性浮腫、手掌・足底の紅斑(回復期に指先から膜様落屑)
急性期の非化膿性頸部リンパ節腫脹
(参考)BCG接種部位の発赤、胆嚢腫大、無菌性髄膜炎
初期評価
遷延する発熱と特徴的な主要症状から臨床的に診断する(6症状中5つ以上、または4つ+冠動脈瘤で確定)。
検査
血液検査で強い炎症反応(CRP上昇、白血球増多)、肝機能障害、および血小板の著明な増加(第2病週以降)を確認する。群馬スコアや小林スコアを用いてIVIG不応リスクを予測する。合併症評価のため『心エコー検査』を必ず実施し、冠動脈の拡大・瘤形成(Zスコア)を評価する。
初期対応・根本治療
冠動脈瘤の形成を予防するため、発症早期(原則として第7病日以内)に『免疫グロブリン大量静注療法(IVIG:2g/kg/回)』と『アスピリン内服(中〜高用量)』を開始する。IVIGに不応(熱が下がらない)の場合は、ステロイドパルス療法、インフリキシマブ(抗TNF-α抗体)、シクロスポリン、血漿交換療法などを追加する。冠動脈瘤が残存した場合は、抗血小板薬や抗凝固薬による長期管理が必要となる。
病態
サイトカインの過剰産生などにより全身の中型・小型動脈に強い血管炎が生じる。特に心臓を養う冠動脈に強い炎症が起き、瘤(動脈瘤)を形成することが最大の課題である。
原因
不明(何らかの感染を契機とした過剰な免疫反応と考えられている)。4歳以下の乳幼児に多い。
試験での重要ポイント
『主要症状6つ(5つ以上で診断)』が絶対暗記項目。
①5日以上続く発熱、②両側眼球結膜の充血、③口唇の紅潮・イチゴ舌、④不定形発疹、⑤四肢末端の変化(急性期の硬性浮腫・紅斑→回復期の指先からの膜様落屑)、⑥非化膿性頸部リンパ節腫脹。
また、参考条項として『BCG接種部位の発赤』が非常に特徴的で頻出である。最大の合併症は『冠動脈瘤』であり、心エコーによる定期的なスクリーニングが必須。治療の第一選択は『免疫グロブリン大量静注療法(IVIG)とアスピリンの内服』である。小児のウイルス感染にアスピリンは禁忌(ライ症候群)だが、川崎病には血栓予防と抗炎症の目的で例外的に使用する。
覚え方・コツ
「川崎病の6症状:熱(5日)、目(充血)、口(イチゴ舌)、首(リンパ節)、ブツブツ(発疹)、手足(パンパン→皮むけ)。BCGの跡が赤くなったらビンゴ!心臓の血管(冠動脈)が瘤になるから、免疫グロブリンとアスピリンで火消し!」
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TRAPSは、TNF(腫瘍壊死因子)受容体の遺伝子変異により、病原体の感染がないのに自然免疫が暴走して長期間の発熱を繰り返す「自己炎症性疾患」。1週間以上続く発熱、遊走性の筋肉痛、眼周囲の浮腫を特徴とする。
新生児低血糖は、生後早期の新生児において血糖値が異常に低下した状態。脳のエネルギー源が枯渇するため、放置すると不可逆的な中枢神経障害(発達遅滞や脳性麻痺)を残す。母体糖尿病やFGR、早産児がハイリスクとなる。
大動脈縮窄症(CoA)は、大動脈の一部(多くは動脈管索付近)が先天的に狭くなっている疾患である。狭窄部より上(腕・頭)は高血圧となり、下(下肢)は血流低下をきたす「上下肢の血圧差」が最大の特徴。Turner症候群に高率に合併する。
プラダー・ウィリー症候群は、15番染色体長腕(15q11-q13)の「父親由来」の発現異常(ゲノムインプリンティング異常)による疾患。乳児期の重度筋緊張低下から一転し、幼児期以降は満腹中枢の異常による過食と高度肥満を呈する。